『SUM BABY』インタビュー
BALLISTIK BOYZ、“踊らない夏ソング”への挑戦 ツアーの思い出やハマっている音楽についても明かす
世界的に活躍するDJ&プロデューサーのコリー・エネミーが手掛けた前作シングルの表題曲「Animal」が、洋楽ファンなど幅広い層からも好評を博したBALLISTIK BOYZ from EXILE TRIBE。そんな彼らが8月4日に4thシングル『SUM BABY』をリリース。表題曲は昨年夏に配信リリースされた「SUMMER HYPE」に続く夏曲となっている。収録曲のうち3曲がお披露目されたツアー『BALLISTIK BOYZ PROLOGUE LIVE TOUR 2021 "PASS THE MIC" ~WAY TO THE GLORY~』の振り返りや、最近聴いているお気に入りの曲なども聞きつつ、7人揃って新たな魅力やポテンシャルが詰まった『SUM BABY』について語ってもらった。(古知屋ジュン)【インタビュー最後にプレゼント情報あり】
【オリジナル動画】BALLISTIK BOYZが今年の夏にやりたいこと
“遊び”をテーマに新しい見せ方を切り拓く
ーー昨年の「SUMMER HYPE」はポップで親しみやすい“THE夏ソング”でしたが、今回のリード曲「SUM BABY」は海外のトレンドを押さえたチル感のあるサウンドで、“ゆるく楽しむ夏”みたいなイメージがありますね。
砂田将宏(以下、砂田):「SUMMER HYPE(以下、サマハイ)」の方がノリノリで、ダンスが似合うようなパーティ感がありましたよね。今回の曲は本音を言うと、踊らなくても成立するんじゃないかって思います。
日髙竜太(以下、日髙):それくらい、最初に聴いたときにダンスのイメージが湧かなかったですよ。
砂田:だから一言で夏の曲といっても、「サマハイ」とはかなりイメージが違うんですよ。例えるなら、日焼けしてる僕が「サマハイ」で、色白な竜太くんが「SUM BABY」みたいな……(と腕を並べて見せてくる2人)。
海沼流星(以下、海沼):いやあなた、ゴルフしてるにしても焼けすぎでしょ。
ーー(笑)。〈小悪魔〉と書いて“パイレーツ”、〈天使〉と書いて“マーメイド”と読んだりする言葉選びにも、独特のセンスを感じました。
砂田:ZERO(YVES&ADAMS)さんならではですね。「SUM BABY」のタイトル自体も、最初はどういう意味なのかな? と思っていたんですけど、ZEROさんから「これって通じるかな。どう思う?」って聞かれたんですよ。普通は英語のSUMMERを“SUM”っていう略し方はしないんですね。でも日本語でも“スマホ”とか勝手に略されて、それが世の中に浸透していく言葉ってあるじゃないですか? その感覚でZEROさん流に略した言葉で、サビでの遊び方も含めて、それはそれで面白いなって感じました。
ーーゆるく始まるけれども、ボーカルとラップの絡み方がすごくきめ細かくて、繊細さも感じます。
深堀未来(以下、深堀):全部をかっちり決めたわけじゃないけど、今回の歌割は僕が中心になって決めました。ボーカルはボーカルパート、ラッパーはラップパートをそれぞれが全部歌ってみて、スタッフの方とも相談しながら「誰がその部分を担当したらより映えるかな」と頭を悩ませつつ。
日髙:自分たちで聴いても「結構ちゃんとハマったな!」と満足してます。
砂田:この曲はユニゾンがなくて、一人ひとりがそのラインを担当しているところも特徴かもしれないよね。これまで特に、ボーカルパートはサビがユニゾンになるケースが多かったんですけど、この曲は1人ずつのラインがあるんですよ。
ーー歌詞からも伝わりますが、この曲で描かれているのはどんな夏?
