声優 津田健次郎、『極主夫道』が話題のいま確かめる2020年からの勢い 表現することへの欲求も

津田健次郎写真集 「FLOWING」

 おおのこうすけによる漫画で、2020年には玉木宏主演でTVドラマ化もされた『極主夫道』がNetflxオリジナルアニメシリーズとしてアニメ化、4月8日より独占配信がスタートした。元最凶のヤクザ「不死身の龍」と称された主人公の龍を演じるのが、声優の津田健次郎だ。

 アニメ/ドラマ化する以前の2018年、『極主夫道』の単行本第1巻発売記念として制作されたPVにて、すでに龍に声を当てていた津田。その後に作られた実写PVでは津田自らが龍として出演するなど、まさに必然とも言える今回のアニメ化における配役。とはいえ、これだけの話題作に出演する以前からアニメ声優だけにとどまらない活動を続けてきた津田。それを象徴するアクションの一つが、2020年3月より放送された連続テレビ小説『エール』(NHK総合ほか)への参加だ。同作品で津田は語り(=ナレーション)として抜擢され、さらにドラマ終盤には本編にも出演。昨今の声優ブームの影響を引用せずとも、自身の魅力とこれまでの経験の積み重ねがもたらした結果と言えよう。

『極主夫道』(著:おおのこうすけ)実写版PV

 そもそも映画を撮りたいと思った青年期を経て劇団に所属、舞台役者として活動する中で声優という職に巡り合った津田にとって、声優でも役者でも、または映像監督であっても常に「表現欲求」が彼を突き動かしていた。「もともと顔を出してお芝居をするのは好き」と述べたり、「お芝居もそれ以外の表現もクリエイトな部分も好きでやって来ているなかで、時間が有限であることが一つの原動力になっているかもしれません」(※1)と自身を見つめ直す姿からは、“声優だから”という固定観念に左右されない、津田健次郎としての信念が滲み出ている。

 『エール』での活躍と並行して、2020年は『THE GOD OF HIGH SCHOOL』(AT-Xほか)や『池袋ウエストゲートパーク』(TOKYO MX、 AT-Xほか)、『呪術廻戦』(毎日放送・TBS系)といった話題のアニメ作品にも出演。これらの実績も踏まえた上で、今年発表された『第十五回 声優アワード』では主演男優賞を受賞した。「2020年に活躍した声優」であることを目に見える形で証明した津田だが、その勢いは2021年を迎えてより増している。

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