TFG、パフォーマンスの隅々まで宿っていた“決意と信念” 心の奥底まで訴えかけた5人体制初ステージ
再び全員集合すると、キャッチーなナンバーの「ニコイチ」から折り返し地点がスタート。私服のようなポップな衣装も、彼らの放つキラキラしたエネルギーを底上げする。目の前で歌い踊る5人は常に全身全霊で、その声や笑顔が会場中に元気を与えていることは間違いなかった。
「恋の変換点」ではキラキラとしたオーラを放ち、「神さま お願い」ではしっとり×ポップで会場を沸かせる。様々なジャンルやストーリーも難なく表現しきってしまうのは、全員が役者という側面も持っているからなのだろう。楽曲の持つ世界観を適切に読み取り、音楽に昇華していく姿勢こそTFGの強みなのだ。その後も「PA! PA! PA! Party Love!」「My dear Summer」と駆け抜け、ラストスパートへ。ギターリフが印象的な「Celebration」で盛り上げきり、ライブの本編を締めくくった。
ステージからメンバーが去った後も、まだまだ熱の冷めやらぬ会場。そんな様子を見透かしているように、影アナからは「これで終わっていいの!?」「まだまだ俺たちに会いたいよね!?」という煽りが聞こえてきた。焚きつけるメンバーの声、次第に大きくなっていくアンコールのクラップ、より一体感の増していく客席。その最高潮に狙いを定め、再びTFGのメンバーが登場した。
堀田が「まだまだお送りします!」と告げると、ヒップホップナンバーの「シンセイカツ」へ。前川がポジションを間違えるハプニングも発生したが、それすら生ライブゆえのご愛嬌だ。MCを挟みラストナンバーの「My Man,My People」に繋がる頃には、会場は大団円。ハッピームードが満ちるなか、全16曲を完走したのだった。
最後のMCで、堀田は「みんなに新しいものを見せたいと思い頑張ってきた」と話していたが、『TFG SPECIAL LIVE 2021 - SMASH+-』は、まさしく新しいTFGだったのではないだろうか。ただ単に歌割りやダンスパートが変わったという事実だけにとどまらない、新たな気持ちを胸にしたTFG。だからこそ彼らの作るエンターテインメントが、五感に収まらず心の奥底まで訴えかけてきたような気がしてならないのである。これからの彼らが、次はどんな奇跡のような瞬間を重ねていくのか楽しみだ。