『Room404』インタビュー

XY GENE×Gokou Kuyt対談 Z世代の二人が語り合う、共通する感性と異なる視点

二人を繋ぐ“K-POP/K-HIPHOP”のキーワード

ーー二人が最近ハマってるアーティストを教えてください。

XY GENE:最近はカマール・ウィリアムス(Kamaal Williams)とかジェイコブ・コリアー(Jacob Collier)とか。2人共UKのアーティストで、ジャズ寄りのR&B/ソウルにハマっちゃって。逆に808がブーンと効いてる曲が最近作れなくなってきてます。

ーー作るものも変わってきたと。

XY GENE:最近、知り合いが増えてきて、ギターを弾いてもらえる環境になってきたんです。僕は弾けないのでコードを持っていって弾いてもらったりとか。そういうことをしていて、ちょっとチルい感じの曲が溜まってきてます。逆にGokouくんが何を聞いてるか、めっちゃ気になる。

Gokou Kuyt:携帯を見てもいいですか? さっき聞いてたのは、でんぱ組.incでした。あとはOG-ANICっていうタイのラッパー。あとはチーフ・キーフとか。

XY GENE:え? そっからチーフ・キーフ?(笑)。

Gokou Kuyt:あとは銀杏BOYZとか。結構バラバラですね。

ーーGENEさんはマイケル・ジャクソンが好きと公言していますが、Gokouさんはどの辺がルーツなんですか?

Gokou Kuyt:K-POPのラップ担当の人を見て、ラップというものを知ったんです。日本人のラッパーは誰も知らずに、K-POPが好きになって。で、BIG BANGのT.O.P が好きになってラップを知って「へー、かっこいいな」みたいな。でも歌ってる内容がスター過ぎて、音楽性は好きだけど歌詞は何もわかりあえないなって。だから自分でラップをやろうとは一切考えてなくて、ただ聞いてるばかりだったんです。

ーーラップを始めたきっかけは?

Gokou Kuyt:俺が高校1年生のとき、GOKU GREEN(現GOODMOODGOKU)が高3でアルバムを出したんです。それまで俺は高校生でラップやってる人は『高校生RAP選手権』に出てる人以外知らなかったんです。RAP選手権に出てる人はすごいなと思っていたけど、これをやりたいとは思ってなくて。でもGOKU GREENのアルバムを聞いたときにすげえと思って。俺も高3になったときにアルバムを出すくらいになれていたらいいなと思って、高1のときにラップを始めました。それとは別に、神聖かまってちゃんとか相対性理論がもともと好きで、そういう人たちみたいな心の叫びというか、かっこつけてない格好良さみたいなのがカッコイイなとずっと思っていて。だから、ラップも、わりと身の丈に合ったものにしようと思ってました。

ーーGokouさんがヒップホップで影響を受けた人は誰ですか?

Gokou Kuyt:最初に日本人でかっこいいなと思ったのはSALUです。SALU が出てきたときに「これ、超かっこいい」と思って。最初に聞いたのは「THE GIRL ON A BOARD feat.鋼田テフロン」かな。それまでラッパーといえばAK-69みたいな感じをイメージしてたんです。そこでSALUを観て、普通の見た目の少年が思ったことをズバズバ言ってる、かっこいいなって。

ーー今回の「ALL AROUND ME」はコリアンヒップホップをイメージしたそうですが、二人が好きなK-POPアーティストは?

XY GENE:僕はJay Parkがめっちゃ好きです。彼は超踊れるから、僕が好きなクリス・ブラウンの韓国版っていう印象なんです。

Gokou Kuyt:俺もJay Parkは好き。あと、僕がいちばん好きなのは、DPR LIVEです。

XY GENE:DPR LIVEは僕も好きです。

Gokou Kuyt:彼はラップがめちゃくちゃ上手いんです。で、完全にヒップホップかっていうと、フューチャーベースっぽいサウンドも交えてて。ああいう感じの人は日本にあまりいないから。ビートもどこか可愛いんですよ。もう、ただのファンなんですけど、ずっとかっこいいなと思ってて尊敬もしてますね。あとは『SHOW ME THE MONEY』(韓国で人気のラップオーディション番組)に出てくる人たちをチェックしてます。クオリティーがハンパじゃないし、華やかさが掛け離れてる。

XY GENE:韓国はヒップホップを聞いてる人の割合が多いんですよ。韓国だとメジャーな音楽としてヒップホップが認められてるから。

Gokou Kuyt:K-POPでもTrapみたいな曲がめちゃくちゃあるじゃないですか。可愛い女の子のグループだけど、808がブォーンと鳴ってると、それだけでいいなってなっちゃう。

