人間椅子 ナカジマノブ×レイザーラモンRG 偏愛ぶりが炸裂したスニーカー特別対談
ナカジマノブとRGの気になる馴れ初め
――初っ端からギア全開でスニーカートークが盛り上がってしまったので、なかなか聞けなかったんですが、改めてお二人の馴れ初めを教えてもらえますか?
ナカジマ:RGくん覚えてる? 僕はすごく覚えてる。
RG:ドミンゴス(※1)のときですよね?
ナカジマ:そう。1999年か2000年に僕らのライブが梅田バナナホールであったときに吉田ヒロさんが観に来てくださって、打ち上げの席にRGくんを呼んでくれたんだよね。僕の携帯にそのとき教えてもらったRGくんの番号がまだ入ってるんだけど。
RG:あ、そのときから変わってないですよ。いつでも電話ください(笑)。
ナカジマ:そうなんだ、びっくり(笑)。
RG:それからしばらくして、僕が和嶋(慎治)さんとロックについて語る番組をフェンダーのショールームでやって、「人間椅子、大好きなんですよ」という話をしたり、バイクの話をしたりしたこともありました。あと、人間椅子のインスタを開いたらノブさんが“キモ撮り”をしているのを見まして、それで今に至るという感じです。
――では、ここまでがっつりお話をするのは初めてなんですか?
ナカジマ&RG:初めて。
――そうなんですね! 昔からの友達みたいな勢いでお話されていましたけど。ちなみに、RGさんは人間椅子の新作アルバム『苦楽』は聴かれましたか?
RG:はい、和嶋さんがとうとう自分のバイクの歌(「疾れGT」)を歌い始めたなと。長渕(剛)さんが自分の飼い犬・レオのことを歌にしたみたいな。
一同:(笑)。
RG:昔から「夜明け前」みたいな長い曲が好きなんですよね。
ナカジマ:あ、わかりますよ。僕らも8分前後ぐらいから張り合いが出てくるんです。
RG:自分たちもあがっていくんですね(笑)。長い曲は途中から即興で弾いてるように聴こえてくる感じが好きで。和嶋さんにも言ったんですけど、毎回みずみずしいというか「この若さは何なんだろう」っていつも思うんです。
ナカジマ:子供の頃から好きな音楽だから、ずっと子供の気持ちのまま、青春のまま、ここまできているんですよね。
RG:鈴木(研一)さんは貫禄の声なんですけど、和嶋さんは声もどんどん若返ってるような気がします。
ナカジマ:和嶋くんは今回のアルバムでは若返りましたね。コロナのせいもあって長いこと人間椅子の活動がない時期があって、その間に和嶋くんはバイクに執心してギターにあまり触らなかったらしくて、それでリフレッシュしたんじゃないですかね。
RG:やっぱりバイクパワーか。このアルバムは、ノブさんからも「ドラム叩けてうれしい!」という声が聞こえてきます。
ナカジマ:お、それはうれしい。僕、本当にドラムを叩くのが好きで、叩いているときはしかめっ面してても心のなかでは小躍りしまくってるんです。
RG:それは感じますね。初期衝動が感じられないバンドが多いなか、どうして何十年もやっていてこんな若さが出せるんだって思います。
ナカジマ:それはうれしい。
RG:最初に人間椅子さんを見たのは『ヒットスタジオR&N』(※2)で「りんごの泪」を演奏したときで。
ナカジマ:戸川純さんとバブルガム・ブラザーズさんがやってた番組ね。
RG:そうです。あのときと変わらないというか、むしろ今のほうがギターの音がクリアになっている気がしました。
ナカジマ:それについて3人で話したことはないですけど、若々しくあろうと努めなくても、出せるパワーが今の3人にはあるような感じがします。それがアルバムにも出ているならうれしいです。
RG:やっぱり、バイクを触っているからだな。
ナカジマ:バイクの話をしてるときのキラキラさったらないですね! 今は4台も持っていますから。
RG:しかも、SUZUKIばっかり買っているでしょう?
ナカジマ:そう。だから、ベーシストもSUZUKIで、バイクもSUZUKIで、車も白塗りのSUZUKIのALTOで、普段着てるジャンバーの背中にもSUZUKIのロゴが入ってるんですよ。SUZUKIばっかり!
