BALLISTIK BOYZ メンバー分析【入門編】Vol.4:松井利樹

BALLISTIK BOYZ 松井利樹、厚いフロウと個性活かしたダンス 多方面に秀でながら“愛されキャラ”として親しまれる一面も

 また、ラッパーとしては、太く厚みのある低音や攻撃的なフロウが特徴的で、ハイトーンボイスのメンバーが多いBALLISTIK BOYZにおいては異彩を放つ存在。先日開催された配信ライブ『LIVE×ONLINE INFINITY “HALLOWEEN”』でも奥田力也・海沼流星とともに未発表曲「HIGHWAY」を歌唱していたが、瞬時に自分の世界観を作り上げ、視聴者を惹き込む様が圧巻だった。実際、あの瞬間に松井のファンになった人も多いのではないだろうか。「Most Wanted」(1stシングル『44RAIDERS』カップリング)のリリースインタビューによると「僕のラップも結成当初とまったく違うと思います。このスタイルにたどり着くまでにすごく悩んだのですが、ようやく安定したベースが完成したなと実感できたのが今作のタイミングでした」(引用:SPICE)とのことなので、最近興味を持った人は、1stアルバム『BALLISTIK BOYZ』と、それ以降の楽曲を聴き比べてみるのも面白いかもしれない。

Most Wanted

 松井のグループ内での立ち位置は、メンバー1の愛されキャラ。最年長の日髙が「グループの癒しです」(引用:TVfan Web)、最年少の砂田が「おっとりしていて本当に優しい性格でワンちゃんみたい」(引用:ナタリー)と語るように、人懐っこくピュアな性格でみんなから可愛がられており、どちらかと言えば積極的に発言するタイプではないが、自分の中に自分なりのこだわりを持っているのが、あらゆる場面で垣間見える。さらに、キーボード・ベース・ギターが弾けたり(参照:マイナビ)、作曲ができたり中国語が話せたりと、実に多才(参照:VOGUE GIRL)。能ある鷹は爪を隠すと言うが、まさにギャップの塊である。

 改めて松井が辿っていた道のりを振り返ると、ダンス一筋ながらも、その過程で多くの挫折を経験してきたことがわかった。幼少期からダンスを特技としてきた彼にとって、ダンスでの挫折はかなり苦しいものだっただろう。でも、その苦しみを知っている彼にしか伝えられない想いがあり、苦しみを乗り越えた先に「頑張るってかっこいいよね。頑張った方が絶対輝けるし、頑張った分だけ輝きも増すと思う」(引用:VOGUE GIRL)と胸を張って言える今がある。その気持ちを忘れずに走り続ける松井利樹が、これからのBALLISTIK BOYZにどんな刺激を与えてくれるのか? 引き続き、その動向を見守りたい。

■斉藤碧
エンタメ系ライター。
ダンス&ヴォーカルグループ、アイドル、ロック、ヴィジュアル系、俳優などジャンルレスで執筆中。V系雑誌「Stuppy」では編集も担当。
Twitter:@stmdr38

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