『GRADATI∞N』インタビュー

Little Glee Monster、初ベスト盤から選んだ思い出の3曲は? メンバーが『GRADATI∞N』と共に振り返るグループの軌跡

難しくは聴こえないけど、実は歌うのが難しい曲(かれん)

ーーかれんさんは、「会いにゆく」「SPIN」「Jupiter」を選んでくれました。まずは「会いにゆく」について。

かれん:レコーディングするときって、ハモリのパートを大体その場で覚えることが多いんですけど、(「会いにゆく」の作者)丸谷マナブさんが作るメロディラインってすごく独特で難しくて、自分が思い描いていたものと全然違うハモリのラインが多いんです。この曲は当時、ハモリのラインが全然覚えられなくて、それがすごく悔しくてレコーディングで唯一悔し涙を流したんですよ。その曲を、2019年のツアー(『Little Glee Monster 5th Celebration Tour 2019 ~MONSTER GROOVE PARTY~』)のソロコーナーでピアノ弾き語りをしたら、すごく評判が良くて。そういう、いろんな思い出が込められた楽曲なので選びました。特に今回は5人でボーカルをリテイクできたことがすごくうれしかったです。

ーーオリジナルバージョンは2017年1月リリースの2ndアルバム『Joyful Monster』収録曲。もう4年も前の曲なんですよね。

かれん:ライブではあまり頻繁に歌ってきた曲ではないし、自分のソロは別ものとして考えていたので、すごく久しぶりに歌えて懐かしい感じがしました。

芹奈:私もライブでかれんが歌っているのを聴いて、改めて「ああ、やっぱりいい曲だな」って思ったんですよね。「いつか『会いにゆく』を再レコーディングできたらな」と思っていたら、今回その機会を得て。で、実際に歌ってみたら「あれ? 歌うの、こんなに難しかったんだ……聴き手でいるのが一番やな」と思ったぐらい(笑)。結構ハードな曲だよね。

かれん:当時はみんな声変わり前で、それにあわせたキーだから高いんですよ。いい曲で難しくは聴こえないけど、実は歌うのが難しい曲っていう。

ーーそうだったんですね。2曲目は「SPIN」。これは最新オリジナルアルバム『BRIGHT NEW WORLD』からです。

かれん:リトグリって今まで、MVではあまりダンスをしていなかったですけど、この曲のMVでは初めてひとりで踊らせてもらったのが思い出深くて。今回のMV集には5人でのパフォーマンスバージョンが入っているので、私のソロダンスバージョンとはまた違う楽しみ方をしてもらえると思います。

ーー3曲目は「Jupiter」です。

かれん:これはテレビドラマ『陸王』(TBS系/2017年10〜12月放送)の挿入歌で、リトグリのことをたくさんの方に知ってもらうきっかけを作った曲。レコーディングのときにどういうテンポで歌おうか、たくさん試行錯誤したことも思い出深いし、その年の『紅白』でトップバッターとしてこの曲を歌ったことも記憶に強く残っていて。最初の入りで私がメインラインを歌うので、「絶対に外せない……」と全出場アーティストさんの前で緊張したのをよく覚えています。

ーーあの場で歌い出すのって、なかなかですよね。

かれん:音を外さないように、みんなでずっと音取りをしながらオープニングを迎えたので、それも今ではいい思い出ですね。

英詞だと「普段あまり出さない声の出し方をしたのかな」(MAYU)

ーー続いてMAYUさんいってみましょう。MAYUさんが選んだのは新曲「Waves」「move on」「青い風に吹かれて」です。

MAYU:「Waves」はいくつかあったデモの中で、個人的に一番好きだったんです。だから、この曲を収録することが決まったときはうれしかったですし、こういうちょっとダークな感じが好みなので、それを自分たちの曲の中で表現できたのも個人的にうれしかったです。

ーーそうだったんですね。でも、英詞では苦戦したと(笑)。

MAYU:英詞は半べそをかきながら歌いました(苦笑)。でも、歌えたあとの達成感や気持ち良さは、個人的に日本語歌詞以上かなと。

ーー英詞で歌うときって、気持ちの込め方や強弱のつけ方はどう意識していますか?

MAYU:特に意識的なわけではないけど、歌い方は変わるかなとは思います。日本語で歌うときと比べて、英語のほうがちょっと硬くなるような。

かれん:確かに、「Waves」の入りの部分はMAYU、硬い声で歌ってるよね。

MAYU:そうだね。普段がファルセットとか柔らかい歌声が多いので、普段あまり出さない声の出し方をしたのかな。たぶん母音の発声とか、そのあたりも言語によって異なってくるのかもしれませんね。そこも含めて、聴いていただいた皆さんに楽しんでもらえたらなと思います。

ーー「move on」はいかがですか?

MAYU:「move on」はレコーディングが決まる前、ラテン調の好きな曲があったんです。それで「こういう曲、リトグリでも歌いたいな」と思っていたら「move on」が届いたので、これも個人的にうれしかったですね。あと、私たちの中で「move on」と「SPIN」ってセットにすることが多くて。曲調は異なるけど、雰囲気や新しいジャンルという点では一緒に括ることが多いし、ライブのセットリストでも2曲続けるみたいなイメージもあるんですよ。今回「2曲どっちも入れるのは違うかな?」と思って悩みましたが、「move on」が勝ちました(笑)。

ーー確かに『BRIGHT NEW WORLD』の中でこの2曲って、新境地でしたものね。あそこでの実験が、今回の「Waves」につながったわけですし。このベストアルバムでも、DISC 2での「I Feel The Light featuring Earth, Wind & Fire」から「move on」までの流れは非常に洋楽チックで、聴いていて気持ち良いですよね。そして、MAYUさんが選んだもう1曲が「青い風に吹かれて」です。

MAYU:これも実は好きな曲で。Bメロの下ハモを私が歌っているんですけど、そこのメロディラインが本当に大好きで、歌っていて気持ちいいんです。でも、私は1番しか歌ってなくて。いつも2番を歌っている人が羨ましいと思っているくらい好きなんです(笑)。

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