『ANSWER... SHADOW』インタビュー
登坂広臣、新たな姿=ØMIで表現する“自分自身の光と影” 「弱さと向き合ったからこそ前に進める」
「エンタテインメントで一番大事にしているのは“余韻”」
ーーちなみに「Colorblind」の〈blind〉という歌詞、「ANSWER... SHADOW」に出てくる〈Moon light〉の〈light〉、「Can You See The Light」に出てくる〈see the light〉の〈light〉と韻を踏んでいると思うのですが、1枚を聴き終えた時に「light(光)」が耳に残るのはたまたまですか。それとも狙い通りですか。
登坂:狙い通りです(笑)。表題曲の「ANSWER... SHADOW」は自分も作詞に参加させてもらいましたし、他の楽曲も自分なりの意見を伝えてプロデュースさせてもらったんですが、4曲とも作詞をお願いする際に「SHADOWなんだけどLIGHTを感じられるフレーズをマストで入れてほしい」と伝えてありました。中でも「Colorblind」は、「ANSWER... SHADOW」と、この先に控える光のシリーズを繋ぐ架け橋のような曲だと思っているので、最後に“光”を感じられたらいいなと思って。“心の中”を描いた「ANSWER... SHADOW」と「Can You See The Light」のMVは明確なテーマカラーがあるんですが、「Colorblind」のMVは、唯一いろいろな色を使っていたり、突然真っ白い空間が表れたり、外に向かって一歩踏み出していく映像になっています。
ーーそこまで一貫したストーリーがあったとは。そう考えると、4曲の中で唯一のラブソングである「Give up」が、異色の存在に見えてきました。
登坂:そうなんですよね。自分も最初は、このEPのテーマを考えた時に、ラブは必要ないかなって思いました。でも、「ANSWER... SHADOW」や「Colorblind」に出てくる〈君〉も、「Can You See The Light」に出てくる〈you〉も、全部ファンの皆さんのことを指しているので。そこにもう1曲加えるとなるとラブソングテイストのものも必要になってくるなと思って、「ANSWER... SHADOW」の世界観に通じるサウンド感で、ラブのテイストが入った「Give up」を制作しました。
ーー「Give up」と「ANSWER... SHADOW」はふっと消えるような終わり方で、その余韻の残し方にもこだわりを感じます。
登坂:まさに、それもこだわりました。映像作品に関しても曲に関してもそうなんですけど、自分がエンタテインメントを作る上で一番大事にしていることって“余韻”なんですよね。自分自身が誰かのライブを観たり、映画を観たり、様々なエンタメに触れた時も、余韻を感じた作品が一番記憶に残るから、自分のライブツアーでも余韻を持って帰ってほしいなって思うし。「ANSWER... SHADOW」の終わり方が、最後にもう1回Aメロが来て、ふっと消えるような展開になっているのも、結局何が一番言いたいの? っていう余韻を残したいからなんです。
ーー余韻であり、問いかけでもある、と?
登坂:そうです。それは曲の構成だけじゃなくて、音一つひとつに対してもそういう感覚があって。今回は特に“SHADOW(影)”を表現した作品なので、音の消え方や余韻の残し方は、音作りをする上ですごく意識しました。しかも、次にもっとすごい作品がくると「うわ、やられた!」ってなると思うので。毎回、前作以上のものを届けたいという想いで、音作りや映像作りをしていますね。
ーー「ANSWER... SHADOW」と「Can You See The Light」のMVのダンスもすごく躍動感があって、ライブが楽しみになりました。それぞれどんなこだわりがありますか?
登坂:「ANSWER... SHADOW」はコンテンポラリーダンスですね。僕はダンサーではないので、ダンスに関してはほぼ素人っていう認識なんですが、ヒップホップとかニュージャックスウィングとかって、型があって基礎があるじゃないですか。もちろん、コンテンポラリーも基礎やスキルは必要ですが、キャッチする側からすれば自由に解釈できるダンスだなって思うんです。「これすげえ!」って思うのか、「なんだこれ!」って思うのか、人によって結構違うなって……(笑)。
ーーなんというか、正解がわからないですよね。
登坂:でも、コンテンポラリーは何が正解かわからないからこそ、面白いダンスだと思うし、サウンドがジャンルレスだから、ダンスのジャンルも正解がないほうがいいなと思って。ずっと僕のサポートダンサーをやってくれている子に頼んで、ダンスを作ってもらいました。逆に「Can You See The Light」のほうは、ビートもしっかり効いていて、この4曲の中では一番ストロングサウンドなので、しっかりダンスを見せたいとオーダーしましたね。ダンスも曲に引っ張られる形で、自然と対称的なものになったので、合わせて観てもらえたら嬉しいです。
ーーただ、1つ言いたいのですが……。先ほどからご自分では「自分の弱さを曝け出した楽曲」とおっしゃっていますが、MVではダンスもファッションもセットも照明も一切隙がなくて、“弱さ”よりも“美しさ”が圧勝しているなと!
登坂:あははは。俺、今までは心の闇とか、生きていく中での葛藤とか孤独感って、あんまり他人に見せたいと思わなかったんですよね。むしろ、そんなの見せるのカッコ悪いって思っていて。それが今回の制作では、年齢的なものもあるのか、弱さすらもアートにして表現することがカッコいいんじゃないかって思えるようになったんですよね。だからこの1枚ができたことで、自分自身も1つ吹っ切れたというか。自分の弱さと向き合ったからこそ、さらに前に進めるなって感じているし、その意気込みが映像にも出たのかなって思います。
ーーでは最後に、“表現者 ØMI”の次なる夢を聞かせてください。
登坂:正直なところ、リリースが1年延びていた『ANSWER... SHADOW』をやっと皆さんにお届けできることが何よりも嬉しいんですけど、次回作が完成した時には、『ANSWER』シリーズを引っ提げたソロツアーをやりたいですね。そのためにもまずは次の制作を頑張らないと(笑)。『ANSWER... SHADOW』を聴いて待っていてください。
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<締切:6月2日(水)>
■リリース情報
ØMI『ANSWER... SHADOW』
5月12日(水)発売
<収録楽曲>
1. ANSWER... SHADOW
2. Can You See The Light
3. Give up
4. Colorblind
5. ANSWER... SHADOW (Instrumental)
6. Can You See The Light (Instrumental)
7. Give up (Instrumental)
8. Colorblind (Instrumental)