KAHOH×KENYA×BBY NABE「Summer Time」鼎談 同世代の3人が語り合う、コラボで広がる可能性

音楽の形が変わりつつある

ーー女心といえば、TikTokでバズっている「PINK SWEET」も、かなり可愛いテイストの曲ですよね。

BBY NABE:そうですね、ありがたいです。

ーーあのヒットはもともと狙っていたもの?

BBY NABE:はい。実はめちゃめちゃ意図していて。恥ずかしくてずっと言えなかったんですよ。もともと、可愛いけどトラップの雰囲気も持っているような曲が作れたらいいなと思っていて、ちょうどクラブでR.I.Kくんというプロデューサーと出会って、俺に合わせて可愛いビートを作って送ってくれたんです。スタジオに行ってレコーディングして、歌詞を書くときに「TikTokとかで流行ったらいいな」って思いながら、振り付けできるような歌詞を入れたり、バースの部分はストーリー性があって女の子が好きかもっていう歌詞を入れていきました。

ーーバズの兆候はすぐにありました?

BBY NABE:それなりに聴いてくれている感じはあったんですが、女の子がTikTokで踊ってくれたり、とかのリアクションはなくて。どうしたら「TikTokで踊ってくれるんだろう」と割と諦めかけていた時に、$HORIくんと出会ったんです。

ーーめちゃめちゃ人気のダンサーさんですよね。TikTokでの人気も絶大で。

BBY NABE:$HORIくんと話しているうちに「『PINK SWEET』の振り付を思いついたから踊ってみる」と言ってくれて。$HORIくんって、TikTokでめちゃくちゃバズるダンスを考えてくれるんで、「これは絶対来るぞ」って思ったんです。案の定、バズる振り付けが来た。そこからはどんどんバズが伸びていって。

ーー明日花キララさんも「PINK SWEET」で踊っていてびっくりしました。

KAHOH:やっぱり、可愛いよね。〈初めてチューした日(チュッチュッチュ)〉ってところ、女の子なら好きだよ! 振りも可愛いし。

BBY NABE:もともと「PINK SWEET」はSoundCloudにしか上げていなかったんですけど、再生回数が伸び始めて、そこからSpotifyやApple Musicにも配信したんです。その後にリリックビデオを作って、と段階を踏んでいきました。リリックビデオを出したのは去年の3月で、12月ごろから急に伸びていきましたね。

KENYA:僕も、TikTokを意識してBPMやリリックの内容を考えることもあります。NABEくんの「PINK SWEET」はこの時代だからこそ、こういうことが起きる可能性があるんだなって思いました。コレって、インディペンデントのアーティストにとっては希望がある話ですよね。音楽の形が変わりつつあるんだなって実感したし。

BBY NABE:こういうTikTokヒットは別にわざわざ狙う必要はないと思いますし、海外で起こるTikTok発のヒットも、「たまたまそうなったっていうだけ」というものが多い。何が起こるか分からないからこそ、面白いっていうのはありますよね。僕が今後、また同じようなヒットを狙って曲を作るということはないと思います。今、割と実験的にいろんなことをやっていて。というのも、今、自分のスタイルを決めつけるのも早いかなと思っているところなんです。EDMやバラード、いろいろやれたらいいかなと思っているので。

KEYNA:NABEくんの凄いところは、ヒップホップへの理解もちゃんとあるし、その上でポップ的なアプローチもできるところだよね。

ーーKAHOHさんとKENYAさんは、「R&B」というスタイルを標榜して活動を続けていらっしゃいます。日本でもヒップホップの勢いが増していく中で、お二人は精力的にコラボなども行っていこうという姿勢が見える。自分がどんなシンガーでありたいか、ビジョンのようなものはありますか?

KENYA:個人的には、もっと尖ったR&Bシンガーがいてもいいなと思っていて。例えば、もっとカナダ出身のPARTYNEXTDOORみたいなアーティストが出てきても面白いと思うんです。だから、自分はそういうスタイルをやりたいなと思っています。逆に、日本のJ-POP / R&Bから感化された部分も大きいので、ソロで作品を出すときはちゃんとそういった部分を全面的に出していきたい。以前、ラッパーのPETZさんと「Never Stop」という曲でコラボしたのですが、そこではカナダのR&Bやアトランタのラップが混ざったようなスタイルを提示しているんです。今、東京もかっこいいし、ネオトーキョー的な感じのスタイルを、ヒップホップの人とのコラボしながらR&Bシンガーとして見せて行けたらなって思います。

KAHOH:私はソロでは、宇多田ヒカルさん、安室奈美恵さん、MISIAさんみたいな、女性が一人で強く歌っているスタイルにあこがれます。同世代で自分がそう思われる存在になりたいです。今はまだ達成度は3%くらいなので、今年は自分の作品もいっぱい出して、コラボも沢山して、頑張りたいです。

■リリース情報
「Summer Time feat. KENYA」
2020.8.21〜配信中
配信はこちら

「Rendezvous」
2020.12.14〜 配信中
配信はこちら

KAHOH オフィシャルサイト https://kahoh-official.com/
KENYA Twitter https://twitter.com/kenyafujitarnb
BBY NABE Twitter https://twitter.com/bbynabe

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