菅田将暉「ラストシーン」、ドラマ『日本沈没』に重なるだけではない楽曲 石崎ひゅーいとの理想的な関係性も

 また、興味深いのが落ちサビだ。バンドやストリングスが一旦静まり、菅田の歌声が露わになった状態で〈2021年しるしをつけよう/君と僕がおんなじ世界で息をした/その証として〉という言葉が届けられる。「ラストシーン」は、今この曲を聴いているあなたの歌だ! とでも伝えるような――聴き手を“音楽の鑑賞者”から“共にこの時代を受ける当事者”に引き戻すような言葉だ。映画でも演劇でも、スクリーン内/舞台上の出来事を“鑑賞”する人々に“自分事として受け取る”ことを訴えかけるような演出方法は度々見受けられるが(古今東西、様々な演出家が模索・研究してきたことだろう)、この落ちサビにはそれに近い効果があるように思える。さらにこれを俳優である菅田将暉が歌う必然性たるや。曲を書いた石崎がどの程度意図していたかは分からないが、菅田のことをよく知り、自らも演技の経験を持つ石崎ならではの発想という印象を受けた。

 なお、石崎にとっての菅田とは、音楽における遊び心を思い出させてくれる存在だそうだ(※3)。先述の「さよならエレジー」、「虹」の制作エピソードからも読み取れるように、菅田との制作は石崎のアウトプットにも影響を与えている様子。互いに刺激し合い、高め合う2人の関係性はまさに理想的といえよう。それだけに、気が早いかもしれないが、このタッグで今後どんな曲を生み出すのかも楽しみだ。

 余談だが、「ラストシーン」同様、米津玄師が2018年に発表した菅田とのコラボ曲「灰色と青( +菅田将暉 )」も青色をモチーフとした曲だった。また、〈夜明け間近に星は輝いた/ほら、ラストシーンは凛とした青だ〉(「ラストシーン」)、〈何もないと笑える朝日がきて/始まりは青い色〉(「灰色と青( +菅田将暉 )」)とあるように、両曲に登場する青色は夜明けの空の色を指している。おそらく、菅田将暉という人自身が夜明けの空のような――静かだけど内側で燃えているような、儚くも生命力に満ちたような――雰囲気を纏っていて、それはミュージシャンの“曲にしたい”という意欲を掻き立てるほど美しいものなのだろう。

※1 https://natalie.mu/music/pp/ishizakihuwie09/page/2
※2 https://natalie.mu/music/pp/ishizakihuwie11
※3 https://natalie.mu/music/pp/sudamasaki/page/3

菅田将暉『ラストシーン』

■リリース情報
2021年11月24日(水)リリース
菅田将暉『ラストシーン』
TBS日曜劇場『日本沈没―希望のひと―』主題歌
作詞・作曲:石崎ひゅーい
編曲:トオミヨウ
予約URL:https://erj.lnk.to/lXPcmX 

<初回生産限定盤>
仕様:CD+BD/価格:3,500円+税/品番:ESCL-5581-2

<通常盤>
仕様:CDのみ/価格:1,100円+税/品番:ESCL-5583

★店舗別特典 対象店舗/特典内容★
■Sony Music Shop ・・・ オリジナルステッカー(Type.A)
■TOWER RECORDS全店(オンライン含む/一部店舗除く)・・・ オリジナルポストカード
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■菅田将暉応援店 ・・・ オリジナルステッカー(Type.B)

■菅田将暉 OFFICIAL HP:https://www.topcoat.co.jp/artist/suda-masaki/
■菅田将暉 音楽OFFICIAL HP:https://sudamasaki-music.com/

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