ORβIT、離れているからこそできる表現 結成からの成長やパフォーマンスに目覚めたきっかけも明かす

ORβIT、離れているからこそできる表現

 日韓合同の7人組ダンスボーカルグループ・ORβITが、4月21日に1stミニアルバム『Enchant』をリリースした。アルバム全体のコンセプトが「植物」である同作には、これまでの作品とは一味違った楽曲が詰まっている。リアルサウンド初登場となる今回は、『Enchant』についてはもちろん、切磋琢磨しているメンバー同士だから見える人柄や、ダンスや歌に目覚めたきっかけなど、パーソナルな部分までたっぷり語ってもらった。(高橋梓)【記事最後にプレゼント情報あり】

ORβITは一人ひとりの声に個性がある

ーーまず、『Enchant』をリリースした率直な心境はいかがでしょうか。

SHUNYA:今回は前作『00(オーツー)』と違って、直前まで歌詞を変えるなど、メンバー内での葛藤や迷いが大きくて。作品ができるまでは不安もあったんですが、曲はもちろんジャケットも含めてすごく春らしい、想像通りの作品になったんじゃないかと思っています。

ーー葛藤や迷いとは、どういったものだったのですか?

SHUNYA:最初はコンセプトに沿ってメンバーみんなで作詞などを進めていたんですが、最初にできたものを見ると5曲全部が似たニュアンス、世界観になってしまっていました。同じコンセプトの中で5曲を差別化するのがすごく難しくて。しかもYOUNGHOONさん、YOONDONGさん、HEECHOさんは日本語で作詞するだけでも難しいのに、決められたコンセプトの中で書かなければいけないというさらに難しい課題もあったと思うんです。そういったこともあって、ギリギリまで練り直していました。

YOUNGHOON:日本語の歌詞を書いたことはなかったですが、結果が出せて嬉しいです。成長できたと思います。前作のアルバムとは違う雰囲気のアルバムになったな、と。

ーー今作は5曲中4曲をメンバーが作詞していますね。各曲の歌詞を書く上で、インスピレーションを受けたものはありますか。

YOONDONG
YOONDONG

YOONDONG:「極楽鳥花~Bird of paradise~」は事実をベースにして書きました。デビュー前には大変な時期もありましたが、EαRTH(ファン)の皆さんと一緒に幸せな活動をしたいという気持ちを込めた歌詞です。だから僕たちにとっては意味がある曲だと思っています。特に最初の部分に気持ちを込めました。

YOUNGHOON:〈7つのsilhouette〉の部分です。ステージでのパフォーマンスをはっきりイメージできる部分かなと思います。

HEECHO:受けたインスピレーションといえば、今まで観てきた映画や、写真など、色々なものがありますね。例えば僕が作詞した「Blind」は、曲の始まりに水の流れる音や鳥のさえずりが入っていたので、そこから感じる生命力を思いながら言葉を選びました。

ーー歌詞の内容はかなり大人っぽいですよね。

HEECHO:サウンドが爽やかなので、そのギャップを意識しています。例えば悲しいメロディなのに歌詞が面白いなど、ギャップがある曲が個人的に好きなんです。今回の歌詞の中には僕の口癖の〈悪くない〉、や〈言葉はもういらないから忘れさせはしない〉といった普段思っていることも盛り込みました。

YUGO:僕が書いた「Never gonna get away」は、自分の中でお話を作り上げたイメージです。意識したのはストーリー性。1サビとラスサビでは話が全然違ってくるような、ストーリーの流れを意識しました。

ーー曲もアップテンポですし、ライブ映えしそうな楽曲ですよね。そして4曲目の「Dionaea」はJUNEさんが手掛けています。

JUNE
JUNE

JUNE:色々な植物を探している中で「ハエトリグサ」というアイデアが出たので、それに沿って書きました。この曲は、「Dionaea(ハエトリグサ)」というタイトルじゃなかったら、また違う歌詞の捉え方ができると思うんです。普通のラブソングみたいな。ただ、このタイトルだからこそ、さっきHEECHOくんが言ったギャップみたいな楽しみ方もできるのかなと思います。

