ラストアイドル、2021年の集大成と5年目への希望を見せた4周年記念コンサート ファン感涙の水野舞菜ラストステージも

 今年の周年記念コンサートを語る上で触れざるを得ないトピックがある。それは今年7月に卒業した長月翠の不在だ。いや、正しくは長月の卒業をプラスに変えていたメンバーと言った方がいいだろう。昨年の周年記念コンサートをはじめ、ライブにおけるパフォーマンス、MCといったあらゆる中心にいた長月。そのぽっかりと空いたポジションを担うことになったのは、彼女と信頼関係の深かったメンバーたちだ。ユニット曲メンバーベスト5で、2位に選ばれたシュークリームロケッツの「鼓動の理由」には長月が期待するメンバーに挙げていた大森莉緒が、長月のお気に入りの曲でもあったLaLuceの「Everything will be all right」には、シューロケの松本ももな、小澤愛実が参加。シューロケの「君のAchoo!」は松本をセンターに、安田愛里、高橋美海というパフォーマンス経験者による新たな組み合わせでの3人となった。ライブ終盤での煽りを小澤が担当する姿も印象的であったが、中でも最も大きな変化を見せたのは全メンバーによる「バンドワゴン」である。

 この楽曲を巡る紆余曲折に関しては、少々長くなるため以前執筆した記事を参照してほしい(参考:LaLuce 長月翠と“歩く芸術”監督が激突 改めて問われる、ラストアイドル「バンドワゴン」の意義)。つまりは、長月の卒業によって、再び全員での「バンドワゴン」が解禁となったわけだ。ただ、形式上は全メンバーに違いないが、LaLuce/初期メンバーとしての思いはまだ残っているように思えた。それはラスサビで阿部、安田、鈴木の3人が見つめ合い、手をかざす振りが残されていること。たとえ形が変わったとしても、「バンドワゴン」への思いが変わることはない。

 12月末をもってグループを卒業する2期生の水野舞菜にとっては、今回のコンサートが最後のステージとなった。2期生の入れ替えバトルでは、4回の指名を受けながら立ち位置2番を守りきり橋本桃呼とともに2期生にとってのデビュー曲「愛しか武器がない」でダブルセンターを務めた水野。個人としては120万人のフォロワーを抱える人気TikTokerでもある。

 「水野ブロック」とも言うべき「愛しか武器がない」「どんなに好きでいても」の流れは、涙涙のパフォーマンスだった。特に2期生9名でパフォーマンスされた「愛しか武器がない」では、橋本と水野が拳をぶつけ合う振り付けから涙が頬を伝う感情的なパフォーマンスであった。アンコール前にはMCの三拍子の2人が登場し、水野にメッセージを送った。水野推しを公言していた久保孝真の「これから水野がいなくなったら、みんなは水野がいなくなったことを気づかれないくらいにパワーアップしてくれると思います。それを見て、水野は喜びと少しの寂しさを抱えて次のステージで戦っていくんだと思います」という言葉は、これからまた変容していく5年目のラスアイを想像させた。

 さらに、ラスアイにとって新たな動きだと感じさせる発表もあった。それが、籾山のソロ曲「To The Top」が2022年1月26日に配信リリースされることだ。グループからソロ曲をリリースするのは籾山が初。1期生で最年少の籾山は、あまり目立つメンバーではなかったが、今回のラスアイサバイブで立ち位置5番を獲得し、ソロ曲もゲットしている。オープニングアクトとしてユニット「まだ未定。」のメンバーとともに、いち早く「To The Top」を歌唱している姿は、これからのラスアイにとっての希望のように見えた。

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