XY GENE:あと僕はSik-Kも好きです。Sik-Kは日本人と一緒にやるときは日本語もちょっと入れてて、その韓国訛りのつたない日本語が逆に良いんですよね。

Gokou Kuyt:僕は、可愛らしさみたいなものを感じる音楽が好きなんです。世の中に格好いい内容の格好いい曲はたくさんあるから。韓国のヒップホップって格好いい人たちが多いけど、ちょっと可愛い音を使っていたりする。だから好きなのかなって。韓国のR&B寄りのヒップホップアーティストも結構可愛い音を使ってたりするし、メロディもK-POPっぽい歌い方をしていて。韓国語じゃないと出ないリズム感みたいなのがあるし、語尾の感じとかも日本語じゃちょっと無理だな、みたいな。それが可愛らしさに繋がってるのかなと思う。

XY GENE:僕は韓国に住んでいたことがあるので、韓国語がある程度しゃべれるんですけど、韓国語は語尾が下がる傾向があるし、韓国語にしかない発音があるんです。英語と似てて「r」で巻き舌っていう。日本語のハキハキした感じじゃなくて、韓国語はゆったりしていてメロディに乗りやすい言語だから、そこがかっこいい。これからはリリックに韓国語を入れてみるのもいいかなと思ってます。

ーー最後に、「Room404」に絡めた質問なんですが、お二人の理想の部屋を教えてください。

XY GENE:めっちゃ天井が高い部屋に住みたいです。最近、友達のスタジオに行って天井が高い部屋の素晴らしさに気付いたんです。空間をすごく感じられてのびのびできるなって(笑)。狭くてもいいから天井が高い部屋がいい。

Gokou Kuyt:俺は今、普通のワンルームに住んでるんですけど、やっぱり音が出せないというか。隣に響いていたらどうしよう? とかいろいろ考えちゃうので、そういうのを一切考えないでいい部屋が理想ですね。あとは、今使ってる機材が大好きだから、それを置けるでっかい机。天井の高さにはこだわらない(笑)。

XY GENE:僕も机が欲しいです。今、三角机を部屋の角に置いて、その上にMacを置いてるんですけど、マルチモニターにしたくて。それを置ける長方形の長い机が欲しくて、今、D.I.Yで作ろうかなと思ってます。

Gokou Kuyt:あとは何番組でも録れるHDDレコーダーが欲しいです。テレビとラジオがめっちゃ好きなんですよ。芸人さんが出てるバラエティとか深夜ラジオが大好きで、特にオードリーの『オールナイトニッポン』が好き。俺は今、ハードディスクをテレビにつないで録画してるんです。テレビは安いヤツだからチューナーがついてなくて1番組しか録画できないんですよ。だけど、夜中1時半くらいのバラエティ番組ってちょっとずつ時間がかぶってるし、深夜ラジオもやってて。全部チェックできないのが本当に辛い(涙)。

■XY GENE
2001年、横浜生まれ。幼少期にマイケルジャクソンのスリラーに衝撃を受け、7歳にして、DVDを見て独学でダンスを完コピする。 さらにマドンナとマイケルが奪い合った伝説のダンサー、ケント・モリにその才能を評価され、マイケルジャクソン追悼公演など多くのショーケースに出演。 12歳にから韓国大手事務所にて、武者修行を行い帰国。 ダンス以外にもトラックメイクにも目覚め、自分が歌いパフォーマンスする事を理想とし、アーティストとして日々成長中。
2020年2月 1st Album 『Daydreaming』をリリース。デビュー作ながらApple Music R&B/ソウルチャート8位を記録するなど、今後が期待されるアーティストである。
2020年7月早くも新作EP「Room 404」をリリース。
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■Gokou Kuyt
97年生まれ。
アニメや様々なサブカルチャーを経由、ポップスとテン年代型ヒップホップとの接近が独特の世界観としてジワジワ人気を呼び続け、釈迦坊主らを中心とする超人気イベント<TOKIO SHAMAN>など多くのイベントにてその人気を決定的なものにしてきた。TikTokなどのSNSにもその噂は飛び火。瞬く間に中高生たちの超新星とした注目を浴びている。
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XY GENE『Room404』

■リリース情報
『Room404』
Trigger Records TRGR-1017

<Tracklist>
01. Room404
02. I Won't Take That Shit
03. Pride(Feat. week dudus)
04. Callin' (Feat. Tio)
05. ALL AROUND ME (Feat. Gokou Kuyt)
06. Flower (Prod. Daijo Kaisei)
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