noovy×Anlyが振り返る、「Before We Die」での言語を超えたコラボ “音楽で勝負したい”2組の共通点

noovy×Anly「Before We Die」インタビュー

 台湾の大手事務所が開催したオーディションの選抜メンバーを中心に結成され、2016年に台湾でメジャーデビュー。2017年からは日本に拠点を移し、共同生活をしながら250本以上のライブをこなした末、日本でもメジャーデビューしたnoovy。その後台湾に戻り、メンバー交代を経て新体制となっていた彼らが、最新シングル「Before We Die」をリリースした。

 この楽曲は、台湾での兵役のために一時活動を休止していた彼らの復帰シングル。中国語版と日本語版の2種類が用意され、リモートでボーカル録音を行なった日本語版では、日本のレーベルメイトでシンガーソングライターのAnlyが作詞と歌で参加。ただ中国語版の歌詞を日本語に直訳するのではなく、中国語版へのアンサーソングになるようなものに仕上げている。これはMVも同様で、日本語版は中国語版の続編的な内容になっている。

 リアルサンドでは、台北にいるnoovyの4人と、沖縄にいるAnlyを東京からインタビューし、新曲「Before We Die」の制作過程について振り返ってもらった。(杉山仁)

故郷を離れて「音楽で勝負したい」という気持ちに共感した

――noovyのみなさんとAnlyさんが最初に出会ったのは、まだJacobさんが加入する前、日本で活動していた頃の4人が渋谷にAnlyさんのライブを観に行ったときだそうですね。

Mark(Dr):確か3年前、渋谷WWWに『Anly Loop Night vol.1』を観に行ったのが最初でした。Anlyさんはひとりで、でもループをつかってひとりとは思えない色々な音をつくり出していて。「この人すごいな」「生命力溢れる音楽だな」と思ったのを鮮明に覚えています。noovyはもともとオーディションで集まったメンバーで結成されたバンドで、ライブの経験がなかったので、当時の僕らのライブ経験は、ほとんどが日本で色んなライブを観させてもらうなかで学んだものでした。Anlyさんのライブにも、ちょうどそのときに出会ったんです。

Shawn (Vo/Gt):あのとき、Anlyさんは確か、MCで「エド・シーランのオープニングアクトをやってみたい」とも言っていて。僕たちも似たような夢を持っていて、年齢も近いですし、当時台湾から日本に来て共同生活していた僕らと同じように、Anlyさんも沖縄から東京にやってきて頑張っていて。故郷を離れて、「音楽で勝負したい」という気持ちに共感していました。

――Anlyさんは当時のnoovyにどんな印象を感じていましたか?

Anly:そのときは、そこまでお話はできなかったんですけど、noovyのみんなはTwitter上でも「今日観に行きました!」とコメントをくれたりして、そこで初めてnoovyの曲を聴いて、明るいポジティブな楽曲をリリースしているバンドだな、と思った記憶があります。そもそも、私は台湾のバンドを初めて知ったのがnoovyでした。

――お互いに影響を受けた音楽が共通する部分もありそうですね。

Anly:だいたい好きな曲は被ると思うし、私が「好き!」と言って薦めたら、みんなもそれを好きと言ってくれそうな気がします。ジャンルが同じというわけではないけど、「同じものが好きなんだろうな」ということは、今回の「Before We Die」を聴いても思いました。

Shawn:Anlyさんは以前「We’ll Never Die」という曲も出していましたよね。今回の「Before We Die」ともタイトルが似ていますし、あの曲もカントリーの要素を加えた壮大な楽曲だったので、Anlyさんなら「Before We Die」にもすごく合うんじゃないかな、と思っていました。そういうこともあって、久しぶりの日本語楽曲で日本のアーティストとコラボしたい、と考えたときに、まっさきに出てきたのがAnlyさんでした。

――では、「Before We Die」の制作エピソードを詳しく教えてください。まず、中国語版はどんなふうに出来ていったんでしょう?

JK(Gt):僕らはこの曲の制作の前にメンバー全員が兵役を経験したので、そこで日常から少し離れる機会ができました。10代の頃から音楽活動をしてきて、ずっと忙しかった日々から、一度離れることになったんです。それに、普段は経験できないことも色々と経験することになり、普段はなかなか会えない人にも会うことになりました。そんなふうに、この曲をつくる直前に、僕らは今までの人生、10代から活動を続けてきた忙しない日々に、一度中止ボタンが押されたような感覚になっていたんです。

――なるほど。改めて自分自身を見つめ直す機会になったんですね。

JK:自分と向き合う時間がすごく増えました。そして、その中で「自分と違う環境にいる人でも、同じように弱さを持っているんだな」ということを実感しました。それが、中国語版の楽曲のテーマのひとつになっています。

――何か具体的なきっかけになる出来事があったんですか?

