TWICE、BLACKPINK……K-POP市場を世界規模に拡張させた“第3世代”、イメージ構築の違い

 群雄割拠のK-POPシーン。特にグループアイドルにとってはメンバー構成や活動様式・プロモーション方法などの戦略により、各自のアイデンティティをどのように打ち出すかが命運を分ける。本稿では、市場を本格的に全世界規模へと拡張させたと言われるK-POP“第3世代”の中から特にガールズグループへ焦点を当て、どのような形でイメージ構築を図っているかを考えたい。

 まずは本国・韓国や日本をはじめ、アジア各国を中心に高い人気を誇るTWICE。2015年に韓国でデビューした彼女たちは、現在に至るまでグループ単位でのリリース活動を基本としている。“集団で魅せる”活動形式はSNSの運用方法にも貫かれており、公式Instagramは9人のメンバーが同一アカウントを共有するスタイルがとられていることから、時にはメンバーが他のメンバーのふりをして写真をアップするといった微笑ましい交流も見どころとなる(※ナヨンがダヒョンになりきって投稿した写真。後日、ダヒョンがコメント欄にツッコミを入れたことで真相が明かされた)。

 グループの全体像を通じて表されるTWICEの魅力には、後輩アイドルからも熱いリスペクトが寄せられており、ガールズグループ・LOOΠΔのメンバー、オリビアへは「以前は自分自身のロールモデルについて考えましたが、最近はグループとしてのロールモデルを考えています。TWICE先輩はグループとしてのエネルギーが良く、パフォーマンスも努力されているので、私たちもTWICE先輩のようになっていきたい」(※1)と語っていた。

 一方で、公式YouTubeチャンネル上では「Melody Project」や「Performance Project」といったソロカバー企画も活動初期から続くほか、昨年末からはアプリ・Bubbleを通じて各メンバーからのプライベートメッセージが発信されるなど、ファン向けのコンテンツを通じてメンバーそれぞれの個性を再発見させる試みも図られている。

 また最新フルアルバム『Formula of Love: O+T=<3』では、グループ初のユニット曲が収録された。組み合わせごとに異なって立ち上がるシナジー効果は、TWICEの音楽性へさらなる深みをもたらすとともに、グループとしての新たな可能性を切り拓いた。デビュー7年目に遂げられるこうした変容は、全編英詞曲「The Feels」で本格的なアメリカ進出が果たされた直後のタイミングで新たなファン層を開拓する鍵を握るとともに、旧来のファンにとっても嬉しいサプライズとなった。

関連記事