SHIROSE(WHITE JAM)、時代に求められるラブソングの変化を言葉の視点から考える

SHIROSEに聞く、ラブソングの言葉の変化

短いフレーズは一番難しいけど、だからこそ挑戦したい

ーーフレーズの強さこそがSHIROSEさんの強みですよね。どういう音楽に影響を受けたんでしょうか?

SHIROSE:僕はフレーズ狂なんですよ(笑)。とにかく短いフレーズが好きなんです。僕が影響を受けたのは音楽ではなくて、星新一さんの言葉の影響があると思います。1960年、70年代に活躍された小説家なので普通はその頃の本を読んだら古いと感じると思うんです。でも星さんの書いたものは古く感じない。それに言語の壁を越えるんですね。翻訳してアメリカ人が読んでも面白いという。物事の価値を伝える表現の仕方もそうですし、言葉の長さとかたまらないんですよね。1文に音節が1個か2個ぐらいしか入っていなくてスマートで。だから子供でも読めるし、海外の方も齟齬なく訳せるんだなと。そういう誰にでもわかりやすい表現は時代も国境も超えて人の頭に残っていくので、そういうところに影響を受けましたね。

 短いフレーズは一番難しいけど、だからこそ挑戦したいんです。最近はできていないんですけど、1年に1回小学校に道徳の授業をやりに行くようにしていた時期があって。その時に子供たちが話を全然理解してくれないことに衝撃を受けました。アーティストということは隠しながら授業しているものの「こっちは感動させるプロやで」と思いながら行くんですけど、全然響かない。でも授業をやっていくうちに文節が短ければ届くとわかってきて。もっともっと短くしないとダメだって、ショートフレーズでバーンっと胸に突き刺していくと泣き出す子も出てきて、かわいいんですよ(笑)。

ーー子供を相手にするのは伝える練習としては究極かもしれないです。

SHIROSE:それ以外にも言葉が古くならない工夫、伝えるための工夫は日頃からやっていて。その上で大変なこともありますが、ちゃんと世の中の人の求めるものになってくれるんだったらうれしいなって。なかでも小学校の授業はめっちゃ勉強になりますね。大人みたいに理屈では伝わらないですから。7行で説明しようと思っても、7行も聞いてもらえないし。君たちもやはり2行以下か、みたいな(笑)。1文字で会話をしている子供達すらいて、驚きます。教えるつもりで行っているのに、いつもいろんなことを教えてもらっています。

SHIROSE live

■ライブ情報
WHITE JAMは現在、全国51ヶ所でツアーを開催中。
2022年7月14日には東京 Spotify O-EASTで、SHIROSE初となるソロライブを開催。

<チケット発売中>
・WHITE JAM 51カ所ツアー
https://whitejam.net/contents/492216
・SHIROSE 1st LIVE TATTOO
https://whitejam.net/contents/492215

SHIROSE(WHITEJAM)Twitter
https://twitter.com/WJF_SHIROSE

WHITE JAM オフィシャルサイト
https://whitejam.net/

【特集】ラブソングが映す時代の変化

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