FANTASTICSに託された本格的なディスコミュージック ドラマでも話題の「High Fever」一糸乱れぬダンスにも注目

 何より驚かされるのは八木・中島颯太のツインボーカルによる堂に入ったボーカリングだ。八木の艶やかで時にエモーショナルな歌声はこの曲の哀愁漂うディスコサウンドとマッチしており、楽曲全体の世界観の演出に大いに貢献している。そして八木の後を追う中島の澄んだ歌声は、当時の音像を再現した深いリバーブ(残響)によって“甘さ”が強調されており、かえってもともと備わっているシャープさと透明感が引き立つ形になっている。このコンセプチュアルな楽曲の中での“新たな一面”と、2人の対照性が互いを引き立て合うという“元来の魅力”を両立した実に聴き応え満載のボーカルラインだ。

FANTASTICS from EXILE TRIBE「High Fever」

 もちろん、歌と音だけでこの曲は語り切れない。もともとパフォーマー集団として始まったFANTASTICSの真骨頂は、ダンスも含めた総合パフォーマンスで発揮される。先日の配信ライブ『LIVE×ONLINE IMAGINATION』にて「High Fever」が初披露された際には、パフォーマーの高速かつ一糸乱れぬ圧巻のダンスでビートの高揚感を増幅させることにより“FANTASTICSらしいディスコビート”を作り上げていた。なお、『マネキン・ナイト・フィーバー』のエンディングでは深夜の渋谷センター街で「High Fever」を踊るメンバーが見られるので、こちらも是非チェックしてみてほしい。また、同ドラマ内ではカップリング曲である「CANNONBALL」も挿入歌として使用されているが、こちらは一転してクラブミュージックを意識したようなラテン調のアッパーチューンとなっている。

 各々が高い実力と人気を誇るJr.EXILE世代のグループの中で、FANTASTICSがよりテクノサウンドに特化したパフォーマンスという武器を獲得した意義は大きい。今後どのような進化を遂げていくのか、引き続き動向を見守っていきたいと思う。

■日高 愛
1989年生まれの会社員。『HIGH&LOW』をきっかけに大ファンとなったTHE RAMPAGEを中心に、LDH所属アーティストについて研究中。
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