『紅白歌合戦』リハーサル最終日に水森かおり、坂本冬美、まふまふ、YOASOBIが登場 司会陣&CPから注目ポイントも

 12月28日より、12月31日放送の『第72回NHK紅白歌合戦』リハーサルが行われている。本稿では30日の囲み取材の模様をお伝えする。

■水森かおり

 「夢の舞台に帰ってくることができてとても嬉しい」と、笑顔で登場した水森かおり。今年はメモリアルコンサートを開催、ファンの前で歌える機会も増え、充実の1年だったと振り返り「感謝の気持ちを歌で伝えられるように頑張りたい」と意気込みを語った。

 19回目の出場となる今回。歌唱曲「いい日旅立ち」にかけ、“ご当地ソングの女王”としてコメントを求められると「今はなかなか旅に出られない時代。歌を通して、日本各地の美しい景色を感じていただければ」と寄せた。当日は誰もが知る日本の名所で歌うそうで、あっと驚く演出も予定しているとのこと。会見のあと、すぐに中継場所に出発することも明かした。「先輩の曲をカバーすることに緊張はありますが、水森かおりなりに精いっぱい頑張りたい。楽しみにしていてください」と締めくくった。(新 亜希子)

■坂本冬美

 写真撮影では少々ネタバレ(?)となるポーズも披露、茶目っ気たっぷりに会場を盛り上げた坂本冬美。33回目の出場決定にあたり「昭和から、色々なことが変わっていくなかでこうして出場させていただけるのは本当に嬉しいこと」と感謝を述べた。代表曲の1つ「夜桜お七」を歌うことについて「今年のテーマ“カラフル”に沿って、そして35周年でもある年に、この曲を選んでいただいたことが嬉しい」と喜びを語る。同曲を「『紅白』の風物詩」という記者の言葉に「(石川)さゆりさんの『津軽海峡・冬景色』や『天城越え』の域にたどり着くには、もうひと頑張りもふた頑張りもしなければ」と謙遜した。今回は「いつもとは違う“お七”をお見せします」とのこと。「素晴らしい映像に注目してほしい。少しタイミングがずれたら、あららら……となってしまうので、何度もリハーサルをしています」という華やかなステージに期待が高まる。

 毎年、NHKホールに立った瞬間に「『紅白』だ」と実感が沸くという坂本。「東京国際フォーラムで、というのは不思議な感じ。まだ慣れない感じはありますし、裏でも道に迷うんです」と明かす。会場は異なるが「『紅白』は、歌手にとって目標であり、ファンへの恩返しができる特別なステージ」と、喜びと意気込みを語った。(新 亜希子)

■まふまふ

 緊張しながらも、丁寧に言葉を選びながら思いを伝える姿勢が印象的だったまふまふ。『紅白』初出場について「家族と一緒にテレビを囲って見ていた、馴染みある番組。音楽を目指すものとして一番の夢のある舞台に、まさか出られるとは思っていなかった」と、改めて喜びを語った。

 カバー曲「命に嫌われている。」を歌唱することについて「ご提案をいただき“僕のことをわかってくださっているんだな”と、嬉しかった」といい、「僕は“歌ってみた”から始まった人間なので。故郷であるインターネットの人たちに、『紅白』に出させてもらえるくらい認めてもらえるようになったと伝えたい」と語った。「今は、叶わなかった夢がインターネットを通じて叶っていく時代。インターネットを知らない人に、もっとインターネットを伝えていきたい」としながらも「僕自身は、テレビを見て育ってインターネットで活動している人間。どちらにも良さがあり、分けなくていいんじゃない? と思う。インターネットの世界しか知らない人にとって、『紅白』がテレビを観るきっかけになれば嬉しい」と、メッセージを送った。

 また、印象的な自身の名前について「“まふまふ”と名前をつけた当時は、まさか10年後に『紅白』に出るとは思っていなかった。戻れるなら、それだけはやめておけと言いたい(笑)」とし、もしも名前を変えるならという質問には「思いつかないけど……ひたすら米津(玄師)さんがうらやましい。そうなるべくして生まれてきたかのようなお名前だなと。……(名前を)出してよかったのかな(笑)」と、恐縮しながら答えた。

 リハーサルは、普段のライブとはまるで違う感覚だったといい「ロックを歌うはずなのにがちがちでした。足が地面に根を張っていた」と、ジェスチャーを交えて取材陣を笑わせる場面も。改めて意気込みを聞かれると「音楽をやってきたからには1人でも多くの人に聴いてもらいたいという思いがある。日本で一番大きな番組で披露できることは本当に嬉しいこと」と語り、両親も「何も思い残すことはないです。こんなに幸せな親孝行をしてくれてありがとう」と喜んでいたという。京都が大好きだというまふまふは「ふらふらっとして和食を食べて、と過ごすのが好きだったので、世の中が落ちついたらまた行きたい」と、来年以降の夢を明かした。(新 亜希子)

■YOASOBI

 2年目の出場となるYOASOBIは、『紅白』の前半に特別企画の中で「YOASOBI with ミドリーズ」として、NHK子ども向けSDGs番組テーマソング「ツバメ」を、さらに後半では代表曲に数えられる「群青」を披露する。元気いっぱい囲み取材に登壇したミドリーズの5人。緊張はしていないというメンバーのあつきは、「『ツバメ』を踊ってニコニコになってくれたら」とパフォーマンスにかける思いを滲ませる。そんな5人にYOASOBI Ayaseは「心強いみんなと一緒に楽しくパフォーマンスができたら」と、YOASOBI ikuraは「みんなが元気いっぱいに歌を届けてくれるので、私もパワーをもらえながら歌えそうです」と期待を寄せていた。さらに、あつきがYOASOBIの2人への尊敬の念を伝えると、Ayaseは「我が子のように愛でていますので」と嬉しそうに笑みを浮かべていた。

 「群青」の歌唱について、ikuraは「今年のYOASOBIの集大成に相応しい、みなさんを楽しませるようなパフォーマンスを」と意気込みを見せる。ステージングについては、Ayaseが「たっぷり愛を詰めて、愛のこもったステージを届けられれば」とフォトセッションの際に見せた指ハートを決める。昨年の初出場では、角川武蔵野ミュージアムから生中継で「夜に駆ける」を届けた。今回は初めての『紅白』会場からとなる。パーソナリティを務める『YOASOBIのオールナイトニッポンX(クロス)』(ニッポン放送)の中で、ikuraが大ファンであるNiziUと思わぬ形で遭遇し、スタッフとしてやり過ごしたというエピソードがあった。今回の『紅白』はNiziUとの対面の可能性も。ikuraは「『紅白』の現場ではまだ会ってないので、会えるのかしら……。しっかり衣装を着て、『YOASOBIです!』ってタイミングでご挨拶できたら嬉しいなと思います」と笑みをこぼす。2021年にやり残したことを聞かれると、Ayaseは「年越しそばだけは絶対に食べたい。そこはなんとか楽屋に用意してもらいたい」と答え、ikuraと意気投合。来年の目標についてはAyaseが「ツアーでそんなに大きな場所ではないところ、みなさんの地元の近いところに回っていくのをやりたいですね」と具体的な構想を明かしていた。(渡辺彰浩)

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