GARNiDELiA toku、多彩な女性シンガー10名に贈るカラフルな楽曲群 ソロアルバム『bouquet』で再確認する才能
そして、中島愛や一青窈といった個性の確立されたシンガーには、ひときわクセの強い楽曲が提供されている。中島が歌う「Acacia」では英詞が比較的多めな歌詞が用意され、序盤は抑え気味のトーンでサビになるとキーが高くなるというメロディからも難易度の高さが散見される。一青窈が参加した「萌芽」は音数を押さえたミニマルなエレクトロアレンジに和テイストのメロディが乗った独創的な1曲で、彼女独特の節回しが加わることでほかの楽曲には感じられない(それこそ、やなぎが歌う「Coreopsis」とも異なる)不思議な空気感を味わうことができ、聴き終えたあとの余韻もほかにはないものがある(この曲がアルバムラストに置かれたのも、そういった点が考慮されたのだろう)。
アルバム『bouquet』を楽曲/シンガーのタイプごとに振り返ってみたが、こうして文字で表現してみると『bouquet』に収録された10曲はすべて個性がバラバラなオムニバスアルバムのように受け取れるかもしれない。しかし、「ずるいよ、桜」から「萌芽」までの10曲を通して聴いてみると、確かに歌い手はそれぞれ異なるものの、1枚のアルバムとしての統一感が非常に強いものであることに気づかされるはずだ。もちろん、tokuがすべての楽曲を作曲/アレンジしていることが一番の理由だが、それ以上にバラバラな方向を向いているように見える個々の楽曲が、スタート地点こそ異なるものの、実は同じゴールに向かって進んだことでこの統一感を生み出しているのではないか。筆者はアルバムを何度も繰り返し聴くにつれ、そう確信し始めている。
個性の異なる豪華女性シンガー10人が参加したボーカルアルバムとしてはもちろんのこと、“コンポーザー/プロデューサーtoku”の才能が再確認できる本作は、GARNiDELiAのファンのみならず幅広い音楽リスナーに触れてもらいたい。きっとあなたの好みに合った花束が、必ず見つかるはずだから。
■西廣智一(にしびろともかず)Twitter(@tomikyu)
音楽系ライター。2006年よりライターとしての活動を開始し、「ナタリー」の立ち上げに参加する。2014年12月からフリーランスとなり、WEBや雑誌でインタビューやコラム、ディスクレビューを執筆。乃木坂46からオジー・オズボーンまで、インタビューしたアーティストは多岐にわたる。
■リリース情報
toku『bouquet』
2021年6月16日(水)発売
1.「ずるいよ、桜」feat. 神田沙也加
作詞:神田沙也加
2.「或るヒマワリ」feat. 石原夏織
作詞:渡辺翔
3.「Acacia」feat. 中島愛
作詞:LINDEN
4.「青い薔薇」feat. 鈴木このみ
作詞:LINDEN
5.「Radiata」feat. atsuko from angela
作詞:atsuko
6.「Lilium」feat. 井口裕香
作詞:渡辺翔
7.「Antheia」feat. 竹達彩奈
作詞:LINDEN
8.「Coreopsis」feat. やなぎなぎ
作詞:やなぎなぎ
9.「君影草」feat. 三森すずこ
作詞:LINDEN
10.「萌芽」feat. 一青窈
作詞:スガシカオ
全作曲・編曲:toku
<曲順未定/全10 曲収録>初回限定盤・通常盤共通
【初回限定盤】CD+Blu-ray
PCCA-06042 / ¥4,400( 税込)
[Blu-ray]
01.「ずるいよ、桜」feat.神田沙也加 Music Video
02.Making of 「ずるいよ、桜」feat.神田沙也加MV
03.「青い薔薇」feat.鈴木このみ Music Video
04.Making of 「青い薔薇」feat.鈴木このみMV
05.Interview with toku
【通常盤】CD ONLY
PCCA-06043 / ¥3,300( 税込)
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