▽▲TRiNITY▽▲、UMISEA、Gawr Gura、Nyanners……国内外で活況を見せるVTuber/Vライバーの現在

VTuber/Vライバーの活躍の場は世界へ

 また、もう1つ傾向としてあるのは海外への波及だ。前述の「Gawr Gura(がうるぐら サメちゃん)」は、英語での配信だが、YouTube登録者数351万人、動画総再生回数は1億9000万回超えており、英語圏での人気の高さがうかがえる。森カリオペも同様で、登録者数175万人(10月25日時点)とGawr Guraに及ばないものの、動画総再生数は1億9000万回を超える。死神の弟子という設定とゴシックでセクシーなコスチュームが、海外のファンに好評のようだ。

 にじんさんじを手がけるANYCOLOR株式会社は、中国のbilibiliと共同でVTber/Vライバーグループ「VirtuaReal」を運営するほか、インドネシアや韓国などアジア圏を中心にVTuber/Vライバー事業を展開し、VirtuaRealからは「泠鳶yousa」「hanser」という人気者を輩出している。ちなみにbilibiliでは、日本人VTuber「カグラナナ」が人気で、bilibili登録者数は178万人(2021年7月時点)とのこと。ほかにもアメリカのVTuber事務所「Vshojo」の「Nyanners」は、YouTube登録者数136万人、動画総再生回数は1億4000万回を超える。同事務所は、動物やモンスターをモチーフに擬人化した、アニメチックでセクシーなキャラクターを多く抱える。「Vshojo」は8月に、世界に向けてオーディションを開催するなど、今を好機と捉えているようだ。

 日本テレビが『プロジェクトV』を放送するなど、VTuber/Vライバーの地上派への登用が行われるなど人気拡大する一方で、中の人の特定という行為が盛んになり、それがVTuber/Vライバーの活動を阻害し活動休止・引退に追い込むケースも少なくない。そんなマイナス面を払拭する起爆剤となり得るのが、VTuber/Vライバーの海外活動かもしれない。今後は日本のVTuber/Vライバーが海外へ、逆に海外から逆輸入的に入って来るというパターンも増えていきそうだ。

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