日向坂46 齊藤京子、加藤史帆、濱岸ひより、富田鈴花……歌唱力の向上が目覚ましい歌うまメンバー
11月27日NHKワールドJAPAN(国際放送)で放送されたNHK WORLD-JAPAN presents『SONGS OF TOKYO Festival 2021』に、日向坂46の加藤史帆と齊藤京子が出演。その美しい歌唱が話題となっている。そこで本稿では、歌唱力に注目が集まる日向坂46メンバーについて触れてみたい。
まずは日向坂46の歌姫・齊藤京子。ライブでは常に安定したパフォーマンスを見せ、低音ボイスが特徴の歌唱力は、アイドル界で唯一無二だ。ただ2021年は少し変化があり、5thシングル『君しか勝たん』の個人PV「死んじゃうくらい、抱きしめて。」では、透き通るような高音の歌声で、シティポップ風の楽曲を歌うという新しい試みをしている。2020年8月17日のブログ(※1)では、ボイストレーニングの先生に高音を褒められたこと、「低音は一旦置いて高音を今後は活かしていったほうがいい」と言われたことを綴っていたが、その結果が個人PVで発揮されたと言えるだろう。
10月5日に開催された『MTV LIVE MATCH』では、緑黄色社会のゲストボーカルとして「想い人」を大観衆の前で披露。登場時は緊張していたように見受けられた齊藤だが、高らかに歌う長屋晴子の歌唱力に刺激されたのか、徐々に自分のペースを取り戻す。そして長屋と齊藤のボーカルが絶妙なバランスで共鳴し、その感動的な歌声に涙を流す人が続出していた。後日ブログ(※2)で「自分の武器にしていきたい、歌でお仕事をいただけるような存在になりたい、と目標を持ちました」と綴るほど、齊藤自身も手応えを感じていたようだ。日向坂46の楽曲とは一味違う、齊藤の歌唱力に気付かされた一夜となった。
冒頭で書いたNHK WORLD JAPAN presents 『SONGS OF TOKYO Festival 2021』では、「シティポップ特集」にアイドル代表として加藤と齊藤が出演し、竹内まりやの「プラスティック・ラブ」を歌唱。2人が公の場で歌うのは、2020年の『第62回輝く!日本レコード大賞』(TBS系)でザ・ピーナッツ「恋のバカンス」を歌って以来だろうか。
歌い出しの齊藤は、最初からトップギアで自分の世界観を作り上げるが、対する加藤も全く引けを取らない。良い意味で鼻にかかる加藤の歌声は艶と可愛らしさの両方を兼ね備えた齊藤とは違うスケール感の歌声で、シティポップによく馴染んでいた。実は加藤も低音域が得意で、日向坂46の楽曲では低音パートを歌うこともしばしば。齊藤が上で加藤が下という歌い分けでも絶妙なバランスがとれる強みがあり、この2人が中低音を担うことで、佐々木美玲など高音で歌うメンバーもまた光る。また加藤の歌声は日向坂46の全体曲でも中心になるなど、どんな楽曲にもハマる柔軟性があり、そこも強みのひとつと言えるだろう。