BTS、「Permission to Dance」で7人がかけたマジック 『音楽の日』での日本初パフォーマンスを観て
〈Da na na na na na na〉の部分で、JINからJ-HOPE、RM、JIMIN、そしてV、SUGA、JUNG KOOKへとスイングする動きが順番に伝播していく振り付けは、その先にこの楽曲を聞くすべての人へと広がっていくように見えるのだ。
そして、最も印象的なのは彼らの満面の笑みだ。こぼれるように笑う彼らの表情を見ていると、これまで圧倒するダンスパフォーマンスを披露してきたBTSも、この楽曲ではダンスを純粋に楽しんでいるのだと実感して、何だかうれしくなってしまうのだ。
楽曲の後半、真っ白に輝いていたプールサイドの日が傾いていく。雲は徐々にピンク色を帯び、「マジックアワー」と呼ばれる空色に。すると、7人は一列に並び、指を立て腕を広げていく。腕と腕が重なる様は、手を繋ぐことが難しい現代も、人と人とが繋がっていることを改めて強調しているかのよう。
今回のパフォーマンスは、まさにBTSがかけるある種のマジックだったのかもしれない。誰もがためらうことなく、ダンスを、そして音楽を楽しめる魔法。幻想的な風景に見えるマジックアワーも、決して特別なものではないということ。世界的な人気を誇るグローバルグループでとなりながらも、どこか身近に感じられるBTSだから見せられた夏の夜の夢だ。