永塚拓馬、内田雄馬、GRANRODEO……得意とするジャンルを極める男性声優たちの最新作
2021年10月クールのアニメ『ヴィジュアルプリズン』(TOKYO MXほか)で、ヴーヴ・エリザベス役を務めている声優・永塚拓馬がアーティストデビュー。記念すべき1st EP『dance with me』が10月6日に発売された。また、9月22日には内田雄馬が約2年ぶりとなるアルバム『Equal』を、10月13日にはGRANRODEOがアニメ『範馬刃牙』(Netflix)OPテーマ「Treasure Pleasure」を表題に冠した新シングルをリリース。本稿では、彼らがそれぞれ得意とするジャンルを極めた新譜3作を紹介する。
数々のキャラクターソングを歌唱、『アイドルマスター SideM』や『KING OF PRISM』シリーズをはじめとしたライブイベントにも多数出演する永塚拓馬。レーベル関係者がそこで彼のステージングを目にしたことがきっかけで、日本コロムビアからアーティストデビューが決定した(※1)。そのため、1st EP『dance with me』には永塚が培ってきたパフォーマンス力を活かすダンスミュージックを中心とした5曲が収録されている。
表題曲「dance with me」はアニソンのみならず、K-POPやJ-POPのアーティストにも楽曲を提供するPA-NON、さらに人気保育アーティストの出口たかしと嵐やKing & Princeなどを手がけるha-jが作詞作曲を担当(ha-jは編曲も担当)。パーティーの始まりを告げるように、冒頭から爆発力のあるサビでボルテージを上げるダンスチューン。息もつけないほどのアップテンポな曲をグルーヴ感たっぷりに歌い上げ、クールな色気を滲ませた永塚の表現力が光る1曲だ。また、YouTubeで公開されているMVでは、パッと目を惹く華やかさとキレのあるダンスを披露している。アーティスト・永塚琢馬のデビューEPは、他にも本格的なラップに挑戦した「Spiral Truth」や全編英語詞の失恋ソング「Broken Memories」など、彼の未知数な魅力を引き出す聞き応えのある作品となった。
『呪術廻戦』(TBS系)伏黒恵役、『灼熱カバディ』(テレビ東京ほか)宵越竜哉役など、今年も声優として大活躍の内田雄馬。同時にアーティスト活動も積極的に行い、1月には自身が主演を務めた『怪病医ラムネ』(TOKYO MXほか)のOPテーマ「SHAKE!SHAKE!SHAKE!」、4月に『灼熱カバディ』EDテーマ「Comin' Back」をシングルリリースしている。透明感あふれる声と圧倒的な歌唱力で、ジャンルにとらわれない数々のヒット曲を打ち出してきた内田が、さらなる進化を遂げて2年ぶりのアルバムを発表した。
1stシングルのカップリング曲「BE MY BABY」以来となる渡邉シェフが提供したリード曲「equal」は、内田と“キミ”を繋ぐ記号「=」をコンセプトに制作された爽やかなダンスナンバー。3人の作曲家(DJ first/DENZIL"DR"REMEDIOS/Peter Tambakis)が手がけたことで、ヒップホップの要素も含まれたジャンルレスな1曲に仕上がっている。青空とパステルカラーに彩られた世界でバックダンサーと共に楽しげに歌うシーンと、モノトーンにイエローの衣装が映えたキレのあるダンスシーンで構成されたMVでは、ポップ&クールな二面性を表現。多彩な表情もさることながら、伸びやかな歌声でリスナーに光を届けると共に力強く鼓舞するような表現が印象的だ。