砂田:「とある夏の1日のストーリーを歌にする」みたいなテーマがありました。僕の歌い出しの部分なら、朝起きて「暑いしダルいし何しよう?」みたいなところから、(奥田)力也の〈“何か起こりそうな” Summer〉でだんだんギアが上がっていって……。
深堀:で、僕の〈Jump in the car〉で車に乗って街に繰り出す、と。
日高:レコーディングでは歌詞の場面それぞれに合わせたテンション感にこだわりましたね。いったん全部録ってみて「ここはもうちょっとダルい感じ?」とか言いながら、録り直したりもして。
ーー撮影を終えたばかりというMVの雰囲気や振りも気になります。
奥田力也(以下、奥田):振りは簡単だけどキャッチーで、しかもカッコよく見せたいと思っていて、でもそういういろんな魅力を詰め込んだムーブを作るのが難しくて、メンバーとも悩みました。最後まで考えて出たのが、サビのラストでカメラを構える動きなんです。こういう状況下ではありますけど、僕たちとファンの皆さんとの思い出がもっと増えればいいなという願いを、そこで表現してみました。
日髙:MV全体でいうと“遊び”がテーマ。僕らは全員が歌って踊るグループですが、今回は最初に話したように、あえてあまり踊らない形にしました。サビ部分では踊ったりもしているんですけど、結構フリーダムな感じになっていると思います。自分たちからも「BBQしたり、プールで遊ぶ様子を撮りませんか?」と提案したりして、MVの中でやってみたいことを結構詰め込んだ感じです。楽曲的にもそうなんですけど、しっかり踊ってガツガツ攻めて......というイメージとはまた違う、新しい見せ方を切り拓きたいと考えていて、そこがうまく反映されたかなと思いますね。サウンド面だけじゃなくMVも海外テイストになっています。
ツアーで意識した“直接伝えることの大切さ”
ーー他の収録曲はBBZ Family(ファンの総称)の方々には聴き覚えがあるかもしれないですね。「HANDS UP」は『BALLISTIK BOYZ PROLOGUE LIVE TOUR 2021 "PASS THE MIC" ~WAY TO THE GLORY~』でラストに披露していたスケール感のある楽曲です。
加納嘉将(以下、加納):各地で披露しましたけど、「こういう曲を歌ってくれてありがとう」ということを言っていただいたり、いい反響をいただけたんじゃないかと。
松井利樹(以下、松井):沁みますよね。手前味噌ですけど、いい歌だと思います。
ーー〈画面越しに手を振ったあの夜に〉で昨年のオンラインライブを鮮明に思い出せたり、最後の〈君の待つ 約束の舞台で〉が「またライブで会いましょう」とも聴こえて、嬉しくなりました。
日髙:歌詞のテーマがまさにそれで、僕らの想いとファンの皆さんの想いを詰め込んだような楽曲です。僕たちとファンの皆さんがようやく会える約束の舞台=ライブだと思いますし。自分たちも歌っていて響くものがありましたし、それがライブを待ち望んでいた方々にも響いたんじゃないかと。
ーー奥田さんが東京公演のこの曲の手前のMCで、「去年は初めてのツアーが中止になったり悔しい思いをしていた中でも、BBZ Familyの存在がすごく大きくて」とおっしゃっていて、コロナ禍がなければこういう曲も生まれなかったでしょうし、いろいろつながっているんだなと感じた記憶があります。
奥田:今までずっと待っていてくださったBBZ Familyの皆さんにやっと会えたツアーだったので、メンバー一人ひとりの気持ちを、パフォーマンスだけじゃなくMCでも伝えることができたら一番だと思ったんです。今回のツアーでは「直接伝えることの大切さ」を特に意識していたので、MCでも曲に行く前に自分たちが昨年のコロナ禍の活動をどう思っていたのか、その中でBBZ Familyの皆さんの存在の大きさを感じたことも改めて伝えたかったんです。
ーーなるほど。そして、「Blow Off Steam」はツアーのオープニング曲でしたね。こちらは重厚でストリートな強さにも圧倒されました。
砂田:ライブの1曲目から新曲というチャレンジングなことをやっちゃいました。
日髙:でも、こういう状況下で声を出してはいけないというルールがあったので、結果的に助かった部分もあったかもしれない。ワーッと盛り上げるというよりも、「見せつける」みたいな感じでパフォーマンスできたと思います。
ーーラップ担当のお三方(奥田・松井・海沼)が作詞作曲に参加した「Chasin’」についてもぜひ聞きたいです。
奥田:ラップは自分たちの想いや感情を届けたり、自分たち発信で作っていくのが本来の流れじゃないかと思ったので、スタッフさんとも話し合って、今回はメロとリリックを自分たちで作ってみようということになりました。プロデュースチームのO.M.W.さんにビートの音源だけをいただいて、歌詞とメロはそれぞれで考えて、できたものをお互い共有しながら「こうしたらもっとよくなるんじゃない?」とか修正し合いながら完成させて。頑張りました!
ーー前作収録のラップチームの曲「HIGHWAY」と同じく、奥田さんパートで英語、松井さんパートで中国語、海沼さんパートでポルトガル語を盛り込んでいるのも目を引きます。
松井:「HIGHWAY」に続いて“自分たちの道を突き進む”みたいなテーマの楽曲なので、夢に向かって進んでいく中での心境だったり、その中で応援してくださるファンの皆さんへの気持ちとか、いろんなものを詰め込みました。中国語の部分は「世界に向かっていくにあたって、世界は広いけれどもその分大きな夢を持って進んでいく」っていう意味なんですけど、ありのままの自分たちの想いを中国語にしてみました。
海沼:「HIGHWAY」とつながる部分もあるので、リリックはタイトルに忠実に書きました。このご時世にもぴったりなタイトルだと捉えているので、それに対してポジティブに先の目標とか夢に向かっていく生き様を歌詞にしていますね。