Shawn:僕はもともと人が多いところは苦手なんですけど、兵役がはじまるまでは「4カ月なら集団生活も大丈夫だろう」と思っていました。でも、実際にはじまってみると、途中で「無理かもしれない……」と思うようになってきて。ちょうどそのときに、ずっと仲がいい僕の祖母が、命にかかわるような手術をすることになったんです。そこで、僕は余計に「無理かもしれない」と思うようになってしまったというか。いままでずっと無理していた自分に気づいたのもあって、自分の弱さを見つめよう、というところから、中国語版の歌詞ができていきました。なので、この歌詞は当時の自分に対して言っている部分もあるんです。そこから、テーマがさらに広がって、色々な人も自分自身も、「弱さを受け入れる必要がある」という歌詞になりました。

「Before We Die」(中国語) Performance ver. MV

――そして、日本語版の作詞&ボーカルの話がAnlyさんに来ることになったんですね。

Anly:まずは「私のこと覚えてくれてたんだ」と嬉しく思いました。最初は曲自体が「Hold You」というタイトルだったりもして、中国語版も当初とは変わっています。でも、とにかくデモを聴いたときに、以前のnoovyの元気なイメージから、ぐっと大人になったような雰囲気を感じて。少年から青年になっていくような、そのグラデーションが感じられる楽曲だな、という印象を持ちました。それに、私が好きなギターサウンドが全面に出ている曲でもあったので、3秒ぐらい聴いてすぐに「これはやろう!」とオファーを受けました。

 それで、中国語版の歌詞の訳を見ながら日本語詞を考えていったんですけど、noovyからはそのときに兵役の話も教えてくれていて。でも、日本には兵役がないので、彼らの感情を日本の人たちは想像しづらいかもしれないですし、私としても「知らないものを勝手に想像していいのかな」と思ったりして。そこで、直接的に兵役のことではなくても、広く同世代のことについて考えていきました。就職をすること、田舎から都会に出ていくこともそうですけど、人生における大きな瞬間についての曲なら、人それぞれに境遇は違っても、同じ痛みや、プラスの要素を感じられるんじゃないかな、と。そんなふうに書きはじめました。

「Before We Die (feat.Anly)」(日本語) Performance ver. MV

――最初は中国語版の歌詞をより広く言い換えるようなイメージだったんですね。最終的に日本語版がアンサーソング的のようなものになったのは何故だったんですか?

Anly:中国語の訳の中に、「すこし余裕がほしい」「今日は弱いままでいさせて」という歌詞が書かれていて。最初はそれと同じ意味を日本語で表現したいと思って言葉を探していたんですけど、そうしているうちに、中国語版に対する応答のようになっていったんです。

「Before We Die」ショートムービー/ 前編【Live for your life】(中国語MV)
「Before We Die (feat.Anly)」ショートムービー/ 後編【I’ll stand by your side】(日本語 MV)

――Anlyさんの中で、自然とその変化が起きていったんですか。

Anly:そうなんです。そのうえで、noovyが歌ったり、私が歌ったりするときに、曲を届けたい相手に向かって歌っても、自分に向けて歌ってもいいような歌詞が書きたいと思っていたので、日本語版では、英語の部分もちょっと変わっていたりします。

――〈I’ll stand by your side(君のそばにいるよ)〉の部分はまさにそうですね。

Anly:そうなんです。あとは、Shawnが歌うときに、日本のファンのみなさんに向けても歌えるように、優しく歌いかけるように、ということも考えました。さみしい思いをしている人たちに、優しく抱きしめられるような気分になってほしいな、と思って。

Jacob:なるほど。そうだったんですね。

――中国語版&日本語版でともに印象的なカントリーやゴスペルの要素はどんなふうに取り入れていったものだったんでしょう?

Mark:今回、兵役が明けてからの1曲目のシングルなので、4人で色々な影響源を持ち寄って話し合ったんですけど、ゴスペルはもともと、宗教との繋がりがあって、「赦し」や「救い」のイメージもある音楽ですよね。

JK:ギターのサウンドに関しても、「だんだん壮大になっていく」という形で、ゴスペルの進行に合わせてつくっています。

Mark:でも、宗教感が強くなりすぎてしまうのも違うと思って。

Shawn:もっと「人を包み込めるような」「人を癒せるような」音楽という意味で、カントリーの要素も加えてみよう、と思うようになりました。

Jacob:今回、中国語版は4人で合宿をしながらつくっていったんですけど、ベースに関してはMarkのドラムとの兼ね合いも大切にしていて、彼のレコーディングには必ず立ち会いつつ、4人で話し合いながら録音していきました。

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