ボーイズグループシーンの本命、WATWING『Take off,』でデビュー 自信に満ちたサウンドで見据えるワールドワイドな成功

 日本のポップスシーンにおけるボーイズグループの人気は昔から根強いものがあるが、最近はK-POPの勢いに刺激されてか、さらに盛り上がっているような気がする。正統派アイドル路線はもちろんのこと、ヒップホップやロックなど特定のジャンルに限定したり、ビジュアルに凝ったりと様々なタイプが活躍する中、ここにきて本命と言えそうなグループが登場した。

 彼らの名前はWATWING(ワトウィン)。2019年に行われたオーディションで選ばれた6人(高橋颯、桑山隆太、鈴木曉、八村倫太郎、福澤希空、古幡亮)より結成された、大手芸能事務所・ホリプロ初の男性ダンス&ボーカルグループである。それだけでも注目に値するが、楽曲をTOY’S FACTORYからリリースしている点も見逃せない。

 同社はMr.Children、ゆず、BUMP OF CHICKEN、EGO-WRAPPIN’といった実力派アーティストが多数在籍しており、ガールズグループもBABYMETALやでんぱ組.incなどアーティスティックなタイプが目立つ。WATWINGはそんなレコード会社とホリプロが手を組んで世に送り出すボーイズグループゆえに周囲の期待も大きく、音楽ファンからも熱い視線が注がれている。

 2020年1月にデビューした彼らは、同年に4枚のデジタルシングルをリリース。いずれの楽曲も爽やかでありながら芯の強さを感じさせるメンバーらのボーカルを前面に出しており、パフォーマンスの面ではK-POPシーンで刃群舞(カルグンム)と呼ばれる一糸乱れぬダンスを披露するなど、既存のグループとは違ったカラーを目指していた感があったが、2021年9月22日に満を持して発表するメジャーデビュー作『Take off,』では、「これが自分たちの完成形だ」と強くアピールしているかのような自信に満ちたサウンドばかりで頼もしい限りだ。

 本作はメンバー自身がプロデューサー的な視点から楽曲制作に参加。ひとりひとりのポテンシャルやパフォーマンス力の高さを存分に引き出しながらも、あくまでも自然体な彼らの魅力が感じられるように仕上げたという。確かにどの曲もWATWINGが結成以来ずっと大切にしてきた「明るく、軽やかな」イメージをさらに磨き上げ、よりナチュラルに見せた印象が強い。

 特にそう思わせるのはリードトラックの「HELLO WORLD」だ。「僕と君の世界をつなげる」をテーマにした同曲は、懐かしい洋楽を思わせるハートウォーミングなポップスで、キレのいいダンスも必見である。振り付けを担当したのは、ワールドワイドな活動を展開するGANMI。米ビルボードのメインシングルチャートで1位を獲得したBTS「Butter」にも関わっている有名なダンスクルーだが、難易度の高いダンスを力まずに笑顔でこなすメンバーの力量には感服するしかない。

WATWING 「HELLO WORLD」Music Video

関連記事