三代目J SOUL BROTHERS メンバー分析【入門編】Vol.4:登坂広臣
三代目 J SOUL BROTHERS 登坂広臣、クリアで芯の通った歌声 スマートな立ち振る舞いで魅了する“クールなカリスマ”
2010年、当時すでにEXILEのパフォーマーとして活動していたEXILE NAOTO(以下、NAOTO)と小林直己を中心に、『EXILE presents VOCAL BATTLE AUDITION 2~ 夢を持った若者達へ~』から選出されたボーカルの今市隆二と登坂広臣、パフォーマーのELLY、山下健二郎、岩田剛典で結成された7人組ダンス&ボーカルグループ、三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBE(以下、三代目 J SOUL BROTHERS)。昨年11月10日にデビュー10周年を迎えた彼らは、グループとしての活動を越えて、俳優・番組MCなどマルチに活躍中。今やTVで見かけない日がないほど、国民的グループとなっている。本稿では、そんな三代目 J SOUL BROTHERSのメンバーを1人ずつフィーチャー。第4回は、ボーカルの登坂広臣について紹介していく。
登坂広臣は、1987年3月12日生まれで東京都出身。『EXILE presents VOCAL BATTLE AUDITION 2 ~夢を持った若者達へ~』に挑戦した際に“経験値0のシンデレラボーイ”というキャッチコピーがついていた彼は、EXPG出身のボーカリストが多数所属しているEXILE TRIBEにおいて、ボイトレやオーディションの経験がないまま、初のオーディションでメジャーデビューの夢を叶えた、かなり異色のボーカリストだ。
小学生の時にサッカーを始めると、高校まではサッカー部に所属していたそうで(※1)、勉強は苦手なタイプとのこと。当時から歌は好きだったが、高校卒業後には美容師の専門学校に行くと進路を決め、美容師の道へ。にも関わらず、半年で美容師を辞めてしまったという自由奔放な経歴を持つ。2014年に『行列のできる法律相談所』(日本テレビ系)に出演した際には、「両親に怒られた記憶はほとんどない」というほど超放任主義の家庭で育ったエピソードを語り、視聴者を驚かせたが、じつは母の中には「本人の思うように自由にのびのびやらせた方が広臣の長所を潰さないのではないかと思い、うるさく口出しすることはしませんでした」(※2)という想いがあったようだ。
そんな登坂がカリスマ性を発揮し始めたのは、美容師を辞め、代官山のアパレルショップで働いていた頃。2015年に『A‐Studio』(TBS系)に出演した際には、当時働いていたショップの店長に取材した鶴瓶が「売れない服が、登坂が着ると売れるんやて。カリスマ店員や」と語っているように、当時から華やかなビジュアルで人気があったようだ。でも、本当に進みたいのは音楽の道ーー。2010年、『EXILE presents VOCAL BATTLE AUDITION 2 ~夢を持った若者達へ~』の開催が発表されると、「結果はどうであれ、受けなきゃ後悔する」という理由で挑戦することを決意した。とはいえ、オーディションに向けて、やっと本腰を入れて歌を勉強し始めた登坂に対して、4年の下積みを経て挑戦している今市隆二や、高校を中退して歌のレッスンに励んでいたGENERATIONSの数原龍友など、他の挑戦者は強者揃いである。彼らとの経験の差は歴然で、オーディションの密着取材を行った『週刊EXILE』でも、「練習してないと不安で」と、休日返上で歌を練習していることを明かしていた。
そして、足りない技術を気持ちで埋めるように精一杯戦った結果、登坂は最終審査まで駆け上がり、CHEMISTRY「You Go Your Way」(ペア自由曲)を歌った相棒・今市と共に見事合格。やっとデビューのチャンスを掴んだ喜びと、EXILE ATSUSHIの「レベルで言ったら、学芸会に毛が生えたようなモノだったかなという、プロの目線で見てしまうとそういう部分もあって。正直、僕はさらに皆さんを突き放しにかかります」という言葉が突きつける現実に、登坂と今市は最終審査の舞台・赤坂BLITZの楽屋で思わず男泣きしていた。だが、そこに音楽プロデューサー 松尾潔から「来週の頭からレコーディングするので」という新たな試練が……。それほどまでにボーカル2人に向けられる期待は大きかったのだ。2010年11月10日には、三代目 J SOUL BROTHERSが『VOCAL BATTLE AUDITION 2』の課題曲だった「Best Friend’s Girl」でデビュー。その後もハイペースでリリースやライブを行い、あまりのハードスケジュールに一時は歌が嫌いになったこともあるという。それでも2014年、“俳優”という今まで知らなかった世界に飛び込んだことで視野が広がり、再び歌う喜びを感じ始めるように。ちょうどその頃リリースした「R.Y.U.S.E.I.」が大ヒットし、三代目 J SOUL BROTHERSは国民的グループへと進化を遂げたのだった。