ジャニーズWESTの快進撃はここから始まる 『RIDE ON TIME』で見られた7人の温かな関係性
バックステージに見た7人の温かな関係性
11月よりスタートした奥村佳恵との2人芝居『LUNGS』が話題を呼んでいる神山智洋。楽曲制作をはじめ、グループの振り付けも手がけるマルチな才能を発揮する神山もまた、俳優として素晴らしい素養を持つことで知られている。神山の舞台俳優として大きな成長を感じたのは、今井翼の代役を務めた舞台『オセロー』のイアーゴー役であったように思う。先輩の代役という重責に加え、難しい役柄に満身創痍で挑んだ姿からは鬼気迫るものを感じ、まるで本当にイアーゴーが降臨したかのような迫力に圧倒された。そんな姿とは裏腹に、バラエティで見せる料理上手でスイーツ好きというギャップも人気の所以と言えるだろう。
そして最終回に登場したのが、グループ不動のセンター、重岡大毅だ。自身のソロ曲として、定年退職を迎えた父親への感謝を込めた歌「サラリーマンの父さん」を作詞作曲した重岡は、ライブでギターでの弾き語りに挑んだ。重岡は、これまで芸能界の仕事に興味を示さなかった親を大阪公演に招き、この歌を披露する予定だった。「親孝行って簡単にやれそうで難しいなって。だからやりたかったんですよね」と語る重岡だったが、新型コロナによる感染拡大の影響で大阪公演は中止に。再び父親の前で歌を披露したのはツアー最終日、奇しくも“父の日”であった。歌の前に父親に向けた手紙を朗読し、涙をこらえ懸命に歌う重岡の姿に、筆者を含め会場にいた多くのファンが胸を打たれたことが思い出される。番組ではステージで歌う重岡に向け、ステージ下でメンバーがエールを送る場面が映し出され、7人の温かい関係性が垣間見えた。
個人の仕事はグループのために
ジャニーズWESTはデビュー前から結成していたグループでもなく、デビューのために集められたグループでもない。大阪の松竹座でデビューを夢見て、切磋琢磨しながら経験を積んだ“同士”である。重岡いわく「メンバーって不思議で、家族みたいな、兄弟みたいな、友達みたいな、ライバルみたいな。漂っているんですよ、いろんな場所を。どんな場所でも、7人でやってりゃ何とかなるって思いますね」。楽しい時も辛いことも、共に乗り越えてきたからこそ生まれた7人の絆、そして個人のマルチタスクをこなしながらもグループとしての成長に確実に繋げる信念が彼らの強みだ。「僕たち今が買い時」「あの時にジャニーズWESTもっと応援しておけばよかったなってなる」という重岡の言葉に嘘はない。
番組のラストでは2022年のコンサートに向けて打ち合わせを始めている7人の姿があった。決して順調なだけではなかった時代を経て、7人は真っすぐ前だけを見据え、確かな足取りで歩き出している。ジャニーズWESTの快進撃はまだまだ始まったばかりだ。