RG:それだけSUZUKIが好きなら、SUZUKIさんはももクロのあとはぜひ和嶋さんをCMに(笑)。人間椅子は3人とも好きなものがずっと変わらない一途な人の集まりですよね。それが本当にうらやましい。
ナカジマ:ある意味不器用でもあるんですけどね。いろいろなものを取り入れられなかったという。
RG:それがカッコいいんです。
――ノブさんはRGさんが出演されている舞台やテレビは観ていますか?
ナカジマ:実はすごく観ているんですよ! レイザーラモンRG with あるあるメタルオールスターズはまだ観たことないですけど。
RG:メタルオールスターズは若手のメタルバンドの人たち……解散してしまったハーネーム(HER NAME IN BLOOD)とかCrystal Lakeのメンバーとやっていて。若手のメタルシーンをもっと盛り上げて「日本のメタルはすごい」ということを世界中に知ってもらいたいなと。
ナカジマ:若い世代の子たちってテクニックがすごいでしょ!
RG すごいですね(笑)。
ナカジマ:テクニックだけでいったら世界中みんな肩を並べているんですよ。そこからどうやって抜け出すかは、コードやリフに合わせたメロディ、歌詞の内容が大事になってくるんでしょうね。RGさんの話に戻ると、僕、実はある沢くん(※3)がすごい好きなんですよ。
RG:まさかのある沢拓司が!
ナカジマ:『東大王』(TBS系)自体よく観ていて。RGさんが出始めた最初の頃はまだある沢くんをあまりやっていなかったと記憶してるんですけど、そこから次第に定着していくさまを僕はずっと観ていたんですね。一回も観逃してないと思います。
RG:成長を観てくれていたんですね。元々あれはコロナが始まってから本当にやることがなくて、パーティグッズの早押しボタンを買って、自分で問題文を読んだ音声を流して、それに対して伊沢(拓司)くんのモノマネで答えるという動画を家でただ撮っていたところから始まってるんですよ。
ナカジマ:答える前に「はい!」って言うじゃないですか、あれが好きなんですね。
RG:それで、正解したあとに一礼するというね(笑)。伊沢くんのモノマネを始めたら、彼のファンが「伊沢くんならこう押します」とか、「手の角度はこうです」とか、「ここにホクロがあります」とかいろいろ教えてくれるようになって。だから、ある沢拓司は伊沢ファンの知の集合体なんです。そうやってみんなに応援されての『東大王』でした。あの時期は美しかったですね。まさに、苦労があってこそ楽があるっていう、<苦楽>でした。
ナカジマ:あ、すごい!
――では、最後に再びスニーカーの話に戻りたいんですが、僕の個人的な悩みがあって……ジーンズの色移りはどうしたらいいんですか?
RG:ジーパン履くのを止めたらいいじゃないですか。それか、ジーパン用に黒とか色移りが気にならないスニーカーを履くしかないですね。僕はかなり細かく用途に分けて履いているし、そのほうが靴が長持ちしますよ。だから、汚したくない場合は上を変えていってください。
ナカジマ:そのとおりです。雨の日には雨の日用の靴があるんですから。速攻で解決!
――なぜその考えに至らなかったのかと恥じています(笑)。
RG:どうしても「このパンツを履きたい」となりがちですが、僕らは靴中心に考えていますから。
ナカジマ:いやぁ、すごく盛り上がりました。やっぱり、話しやすいですね!
RG:言っても長い付き合いですから!
(※1)ナカジマが人間椅子加入以前から所属しているバンド。2006年に再結成
(※2)1989年から1990年にフジテレビ系列でオンエアされていた音楽番組
(※3)『東大王』などで知られるクイズプレーヤー・伊沢拓司のモノマネ
■リリース情報
タイトル:『苦楽』
発売日:2021年8月4日(水)
価格:2,900円(税込み) 品番:TKCA-74961
~収録曲~
M1.杜子春
M2.神々の行進
M3.悪魔の処方箋
M4.暗黒王
M5.人間ロボット
M6.宇宙海賊
M7.疾れGT
M8.世紀末ジンタ
M9.悩みをつき抜けて歓喜に到れ
M10.恍惚の蟷螂
M11.至上の唇
M12.肉体の亡霊
M13.夜明け前
人間椅子オフィシャルHP:https://ningen-isu.com/
人間椅子オフィシャルTwitter:https://twitter.com/ningenisu_staff?ref_src=twsrc%5Egoogle%7Ctwcamp%5Eserp%7Ctwgr%5Eauthor
徳間ジャパン 人間椅子Information:https://www.tkma.co.jp/jpop_top/ningen-isu.html