「Midnight Call feat. kojikoji」インタビュー

ぜったくんに聞く、“これからのコミュニケーション”に思うこと kojikojiとの「Midnight Call」、人生を楽しむ秘訣も語る

何か没頭できるものがあれば、きっと人生楽しめる

ぜったくん「Midnight Call feat. kojikoji」

ーーでは、新曲「Midnight Call」は、どのようにして生まれたのでしょうか。

ぜったくん:まずは、トラックを深夜に急に思い立ってバーっと作ったんです。そこにどんな歌詞を乗せようかと思った時に、深夜といえばいつも友達にミッドナイトコールしているしそれを歌ってみようと。最初はそんなふうに軽い気持ちだったんですよね。で、サビのメロディと歌詞をInstagramにアップしてみたところ、聴いてくれた人から「めっちゃいい!」という反応をたくさんもらって。だったらフル尺を作ろうと思って完成させたという流れです。

ーーそうやって、未完成の楽曲をInstagramにアップすることはよくあるのですか?

ぜったくん:それこそ、緊急事態宣言でみんながステイホームしている期間は、ワンコーラスだけたくさん作ってアップしていました。自分では「そこそこ」と思っていた曲が、聞いてくれた人からはすごく評判良かったりして。そういうのが面白いなとも思いますし。「Midnight Call」もその中の一つで、自分も気に入っていたしみんなの反応も良かったのが、すごく嬉しかったんですよね。

ーーInstagramといえば、最近はインスタライブも積極的にやっていますよね?

ぜったくん:毎週月曜日の午後9時から配信しているんですけど、そこでは軽い弾き語りを披露したり、コメント欄に書き込んでくれた人に答えたりしています。みんなが思っていることが、自分が想像していたのと違っていたりするのがかなり面白くて。例えば曲の感想とかでも「え、そんなふうに受け取ったんだ!」と思うことがありましたね。ただ、それを言えないところが「お道化」なんですよね(笑)。

ーーでも、ファンと直接やり取りすることってあまりないでしょうから新鮮なのでは?

ぜったくん:そうなんですよ。ライブ自体もやってきていないので、そういう交流は楽しいですね。単純にチヤホヤされるのが嬉しい。

ーー(笑)。新曲の話に戻すと、今回kojikojiさんの参加はどのように決まったのですか?

ぜったくん:僕がkojikojiの「ほろよい」という曲を、トラックも含めてワンコーラスカバーしたところ、本人が「すごく好き」と言ってくれて。「私のインスタにも上げたいんですけど、動画もらえますか?」って連絡があったんです。そこからインスタなどでちょいちょい連絡を取っていたんですよね。で、「Midnight Call」をフル尺で作ろうと決まった時は、「フィーチャリングボーカルはkojikojiしかいない」と。連絡したら「是非やりたい」と言ってくれたので、そこから歌詞を本格的に考えました。特に、Cメロの部分、電話で会話しているところとか、その後のセクションは完全にkojikojiが歌っているところを想像しながら書きましたね。

ーーこの曲は、恋愛が始まる前の段階の、お互いの気持ちを探り合うドキドキ感みたいなものが描かれていて。聴いていてキュンキュンしますよね。

ぜったくん:もう、恋愛の一番楽しい時期ですよね(笑)。実体験も結構入っています。ちなみに電話の会話は、最初に録ったやつはkojikojiから「私史上、一番恥ずかしいんですけど……」って言われてファーストテイクはボツになっているんですよ。OKテイクはその中でも「これならまだ恥ずかしくないかも」というやつが入っています(笑)。ファーストテイクも可愛くて良かったんですけどね。

ーーそれもいつか聴いてみたいですね(笑)。

ぜったくん:OKテイクも、男側のちょっと蔑ろにされている感じとか、「あるある」ですよね(笑)。「今日、何してたの?」と聞いたら「ご飯食べてた」って言われるのとかヤバいですよね。

ーー確かに(笑)。実際、コロナ以降の恋愛ってどうなっていくんでしょうね。

ぜったくん:それこそリアルに出会う人たちももちろんいるでしょうけど、オンラインで、声だけで交流を深める人たちって今めちゃめちゃ多いらしくて。いろんなアプリがあるじゃないですか。それでランダムにマッチングしたりもするし。電話もそうですが、チャットするコミュニケーション能力も必要になってくるような気がしますね。そこに自分が食い込もうという気持ちは全くないんですけど(笑)。

ーーMVのアニメーションも可愛らしくてとても印象的です。これまでの楽曲でも、ぜったくんの部屋をイメージするようなアニメーションが使われていて、統一感もありますよね。

ぜったくん:「Catch Me The Flag」という曲を出した時にトキチアキというイラストレーター/アニメーターに声をかけたんです。それが最高だったので、これからもお願いしようと。今は「盟友」みたいな感じですね。トキチアキともよくミッドナイトコールしています(笑)。お互いの悩みを聞き合ったり、夜中にワンワン泣いちゃったりしていますね(笑)。

ーーコロナ前のインタビューを読ませてもらって、「人生、楽しみを見つければ、幸せに終われるっしょ」と話していたのが印象的でした。コロナ禍で楽しみを見つけるためにはどうしたらいいと思いますか?

