でんぱ組.incは、まだまだ夢へ飛び込んでいくーー壮大なパフォーマンスで魅了した新体制ワンマン

 愛☆まどんなのイラストが書かれたMIKIOSAKABEによるセーラー服に衣装チェンジしてから、再び全員でのパフォーマンスが「プリンセスでんぱパワー!シャインオン!」で再開。新体制になってからリリースされた新曲だ。ステージ全体を使う壮大なパフォーマンスで最新のでんぱ組.incの魅力を存分に伝える。「惑星★聖歌〜Planet Anthem〜」では、ミラーボールが輝く演出でファンを感動させる。新メンバーの天沢璃人がフィーチャーされるフォーメーションもグッとくる。

 人数が増えたからこそできる壮大なパフォーマンスはさらに続く。「ファンファーレは僕らのために」では高咲陽菜と天沢璃人が大きなフラッグを振り、中心で他のメンバーが踊るパフォーマンスを行った。〈覚悟を決めたら帆を上げて 大海原へさぁ 出港じゃい!〉という歌詞に合わせるような演出だ。そして「でんぱれーどJAPAN」「愛が地球救うんさ!だってでんぱ組.incはファミリーでしょ」とキラーチューンを連発。自由自在にステージを動き回るメンバー。ファンも声は出せないものの、ペンライトを高く掲げたり一緒に踊ったりと盛り上がる。本編ラストの「プレシャスサマー!」で盛り上がりを最高潮にして「萌えキュンソングを世界にお届け!でんぱ組.incでした!」と恒例の挨拶をして去っていくメンバー。

 すぐにアンコールの拍手が巻き起こり、再登場し1人ずつ感想を伝えていく。「まだやらないといけない曲があるんじゃないでしょうか?」と根本凪が話し、相沢梨紗が「みんな準備はいいか! 配信で観てる人も準備はいいか! でんぱ組もいくぞ!」と煽ってから新曲「千秋万歳!電波一座!」をパフォーマンス。楽しそうに歌い踊るメンバーと、楽しそうにペンライトを振るファン。ファンとメンバーが一心同体となる一体感が生まれることも、でんぱ組.incのライブの魅力だ。最後は「イツカ、ハルカカナタ」を横一列になって笑顔で歌い、幸福感に満ちた空気を作ってライブは終演した。

 2017年1月20日に日本武道館で行われたライブで古川未鈴は「でんぱ組.incを諦めません」と語っていた。それからグループの形も変わっていった。しかしでんぱ組.incは変化しつつも続いている。古川未鈴はこの日は産休で参加していなかったが、彼女の意思や想いはメンバー全員共通のものなのだろう。終演後のとても大きく長く続いた拍手の音がメンバーの想いが観客に伝わったことを物語っていた。でんぱ組.incはまだまだ夢へ飛び込んでいくし、その夢を夢で終わらせない。またここから夢に続く道が待っている。そんなグループの再スタートを感じて胸が震えるライブだった。

でんぱ組.inc公式HP

■むらたかもめ
オトニッチというファン目線で音楽を深読みし考察する音楽雑記ブログの運営者。出身はピエール瀧と同じ静岡県。移住地はピエール中野と同じ埼玉県。‬ロックとポップスとアイドルをメインに文章を書く人。
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