EXILE THE SECOND メンバー分析【入門編】Vol.5:EXILE SHOKICHI

EXILE THE SECOND SHOKICHI、多ジャンルに精通した表情豊かなボーカル 楽曲制作にも長けた音楽愛と情熱を持つ男

 しかし、デビューしたのも束の間、4日後にはJ Soul Brothersとしての活動が終了。2009年3月1日、EXILEが第三章に突入するタイミングで7名全員がEXILEに加入することが発表され、予想外の展開が話題を呼んだ。それはEXILE SHOKICHI自身にとっても衝撃的だったようで、EXILE ATSUSHIとEXILE TAKAHIROがメインボーカルを務める当時のEXILEにおいては、歌一筋でやってきた自分の存在意義がわからなくなることも。それでも、自分がEXILEとして音楽を続ける理由を求めて、もともとやっていた曲作りに力を入れた結果、2012年1月、自ら作詞作曲を手掛けた楽曲「Everlasting Song」(『EXILE JAPAN』)を発表。「初めて作詞・作曲した作品を披露し、ファンの方からレスポンスをもらった時に『俺が音楽やる意味があるかも』と存在意義を感じました。自分の歌に自分が救われました」(※8)と語るように、今のEXILE SHOKICHIのスタイルが確立した瞬間だった。

 同じく2012年の7月には、EXILE AKIRAを除く5名から成る派生ユニット・THE SECOND from EXILEがシングル『THINK 'BOUT IT!』でメジャーデビュー。2016年にEXILE THE SECONDに改名し、EXILE AKIRAが加入するとEXILEでの経験と水面下で磨き続けた個性を大爆発させて、EXILE THE SECONDの快進撃が始まった。

THE SECOND from EXILE / THINK 'BOUT IT! (「悪の教典」 Devil Edition) -short version-

 野性味溢れる歌声や吐息交じりのセクシーなビブラート、美麗なファルセットなど、表情豊かなボーカリングでリスナーを魅了するEXILE SHOKICHI。2014年6月4日にシングル『BACK TO THE FUTURE』でソロデビュー。現在はプロジェクト<KOMA DOGG / LDH MUSIC>を立ち上げ、プロデューサーとしても能力を発揮している彼の歌は、どの楽曲においても今まで磨き上げた音楽センスとテクニックが光る。ロック、ヒップホップ、R&Bといった多彩な音楽ジャンルをルーツに持つだけでなく、世界的な流行にも常にアンテナを張り、どんどん新しいものを取り入れていく姿勢も大きな魅力である。また、他のアーティストとコラボレーションをする機会も多く、例えば2018年にリリースした「Underdog」は、EXILE THE SECONDなどの楽曲も多数手掛けるUTA、Hi-yunk(BACK-ONのKENJI03)とコライトした楽曲。音楽性としても、自身のルーツであるロックとヒップホップのビートを融合させ、J-POPに落とし込んだ1曲となっており、あらゆる出会いと音楽を“融合”させてオリジナリティ溢れる楽曲を制作するのが彼のスタイルだ(※9)。さらに「青の日々」や「君に会うために僕は生まれてきたんだ」といったバラードにも定評があり、昨年EXILE THE SECONDが行った『LIVE×ONLINE』ではピアノの弾き語りを披露する場面も。EXILE「RED PHOENIX」などではドラムを披露する場面もあり、EXILE TRIBE髄一の音楽マニアと言えるだろう。

EXILE SHOKICHI feat. VERBAL (m-flo) & SWAY / BACK TO THE FUTURE
EXILE SHOKICHI / Underdog (Music Video)

 EXILE SHOKICHIのキャラクターを一言で表すとすれば、“ピュアで熱い男”。自分自身が夢を追いかける姿勢もさることながら、アーティストの夢を諦めかけていたJACKPOTの相方・佐藤広大(現在は<KOMA DOGG / LDH MUSIC>に在籍)に「夢は絶対叶う」とエールを送ったり(※10)、WILD STYLEの仲間だったSWAYをLDHに紹介したりと、仲間想いのエピソードが尽きない。そんな熱い男だからこそ、度々ドッキリ企画のターゲットにされ、全力で引っかかるという可愛いギャップにハマる人が多いようだ。写真などでは鋭い目つきやずば抜けたスタイルの良さに目が行きがちだが、実は物腰が柔らかく、どこか素朴な雰囲気を醸し出しているところも、彼が愛される理由だろう。

 人を信じ、人を愛し、そこから生まれた音楽で、さらに多くの人と繋がっていくEXILE SHOKICHI。バンドキッズだった頃のピュアな想いを胸に、彼は音を紡ぎ続ける。

※1:https://www.barks.jp/news/?id=1000160268
※2:https://realsound.jp/2017/07/post-87885.html
※3、9:https://realsound.jp/2018/05/post-196390.html
※4:https://www.sanspo.com/article/20190916-3PG6XBRX5ZP2LG2E27JWW7B2YQ/
※5、8:https://hochi.news/articles/20180222-OHT1T50252.html
※6、7:https://realsound.jp/2017/07/post-87885.html
※10:https://realsound.jp/2017/02/post-11256.html

■斉藤碧
エンタメ系ライター。
ダンス&ヴォーカルグループ、アイドル、ロック、ヴィジュアル系、俳優などジャンルレスで執筆中。V系雑誌「Stuppy」では編集も担当。
Twitter(@stmdr38)

関連記事