ぜったくん:めちゃくちゃ難しい質問ですね……(笑)。僕の場合は、いろんなことを試してみた結果、一番楽しかったのが曲を作ることだったんですよ。あと、もちろんゲームも楽しいことの一つですが、そこは人それぞれですよね。もし今、楽しいと思えることがない人は、とにかく色んなことをやってみるのがいいんじゃないかなと思います。何か没頭できるものがあれば、きっと人生楽しめるんじゃないかな。

ーー確かに、過去も未来も忘れて「今」に没頭することって大切ですよね。ゲームをやったり、トラックを作ったりしていると、気づいたら数時間経っているなんてこともありそうです。

ぜったくん:そうなんですよ。特に最初の頃は、やればやるだけ上手くなっていくので。そこにハマることができれば延々とやり続けることが出来るんじゃないかと。そう思うと、達成感みたいなものも大事な気がします。音楽だったら曲が1曲完成したとか、自分が納得いくメロディが生まれたとか。別に曲作りだけじゃなくて、1日の中で何か一つでも達成することがあれば、ずっと幸せな気がします。

ーーちなみに、曲作りのプロセスの中で、ぜったくんが最も楽しい瞬間はどこですか?

ぜったくん:いいメロディが頭の中に浮かんで、それをトラックと合わせた時に「最高じゃん!」となり、とりあえず一晩寝かして次の日の朝に聴いても「やっぱりいい曲だな」と思えた時が最も楽しい瞬間ですね(笑)。一晩寝かしてみると「やっぱり微妙だな……」と思うことが多々あるんですよ。なので、いつも寝る前は「明日聴いてもいい曲だと嬉しいなあ」と思っています。

ーー手紙とか、翌日読み返して「最悪だ」と思うことありますよね(笑)。

ぜったくん:そうそう。チャットやLINEはもっとひどいですよ。翌日読み返してみると「ずっと何言ってるんだこいつ……?」ってなりますから(笑)。一晩寝かして、客観的な視点を持つことはとても大切です。

ーーコロナが収束したらやってみたいこと、行ってみたい場所などありますか?

ぜったくん:最初にお話ししたように、基本的に僕はステイホームなのですが、旅行するのは好きなんですよ。今、海外に行けないのが残念で。コロナが落ち着いたらまず外国へ行きたいです。アメリカに行きたいですね。ロサンゼルスは行ったことがあるのですが、ニューヨークはまだなので次は東海岸に行ってみたいのと、あとは東南アジアも行きたいです。

ーーコロナの前は、海外によく行かれてたのですか?

ぜったくん:行っていましたね。僕が好きなのは「家」か「海外」。

ーーあははは。両極端。

ぜったくん:海外って、行ってみないと分からないことが多いじゃないですか。例えば「匂い」とかは、パソコンでは伝わってこない。以前、台湾に行った時に八角の匂いがして。それって写真じゃ絶対に伝わらないですよね。それから「音」。実際にその場所を歩いてみないと、どんな音が鳴っているのかも分からないから、そういうことを体験したいんです。Googleマップでストリートビューを見るのも好きなんですけどね。なので、パソコンから「匂い」も伝わってきたら、もはや海外も行かなくていいのかも。

ーー(笑)。今までに行った海外で印象に残っているのは?

ぜったくん:タイが良かったですね。原チャリの後ろに2ケツする「バイクタクシー」に乗ったんですけど、一撃でボラれたんですけど(笑)、車の隙間を縫うように走るから、膝が車に当たって擦れちゃって。ズボンが擦り剥けたって訴えたんだけど通じなかったのが印象に残ってます。「これが日常なのか……?」って。

ーー日本では感じられない「異国感」が味わいたいのですかね。そういえば温泉も好きなんですよね?

ぜったくん:「温泉街」が好きなんです(笑)。あの世界観というか、天国のような浮世から離れた感じに惹かれるんですよ。それも異国感ですよね。温泉に入らなくてもいいくらい。今まで行ったのは、伊香保温泉とか箱根とかがよかったですね。伊香保の何がいいかって、寂れているところ。箱根はロマンスカーですぐ行けるのがいいですよね。また行きたいです。

ーー今後もぜったくんは、日常の何気ない風景を歌っていきたい気持ちはありますか?

ぜったくん:それが一番得意でもあるし、自分が体験していることを歌えば、大多数の人に何かしら気づきがあったり響いたりする力があるのかなと。そういう「共感性」をこれからも歌っていきたいです。

■リリース情報
メジャー1st Digital Single「Midnight Call feat. kojikoji」
10月16日(金)デジタルリリース
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