Eve、ポップミュージックに昇華することで放つメッセージ 「夜は仄か」サウンドと映像のポイントを解説

 ネガティブとポップを行き交う冴え渡ったソングライティング、繊細かつ文学的な歌詞、世界観を見事にあらわしたイラストや映像作品とのシンクロ率の高さ。そして、強さと弱さをアンビバレントに表現するシンガーソングライター・Eveに多くの支持が集まっている。

 Eveの人気は今、国内外問わず急拡大を見せている。そのターニングポイントは、昨年12月23日にリリースした、漫画雑誌『週刊少年ジャンプ』で連載中の『呪術廻戦』のTVアニメ第1クールオープニングテーマ「廻廻奇譚」だろう。同曲MVはYouTubeで1億1千万再生を突破。コメント欄には、英語を中心に海外の言語も並ぶ。世界中で注目されているナンバーの証だ。

廻廻奇譚 – Eve MV

 さらに、爽やかで甘酸っぱい想いをミドルテンポな青春ポップとして表現した2021年2月5日配信リリースの「平行線」では、ヨルシカのsuisをフィーチャリングボーカリストに迎え、川村元気プロデュースによるアニメーションMVがEveの軽やかなポップセンスを見事に可視化することに成功した。柔らかく溶け合うEveとsuisの歌声が耳に優しく響く。

平行線 – Eve × suis from ヨルシカ MV

 昨年末から今年にかけても話題に事欠かないEve。彼が、今年第2弾シングルとなる最新曲「夜は仄か」を4月30日にリリースした。

 インパクトある冒頭のうねるベース音、疾走感ある四つ打ちリズムに乗せて〈今日も生きてしまったな これで何年〉という歌い出しフレーズが早くも葛藤と哀愁を漂わせる。しかし、サビの〈寂しい星を待って 愛されたいを知ってしまった少年〉というパワーワードが、高まる思いを宇宙(そら)へ向かって昇華。思わず身体が動き出すダークなポップセンスを持つ、Eveならではのダンサブルなナンバーへと仕上げてきた。

 ミュージックビデオでは、海外の映像クリエイターZemと初タッグを組み、サウンドと絶妙にシンクロする妖しげなアニメーションが高い没入感を生む。本映像も、4月30日にYouTubeでプレミア公開されている。

夜は仄か – Eve MV

 そもそも、Eveは四つ打ちビート曲に定評を持つアーティストだ。これまでもライブで人気の「お気に召すまま」などアッパーなキラーチューンがあった。このような楽曲がEveの物語を加速させたといっても過言ではないはずだ。

お気に召すまま – Eve MV

 最新曲「夜は仄か」では、そんな四つ打ちビートにEveのもう片方の魅力であるダークなポップセンスを混ぜ合わせ、キックとハイハットの鳴りにこだわったシンプルなダンスミュージックを展開している。Eveらしさと世界第一線の音楽シーンの接点を見出すことができる、ある種の新境地とも言えるナンバーだ。