Saucy Dog、一人ひとりに音楽を届ける理由 抜群の歌と演奏で駆け抜けた『はじめてのホールツアー』ファイナル
バンドセットに戻り、「もう1曲だけ座って聴いてください」という声かけのもと「sugar」が演奏される。淡い青のライトが会場をベールに包むように照らしていたのが幻想的で、とても美しかった。「君がいない」が奏でられ、リスナーが再び立ち上がると、「後半戦、盛り上がっていきましょう!」と一気に会場を温めていく。疾走感のある「雷に打たれて」では、その名の如く雷が落ちるかのようなライトの演出が施されたほか、秋澤によるベースソロも披露。ドラムセットの前で3人が向き合うシーンや、「いえーい、最高!」と笑みをこぼす石原の“最高”な表情も見られた。畳みかけるようにアップナンバー「ゴーストバスター」「バンドワゴンに乗って」をプレイしていく。
「本当に本当にありがとうございます。ツアーファイナル、ガーデンシアター、満員の客席を見ることができて幸せです」と改めて石原がお礼を告げたあと、「これからすごく嫌なこともすごく嬉しいこともあると思うんですけど、そんな節目節目に俺たちの音楽がちょっとでも加われたらと思っています。ここにいるあなた一人ひとりに面と向かって音楽を届けたいなって、そんな気持ちでバンド活動してます」と、Saucy Dogが音楽を届ける理由と強い意思が伝えられた。「ここにいるあなたの人生をちょっとでも柔らかい気持ちや楽しい気持ちにしたいなと思ってますので、これからも応援よろしくお願いします」と、ファンと歩んで行く意思表明をし、ラストの曲に繋げる。彼らにとって大事な1曲であり、そして、またいつかあなたに会えますようにと願いを込められた「いつか」で本編を締めくくった。
ステージに戻ってきた彼らが、アンコールに披露したのは「東京」と「猫の背」。演奏前には初のドラマ主題歌が決まったことも発表され、これからも3人で走り続けることを示すような2曲だった。アンコール含めて19曲。石原が言うように、もう2時間経ったのかと思ってしまうほどあっという間な幸せな時間。「本当にどうもありがとうございました、Saucy Dogでした。楽しかったよ、東京!」と最後の最後までお礼と楽しさを言葉で伝え、3人はステージを後にした。こうしてSaucy Dog初のホールツアーは盛大な拍手の中で終了。
ときにはほろ苦い思い出を想起させる切ない歌を、ときには心に寄り添ってくれる温かい歌を、ときには前を向かせてくれる元気な歌を届けてくれるSaucy Dog。どんな曲でも共通するのは、その先にいるリスナー一人ひとりを想っていること。彼らはさらに知名度を上げて、リスナーをいろんな場所に連れていってくれるだろう。だが、その目線は決して上からにならず、いつだって聴き手と同じ高さだ。Saucy Dogはこれからもリスナーと一緒に成長していく。そんなことを感じたステージだった。
■新規ツアー情報
『Saucy Dog ワンマンライブ2022』
2022年6月9日(木)東京:日本武道館
開場:17:30 開演:18:30 (問)DISK-GARAGE 050-5533-0888
2022年6月10日(金) 東京:日本武道館 開場:17:30 開演:18:30
開場:17:30 開演:18:30 (問)DISK-GARAGE 050-5533-0888
2022年6月14日(火)愛知:日本ガイシホール
開場:17:30 開演:18:30 (問)サンデーフォークプロモーション 052-320-9100
2022年6月16日(木) 大阪:大阪城ホール
開場:17:30 開演:18:30 (問)GREENS 06-6882-1224