香取慎吾が山本五十六に 世の中を動かす“偉人”たちと共鳴する新しい地図の3人

 香取慎吾が、12月30日にオンエアされる太平洋戦争80年・特集ドラマ『倫敦(ロンドン)ノ山本五十六』(NHK総合)で山本五十六を演じる。五十六といえば、太平洋戦争の始まりとも言える真珠湾攻撃を立案し、指揮を執ったことでも有名な人物……という一文だけを見ると大きな戦争への歩みを進めた人物だと感じられるが、五十六はアメリカ留学経験を持ち、誰よりも日本の勝機の少なさを痛感していた人でもあったという。

 若き日には奴隷解放と人類の自由を訴えたリンカーンの伝記を愛読し、感銘を受けていたと語られている五十六。太平洋戦争が始まってからは国のために戦う兵士たちに心を痛め、連合艦隊司令長官という立場にありながら最前線に趣き、陣頭指揮を執っていたのだそうだ。

 それほどまでに先見の明があり、自由や平和に憧れ、武士道を地で行くような人柄を持つ五十六が、なぜ大戦の口火を切る戦いの指揮官となったのか。なぜ“卑怯なだまし討ち”とも評価されかねない奇襲攻撃を指揮することになったのか。

 本作は、太平洋戦争から80年経ってもなお、様々な疑問と多くのファンを持つ山本五十六について、NHKが独自取材を実施。海軍内部の極秘文書を基に、新たな“山本五十六像”を描いていくという。香取慎吾は、本作においてどのような化学反応を見せてくれるのか、期待が高まる。

歴史上の人物を“生きた人間”と感じさせる親近感

 今回、香取が五十六を演じると聞き、思わずその共通点を探ってしまった。五十六は砂糖たっぷりのコーヒーや水まんじゅうを好んだ話など、食に関するエピソードでも多くの人に親しまれてきた人物なのだ。

 また、幼少期から軍人としての使命を感じ、覚悟を決めてその道を突き進み、「実年者は、今どきの若い者などということを絶対に言うな。なぜなら、われわれ実年者が若かった時に同じことを言われたはずだ。(中略)だから、実年者は若者が何をしたか、などと言うな。 何ができるか、とその可能性を発見してやってくれ」(※1)と名言を多く残すなど、年齢やキャリアを問わず正当にその才能を評価する目を持っていた。

 ご存じの通り、香取はその食いっぷりの良さ、マヨネーズ好きなど、食に関する話題は事欠かないことでおなじみ。また、ラジオ『ShinTsuyo POWER SPLASH』(bayfm)でも若手アーティストや新たな番組などを欠かさずチェックしていることを伺わせる。実際に10代のトラックメイカー・SASUKEとコラボし「#SINGING」を発表したことも記憶に新しい。

 大河ドラマ『晴天を衝け』(NHK総合)で、草なぎ剛が同じく多趣味であり時代の変わり目をフラットに構えた徳川慶喜を演じたときもそうだったように。そして、稲垣吾郎は舞台『No.9 -不滅の旋律-』にて、“イラチ(=イライラしがち)”といった感情を隠さないという共通点を持つベートーヴェンに扮したときもそうだった。

 彼らが演じるとなると「(演じた人物は)どんな人だったのだろう」と、一気に親近感を持って背景を知りたくなる。そして「ここは似ている」という点を見つけては、教科書で見知ったときよりも少しだけ近くに感じることができるのだ。そんなことが可能なのも、国民的アイドルとして彼らのパーソナルイメージが私たちに浸透していればこそ。すでに知っている彼らを媒介として、歴史上の人物が同じ地球に生きた“人間”として見えてくるのだ。



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