城田優、J-POPカバーアルバム『Mariage』から溢れ出す“自分の世界” その瞬間の感情が乗る歌声の深み

城田優『Mariage』から溢れ出す“自分の世界”

 「ヒロイン」(back number)はオルガンが左右に揺れるオルタナティブR&Bマナーのサウンドで片想いしている“君”を思わせる女性コーラスが入っている一方、まだベットの中に一緒にいるはずの「I LOVE YOU」(尾崎豊)には男性コーラスのみで、やがてくる悲恋や孤独を想起させる。ドラムがブラシで4ビートを刻むジャズアレンジの「少年時代」(井上陽水)、ピアノとスナップのみのサウンドに静謐なエレクトロニカのようなSEが入る「even if」(平井 堅)、外出自粛期間中にSNSを通して交流が生まれたGLAY本人がリアレンジした「カーテンコール」(GLAY)、自身による多重コーラスを収録した「Butterfly」(木村カエラ)……。誰もが知っている楽曲ばかりだからこそ、彼がその曲に対してどんな解釈をし、シンガーとしてどう表現したいかがリアルに伝わってくるはずだし、どの曲も2020年、まもなく35歳になる今の彼にしか歌えない曲になっている。

 前作では、聴き手に元気や勇気を与え、夢を追う大切さを教えてくれたが、本作では彼の人柄そのものや内面が垣間見せる。明るくて自由奔放で、誰とでも仲良くなれる人懐っこさをもち、心から歌うことを楽しんでいる姿勢だけではなく、以前よりも柔和さが増し、セクシーさではなく、大人の艶のようなものも獲得している。アルバムの最後には、耳元で永遠の愛を誓ってくれるようなオリジナルのラブバラード「Mariage~君に贈る歌~」が収録されているが、いい意味でより“自分の世界”を漏らし始めているようだ。ミュージカルカバー、J-POPカバーを経て、今度は、城田優の内面をよりさらけ出し、その時の自分を刻み込んだオリジナルアルバムを聴きたいという気になっている。

■永堀アツオ
フリーライター。音楽雑誌「音楽と人」「MyGirl」、ファッション雑誌「SPRiNG」「Steady」「FINEBOYS」などでレギュラー執筆中。「リスアニ!」「mini」「DIGA」「music UP’s」「7ぴあ」「エンタメステーション 」「CINRA」「barks」「EMTG」「mu-mo」「SPICE」「DeVIEW」などでも執筆。

■リリース情報
12月2日(水)発売
Cover Album 『Mariage』
・初回生産限定盤 
SRCL-11493~4  ¥4,200+税
※CD+DVD、三方背ケース・写真集付
・通常盤
SRCL-11495 ¥2,880+税
※CD only 
<収録曲(曲順未定)>
even if(平井堅)
First Love(宇多田ヒカル)
Butterfly (木村カエラ)
カーテンコール (GLAY)
I LOVE YOU (尾崎豊)
指輪(Navy & Ivory)
少年時代(井上陽水)
ヒロイン(backnumber)
Pretender(Official髭男dism)
エピローグ(コブクロ)
Mariage~君に贈る歌~
(全11曲)
城田優ソニーニュージックホームページ(商品概要はこちらから)

■その他最新情報
ミュージカル『NINE』
〜12月13日(日)まで
梅田芸術劇場メインホール

映画『新解釈・三國志』
12月11日(金)公開

BS-TBS『Sound Inn "S"』
『NiNE』

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