JO1 川尻蓮、『TEPPEN』で得た刺激 ハイクオリティなダンスパフォーマンスと今後の伸び代

 『芸能界特技王決定戦TEPPEN 2021秋』(フジテレビ系)が10月9日に放送された。ピアノとダンス、それぞれのNo.1を決める今回の『TEPPEN』。ダンスバトルでは日本を代表すると言っても過言ではないパフォーマーたちが集結した。前回優勝したTHE RAMPAGE from EXILE TRIBEの浦川翔平、その浦川と前回接戦を展開したJO1の川尻蓮、俳優の佐藤流司、ダンサーのFISHBOY、パフォーマンスコンビ・GABEZのMASAの5人だ。

 どのようなバトルが展開されたのか、そして『TEPPEN』で見えたJO1・川尻のダンスパフォーマンスについて見てみたい。

多種多様なステージで活躍するパフォーマーたちの競演

 冒頭で触れた通り、浦川、川尻のほか、顔を揃えた出場者も個性豊かだ。ダンス世界大会で2回の優勝経験者であるFISHBOY、2.5次元舞台を中心に活躍する佐藤、五輪開会式で“ピクトグラムの中の人”としても注目を浴びたMASA。一口でダンスと言っても、表現の形はさまざまである。

 となると、審査が難しいところだが、主な点数はダンスゲーム「DANCERUSH STARDOM」をベースとしたステップの正確さで判断。そして、3人の審査員によって表現力、個性、動きのキレが審査される。

 ごまかしのきかないステップだけに気をとられることなく、それぞれの個性も発揮していかなければならない。

高レベルの戦いの中で見せたそれぞれの個性

 トップバッターを務めたのはJO1の川尻。どういった対決でも、コンテストでも、オーディションでも、1番手の緊張感というのは大きなものだろう。その中で川尻はステップの正確さで95点以上をたたき出し、3人の審査員からは10点満点中オール9点を出し、合計122.565点を獲得した。

 ステップの正確さはさることながら、表情から見せる表現力、ゲストのDA PUMP・KENZOがコメントしていたように「上半身のグルーヴ感」で魅了した。これはステップの正確さが重視されているからこその工夫なのかもしれない。

 そんな川尻が掲げていたのが打倒・浦川翔平だ。浦川は初代王者、さらにトリを務めるというプレッシャーの中でアクロバットを入れて2連覇をすると宣言。回転や三代目 J SOUL BROTHERS「R.Y.U.S.E.I.」で知られるランニングマン、FISHBOYが所属するRADIOFISH「PERFECT HUMAN」の羽を伸ばすような振り付け、そして宣言通りにアクロバットも入れたパフォーマンスを披露。その手数の多さに審査員やゲストは感嘆の声を上げたが、浦川自身、パフォーマンス終了後には「正直悔しい部分が大きい。ステップの正確度が低かった」と分析。その言葉通り、ゲーム得点では93.994点にとどまり、総合得点は120.994点となった。

 川尻と浦川を抑えて優勝したのはダンス世界王者FISHBOYだ。ゲーム得点も高く、総合では122.859点。川尻とは0.294点差で勝利を収めた。

 審査員のTAKAHIROからも「音を取っていない瞬間がすごく大事。抑揚が見える」と高評価を受けている。また「ゲームのためにステップを踏まなければならない」という気負いがあまり感じられず、他の出場者よりもわずかに余裕が感じられたようにも見える。

 優勝はFISHBOYとなったが、審査員からの点数は川尻と浦川が27点、FISHBOYが26点。ステップの正確さが明暗を分けた形になったが、高レベルの戦いの中で、ダンスという表現の奥深さを見せることとなった。

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