ーー「ハエトリグサ」というワードも、かなり印象的ですよね。

HEECHO:日本のスタッフさんとの打ち合わせで、僕が半分冗談で「ハエトリグサ」にしましょうと言ったところ、「それいいね」ってなりました。

JUNE:最初は全然違うラブストーリーで歌詞を書いていたんですが、そのアイデアをもらって、一から書き直しました。

ーー試行錯誤の結果生まれた名曲なんですね。そして5曲目は「Lazurite」も手掛けた加藤哉子さんが作詞をされている「Flor Lunar」。この歌詞はどう捉えて歌いましたか。

SHUNYA:「Flor Lunar」は月下美人という花で、儚さがメインの曲というか。1日しか咲かない花で美しいけれど枯れるときは来るという、植物の儚さを加藤さんが綺麗に書いてくださいました。感情というよりも、僕たちでしか表現できないものをギュッと詰め込んだ感じです。この曲は、TOMOくんが最初から大好きで「絶対このメンバーで歌った方がいい」って選んで。バラードの候補は色々あったんですけど、『Enchant』に一番ふさわしいと思って選んだ曲なんです。

TOMO:ORβITって、一人ひとりの声に個性があるんですよ。「Flor Lunar」はサウンドもシンプルだし、それがすごく伝わると思うんです。「極楽鳥花~Bird of paradise~」はダイナミックなサウンドで始まって、「Blind」はいろんな音が重なってオシャレで……という中でアクセントになるというか。シンプルなサウンドでみんなの声をできるだけ届けられる曲がやりたいと思ったのでこの曲を選びました。

ーー最後にシンプルなサウンドの「Flor Lunar」があると、より印象に残りますよね。

JUNE:曲順に関しては、始めはストーリー立てて作ろうとしたんですが……。

YUGO:最終的には、スッと入ってくる音の流れを考えましたね。

SHUNYA:そうそう。最初はストーリーで5曲組み立てるはずだったけど、歌詞を書き直していくうちに、最終的に音を聴いて、この流れが一番綺麗だよねってなりました。

ーーサウンド面に関しても、メンバーの皆さんが意見を出されたのでしょうか。

HEECHO
HEECHO

HEECHO:レコーディング前のガイドを聴いた段階で、編曲のアイデアを作家さんに伝えたりはしました。他にもレコーディングをした後のMIXでHIGHやLOWをどうするか、という相談は毎回やっています。

YUGO:「Never gonna get away」は結構変わったよね。レコーディングしてから冒頭部分の音が追加されたりとか。自分たちの声を聴いて、作家さんが色々工夫して変えてくれました。

HEECHO:今までレコーディングした後、MIXする前の段階で修正を少なくとも3回から5回くらいはしていました。でも「Never gonna get away」の場合は、エンジニアさんと作家さんが上手く直してくれて。1回聴いてOKですって言われたのは、「Never gonna get away」が初めてです。逆に苦労したのは「Dionaea」。作家さんのこだわりが結構あって時間がかかりました。ベースが大きい、コーラスがちょっと小さい、僕のアドリブが大きすぎるとか、細かい音の修正を重ねていたのですが、結果的にいいものができたのでありがたいです。

ーー細かい部分から詰めていった、と。歌の面に関してもこだわりがあるのではないでしょうか。レコーディングに関して一番難しいと感じたのは、どの曲でしょうか。

YUGO
YUGO

SHUNYA:全員一緒じゃない(笑)?

HEECHO:「Blind」が今までの僕たちの曲で一番難しかったです。テクニック的にも、歌全体でも。

JUNE:僕は「Never gonna get away」です。人が書いたラップをするのが今回初めてで、YUGOが書いてくれたラップを上手く歌えなかったです。いつも無意識に自分がやりやすいラップを書いてきたんだなって……(笑)。ラップって難しいな、上手くなりたいなって改めて思いました。

YUGO:ラップのレコーディング中に困っているJUNEを見たのは初めてでしたね。逆に僕は自分でやりやすいラップを書いたので、JUNEが言っていることもわかります。

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