『PassCode STARRY TOUR 2020 FINAL at KT Zepp Yokohama』インタビュー
PassCode 南菜生が語る、コロナ禍で見つめ直した“ステージに立つ意味” 「また何度でも始められることを伝えたい」
「日常が戻ったときにライブで完成していく曲」
ーー12月23日には待望のニューアルバム発売も決定しましたが、これに先駆けて10月28日には新曲「Anything New」もデジタルリリースされました。「ATLAS」「STARRY SKY」とすごくいい流れを汲んでいて、今の時期だからこそ心強く励まされる1曲ですよね。
南:ありがとうございます。「Anything New」って今までいろんなことに挑戦してきたからこそ出せる曲だし、このタイミングだから出せる曲でもあるんだけど、きっとPassCodeに激しさを求めている人たちからすると「思っているのと違うな」とか「PassCodeらしくないな」と感じるのかなっていうふうにも思ったんです。
でも、私は間違いなく“PassCodeらしい”曲だと思っていて、表面だけを見ていると気づけないようなPassCodeっぽさに満ちているし、今はどんな曲をやってもPassCodeっぽくなると思っているんです。きっとこの曲は今受け取ってもらうよりも、以前までの日常が戻ってきたときにライブで完成していく曲なんでしょうね。今はライブではクラップしかできないけど、それがいつか大合唱になって……と想像するとすごく素敵だなと。その日がすごく楽しみになる1曲です。
ーーこのタイミングに、ここまでシンガロングが不可欠な要素の楽曲を発表することもチャレンジだと思いますし、PassCodeのライブを一度でも体験したことがある人なら「早く一緒に歌いたい!」と思える曲でしょうし。「PassCode #PrayInTheSky」特設サイトでは「みんなの声を力に!新曲『Anything New』をスマホでシンガロングしよう!」企画で、ファンからシンガロング・コーラスを募集していましたが、みんなでひとつの曲を成長させていこうという面白い試みですよね。
南:いつもならライブで初めて披露したときにみんなの歌声が返ってくるけど、それがしばらく聞けない状況だからこそ、アルバムに同じ曲を収録する際にみんなの声が入ったら、この曲の完成形が見えてくるんじゃないかなと思うんです。
ーーすでにライブでは「ATLAS」や「STARRY SKY」という曲が良いフックになっていますし、この「Anything New」も次のライブでは新たなキラーチューンとしてどんどん成長していくことになるんでしょうね。
南:そうですね。「It's you」も最初はアルバムの中のひとつの曲として扱われていたけど、セットリストに毎回入ってきて、ライブで一番感情的な曲に成長するなんて誰も予想していなかったと思うんですよ。きっと「Anything New」もそういう大切な曲になっていくんじゃないかなと、なんとなくですが感じています。
ーーちょうどシングル『ATLAS』リリース時にお話を伺ったとき、「今のPassCodeに必要なのは『ATLAS』みたいな曲」とおっしゃっていましたが、「STARRY SKY」や「Anything New」の流れはそこを踏まえた、今のPassCodeだからこそ表現できる要素が濃厚な楽曲ばかりだと思うんです。
南:曲を作っているのはサウンドプロデューサーの平地孝次さんなんですけど、意外と作る側と実際に歌う側に認識の差が少ないというか。メンバーが「こういう曲があると、ライブの幅が広がるのにな」と思っていると、次のアルバムやシングルにそういう曲がだんだん増えていって、PassCodeの曲の層が厚くなっていくんです。きっとみんな、PassCodeとしてのビジョンで描くのはライブをしている光景だと思うんですよ。やっぱりPassCodeはライブを大切にしているグループなので、どうやったらライブがもっと楽しくなるのか、みんなで盛り上がれるのか、そういうことを考えたときに出てくる曲というのがきっとあって。その「今PassCodeが必要としているもの」という認識にブレがないんだなと、こないだ平地さんと話していて思いました。
ーーそういうお話を聞くと、12月のアルバムが本当に楽しみで仕方ありません。
南:そうですよね(笑)。現時点(※取材は11月初頭)ではまだすべて録り終えていなんですけど、また『CLARITY』とも『ZENITH』とも違った、今までのアルバムやシングルがあったからこそできるような曲がたくさん入っているんじゃないかな。さっき話した“PassCodeらしさ”というのが、今まではたぶん『ZENITH』のイメージだったと思うんですけど、そこから『CLARITY』を経て、シングルでいろんな曲に挑戦してきたからこそ表現できる“PassCodeらしさ”の幅はすごく広がっていて。『CLARITY』を出したときよりも、もっと安心していろんな曲をできるし、全部“PassCodeらしい”と感じられると思います。
ーーアルバムができたとなると、その次のライブですよね。お話を聞く限りでは、ニューアルバムを経てライブで表現できることもさらに変化するのかなと思います。
南:毎年そうなんですけど、「来年どうしていくか?」という話は、その前の年とか、早いときだとさらにその前の年から話し合って決めたりしているけど、今年は思っていたようにはならなくて。新木場で宣言した“約束”(参考:PassCode、“武道館宣言”に込められた新たな旅への決意 攻めの姿勢貫く「STARRY SKY」を聴いて)もどうなっていくかはわからないんですけど、きっと目の前にあることをがむしゃらにやっていった先にもっといろんなものが見えてきて、将来「2020年があってよかったよね」と思えたらいいなとは思います。来年のスケジュールも少しずつ決まってきているし、これからまだどうなっていくかわからないですけど、今年があってよかったと思えるような活動ができるように頑張っていこうと思います。
ーーまずは年末に素晴らしいアルバムを届けていただいて、そのまま明るく2021年を始められるように。
南:きっと2020年中にはアルバムの新曲を披露する機会はないと思うので、2021年にその曲たちをみんなにライブで観てもらって「おお、PassCode良くなってるじゃん! 去年の新木場のときよりも成長したな」と思ってもらえたら最高ですね。
■映像作品情報
PassCode Live DVD&Blu-ray
『PassCode STARRY TOUR 2020 FINAL at KT Zepp Yokohama』
2020年11月18日(水)
・Blu-ray+LiveCD:¥6,000(税抜)
・DVD+LiveCD¥5,000(税抜)
<映像収録内容 :>
『PassCode STARRY TOUR 2020 FINAL at KT Zepp Yokohama 2020.08.29』
STARRY SKY / Maze of mind / DIVE INTO THE LIGHT / Insanity / bite the bullet / Taking you out / Seize Approaching BRAND NEW ERA / GOLDEN FIRE / ATLAS / Tramonto / オレンジ / Future’s near by / Tonight / MISS UNLIMITED / Ray / It’s you / STARRY SKY
※『PassCode STARRY TOUR 2020 FINAL at KT Zepp Yokohama』Live CD付属
※PassCodeメンバーによるオーディオコメンタリー収録
■先行配信情報
PassCode「Anything New」
TBS系『スーパーサッカー』10月・11月エンディングテーマ (毎週日曜日深夜0:50放送中)10月28日(水)先行配信開始
■アルバム情報
PassCode メジャー3rdアルバム『タイトル未定』
12月23日(水)発売
初回限定盤(CD+DVD)¥4,000(税抜)
通常盤(CD Only)¥3,000(税抜)
全12曲収録予定。収録内容詳細は後日オフィシャルサイトで発表。