mzsrz(ミズシラズ)、他ジャンルのクリエイター巻き込む求心力 檀上大空やケチャップら二次創作から広がる輪
エイベックス×テレビ東京の次世代オーディション番組『ヨルヤン』から誕生し、1月11日にシングル「夜明け」でデビューした5人組、mzsrz(ミズシラズ)をご存じだろうか。
最近では、Twitterにてちるどや檀上大空、夏羽華章らイラストレーターが「夜明け」をイメージしたイラストをアップする企画を展開。三者三様の「夜明け」を表現、楽曲の解釈や世界観を拡張するようなイラストが双方のファンの間で話題に。さらにTikTokでは、トランジションで人気を集めるクリエイター・ケチャップによる「夜明け」歌詞トランジションをはじめ、歌い手・PAREDやみさきによるカバー、鈴木鈴木らによる「#夜明け早口チャレンジ」など、様々なコラボレーション/カバーも登場し、徐々にミーム化の兆しを見せている。映像を見たユーザーからも“歌が上手すぎる”、“早口が凄すぎる”といった感想や“カバーから良い曲を知れた”という声が寄せられているように、先にあげた二次創作が新しい出会いの場となり、mzsrzに興味を示すリスナーも増えているようだ。
mzsrzは、大原きらり、作山由衣、実果、ゆゆん、よせいからなる10代のボーカリストによる5人組ユニット。生見愛瑠とカミナリがMCを務めるTV番組『ヨルヤン』の第一弾オーディションでソロデビューを目指して審査を潜り抜けてきたメンバーが、番組開始から1年弱の間にバンドの生演奏によるライブ審査などを含む形でそれぞれに合格を勝ち取り、合格後、サプライズでグループとしてデビューすることを告げられて結成された。
その時点では、各メンバーの関係性はほぼゼロ。まさにミズシラズの状態からのスタートだったと言っていい。とはいえ、それぞれがソロでも通用するボーカリストとして選ばれているからこそ、統一感のある歌声を目指すユニットとはまた違う、5人の歌声や表現力の違いを生かすような魅力が生まれている。グループのコンセプトも「多様性」の「性」を「声」に変えた「多様声」となっていて、それぞれに歌を磨いてきた5人のボーカリストがひとつになったからこそ生まれる表現の多彩さが最大の武器と言えそうだ。グループ名には、「見ず知らずだった私たちから、まだ見ず知らずのアナタへ」という意味が込められている。
今年1月11日にリリースされたデビュー曲「夜明け」は、オーディション選考にも参加し、その課題曲も提供した音楽プロデューサーのDECO*27と作編曲家/ギタリストのRockwellが担当。オーケストラアレンジを加えたロック調の楽曲に、各メンバーの声の魅力をシンプルに伝えるAメロ、「#夜明け早口チャレンジ」でも挑戦する人が続くBメロの超高速パート、そしてメンバー全員の声が重なるサビ、と様々な切り口で5人の魅力を伝える構成になっている。中でも、Aメロ/Bメロを通してひとりひとり順番に登場する歌声が、一気にひとつに重なって歌われるサビの高揚感は、この楽曲のクライマックスと言えるだろう。
また、歌詞は10代の等身大の孤独や感情を思わせるものになっていて、歌詞割も各メンバーのイメージなども踏まえて用意されている。そのうえで、タイトルの「夜明け」という言葉からもうかがえる通り、悩んだり試行錯誤したりしながら光を見つけるような、グループのこれからへの希望や期待を感じさせる内容にもなっていて、オーディションを通してメンバーを見てきた2人だからこその楽曲になっている。そのため、この楽曲を聴けば、各メンバーの魅力がより伝わってくるはずだ。