BTS RM、誕生日が故郷でも盛大に祝福される理由 読書やアート鑑賞を通じて社会に与えるポジティブな影響

 BTSのRMが本日9月12日に誕生日を迎えた。記念すべき日に向けて、世界中のARMY(ファン)たちによるセンイル(誕生日)広告やイベントがSNSで多く予告されており、RM一色の1日となりそうだ。

BTS「Butter」
BTS「Butter」

 昨年も韓国を中心に世界各国で地下鉄広告やバス広告、街頭ビジョン、カフェなどの各店舗にてカップホルダーイベントが行われて話題となった。まるでライブ会場の観客席を紫色のライトが埋め尽くすように、ARMY一人ひとりの愛情が集まって各地の巨大ビジョンを照らしているのだと思うと胸が熱くなる。

 以前は、そんなセンイル広告をめぐる旅行も人気を博していたが、残念ながら2020年以降のコロナ禍では難しいのが現実。そのため、SNSを通じてその様子を共有するなど、また新しい楽しみ方が広がっているのも、ARMYたちの熱意を感じる部分だ。

 今年は、RMの故郷である京畿道高陽市もARMYと協力し、市内にある高陽観光情報センターの建物にRMの壁画を企画。横18m×横12mと巨大な壁画には、笑顔のRMと共に高陽(コヤン)市のネコのキャラクター・コヤンコヤンイ(韓国語でネコ=コヤンイ)が描かれている(※1)。気軽に旅行が楽しめるようになった暁には、きっと新たな観光スポットになることだろう。

 故郷であるという縁があるのはもちろんだが、市がこれほどRMの誕生日を大々的に取り上げるのには理由がある。それは、RMが故郷への想いを語ってきたためだ。

 「私は韓国・ソウルから近い都市一山(イルサン)で生まれました。池や丘、毎年開かれるフラワーフェスティバルなど本当に美しい街です。僕はそこで幸せな幼少期を過ごした、普通の男の子でした」。2018年9月、米ニューヨーク国連本部の舞台で演説したRMは、そう自分自身の出で立ちについて表現した。2015年には「Ma City」で“一山(イルサン)私が死んでも埋められたい場所”“漢江より湖水公園が好きだ、私は”という歌詞を歌っている。

 そんなRMの愛情深さに応えるべく、今年のセンイルイベントが企画されたのだろう。自分を育ててくれた場所を愛することが自分自身を愛することにつながっていく。自分が愛するものを積極的に発信することで、より多くの人がその温かな気持ちにふれることができる。そんな愛があふれる世界になってほしい……RMの言動からはそうした願いのようなものを感じることができるのだ。

 だからだろうか、これまでもRMは自身が愛しているものをしっかりと発信してきてくれた。例えば、読書。村上春樹ファンであることも自称しており、『海辺のカフカ』『1Q84』『ノルウェイの森』などはもちろんのこと、『Me Before You(ミー・ビフォア・ユー きみと選んだ明日)』(ジョジョ・モイーズ)、『デミアン』(ヘルマン・ヘッセ) 、『MAN BOX』(トニー・ポーター)、『これからの「正義」の話をしよう いまを生き延びるための哲学』(マイケル・サンデル)、『限りなく透明に近いブルー』(村上龍)、『真昼の悪魔 うつの解剖学』(アンドリュー・ソロモン)といった幅広いジャンルの本を読んできたことをインタビューなどで語ってきた。

RM Live!

 2017年11月9日に配信されたV LIVE「RM Live!」では、『少年が来る』(ハン・ガン)と『82年生まれ、キム・ジヨン』(チョ・ナムジュ)について「示唆する部分が多くていろんなことを感じました」と語っていた。いずれも人気のある作品ではあるが、RMが手にとったということを聞いて、さらに多くの人が注目したに違いない。過去にはRMが推薦した書籍が1日で完売となったこともあったほどだという。

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