グループを明るく照らし、ポジティブなムードを作るリーダー

　そして「大橋和也」と聞いて誰もが思い浮かべるのは、あの愛嬌たっぷりの笑顔だろう。もちろんステージではクールな表情を見せることもあるが、やはり大橋には笑顔が似合う。デビューに際し多数出演した音楽番組においても、常に全身で「楽しい」を表現。幸せが伝染するほどの笑顔を毎回、テレビの向こうのファンに届けた。

　バラエティ番組出演時には、緊張もあってか予想外の方向に話が転がってしまい、司会者から突っ込まれることも多々。オチ役になることも多いが、振られれば積極的に前に出る度胸と絶やさぬ笑顔は、司会者にとって安心できる存在ではないだろうか。実際、いずれの出演番組でも毎回といっていいほど大橋のターンが回ってくる。それだけ爪痕を残している証拠だろう。

　なにわ男子のなかでは2番目にキャリアが長く、年齢順でも上から3番目。グループだけの空間では、ほんの少しお兄さんの顔が見せる。トークではメンバーのフォローをしたり、率先して盛り上げたりと、空気を読んで立ちまわる様子もうかがえる。

　大橋は、最年長・藤原とともになにわ男子のサイドをがっちりとかためる存在だ。「自分で挙手して決まったリーダー」「リーダー（仮）」とネタにしているものの、とくにステージングにおいて大橋がそこにいる安心感は大きい。グループが持つ温度感についても同じではないだろうか。「リーダーらしいことは何もしていない」「盛り上げ隊長としてやっていけたら」という大橋だが、グループをいつも明るく照らし、ポジティブなムードを作ることは、そう誰にでも出来ることではない。

　ジャニーズでは昨今、リーダー制をとらないグループも増えているが、歴代グループのリーダーを見てみると、メンバーはもちろん世間からも愛され、慕われ、経験と地力を持つ者ばかり。始まりは自らの挙手であったとしても、立場が大橋というリーダーを作った。底抜けに明るく元気で、謙虚だが常に上昇志向。アイドルを全力で楽しみ、ときにギャップでときめかせ、見ている者を笑顔にするーーなにわ男子の紹介のようで、大橋の紹介でもある。それほど、リーダー・大橋の色がグループの魅力に反映されているということだろう。

　『初心LOVE（うぶらぶ）』は、デビュー（1st）シングルの初週売上として今年最高の70.6万枚を記録（※1）。なにわ男子の第2章が、いよいよ幕を開けた。

※1：https://www.oricon.co.jp/news/2214143/full/