乃木坂46 齋藤飛鳥、グループ内外の活動で見せる“表現者”としての一面 MONDO GROSSO「STRANGER」MVを観て

 MONDO GROSSOを通じてアウトプットされている作品は、彼女自身も認める乃木坂46とは違う齋藤だが、表現者としての姿は乃木坂46としての活動の中にも色濃く表れている。その筆頭として挙げられるのが、2019年にリリースされた齋藤がセンターを務めたシングル曲「Sing Out!」だ。「惑星タントラ」や「STRANGER」とはベクトルは異なるが、間奏の優美なコンテンポラリーダンスは「裸足でSummer」や「ジコチューで行こう!」とは違った彼女の表現力にスポットを当てた初めてのシングル曲だった。

 昨年開催された展覧会『春夏秋冬/フォーシーズンズ 乃木坂46』における齋藤の映像インスタレーションもまた、パフォーマーとしての彼女をフィーチャーした一つの作品であった。開催場所でもある東京国立博物館 表慶館のエントランスで、軽やかにステップを踏む齋藤。同じコンテンポラリーダンスというところで「Sing Out!」の延長線上にあるようにも捉えられ、同時に乃木坂46内外で違うのは笑顔といったアイドルとしての重要なファクター、さらに“光と影”と例えたくなるようなコントラストである。

 「STRANGER」について「前回の参加がとてもいい経験でして、まさかまたお声がけ頂けるとは思っていなかったので、驚きました」とコメントしている齋藤。少なからず「惑星タントラ」が彼女自身の表現に影響を与えているのは確かだろう。今後期待したいのは、さらなる相手とのコラボレーション。そこには乃木坂46とも、MONDO GROSSOとも違う、表現者としての齋藤がいるはず。そして、その経験はまた乃木坂46としてのパフォーマンスへと還元されていくことだろう。

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