Rei©hiが語る、JK時代から飛躍したハタチの自分 ルーツを探りながら紐解く『TWEMPTY』に込めたリアルな気持ち

Rei©hiが語る、JK時代から飛躍したハタチの自分 ルーツを探りながら紐解く『TWEMPTY』に込めたリアルな気持ち

 高校卒業直前の2018年2月にデビューミニアルバム『JKはブランド』でデビューを果たしたRei©hiが、2ndミニアルバム『TWEMPTY』をリリースした。彼女の名を一躍広めた『第9回高校生RAP選手権』でのちゃんみなとの一戦で負けん気の強さと言葉のパンチ力は実証済みだが、今回の新作ではラップスキルも大きく飛躍。硬軟のビートを乗りこなし、もどかしい恋愛や、自らの境遇を初めて赤裸々に綴った楽曲も収録された。デビュー時とは“レベチ”のRei©hiが詰まった本作を、彼女はどのような思いで作りあげたのか。改めて彼女の音楽ルーツを探りつつ、今年1月に20歳となった彼女の心境の変化や音楽に向き合う姿勢を語ってもらった(猪又孝)。

「ホンマに女子高生ってブランドやなぁって思ってた」

ーーラップに興味を持ったきっかけは、友達から誘われたサイファーだったそうですね。

Rei©hi:もともとレゲエが好きだったんです。中1から高3まで総合格闘技を習ってたんですけど、ジムの代表の方がレゲエアーティストと仲が良かったり、入場曲に使ったりしていて、自然と聞いてて。それで、中学校の同級生にひとりだけヒップホップが好きな男の子がいて。高校に入ったときに「サイファーっていうのを駅の近くでやってんねん」って誘われたのが始まりですね。

ーー最初はレゲエから入ったんですね。

Rei©hi:大阪だからレゲエが盛んで。南河内の出身なんで、同じ地元はTAK-ZさんとかRED SPIDERさんとか。あとは奈良寄りだから、奈良の寿君さんとか。田舎やから地域みんなで応援してる感じだったんです。

ーーサイファーに行ったときは、どんな衝撃を受けましたか?

Rei©hi:私はどちらかというとヤンキーと言われる部類の子と仲が良かったんですけど、サイファーに行ったら学校で会ったこともない、「卓球部入ってんねん」みたいな子がラップしてるとメッチャ格好良くて「そんなんできるん?」って。それが衝撃でオモロイなとなって毎晩のように通い始めたんです。

ーーやがて韻踏合組合のHIDADDYがオーナーを務めるアパレルショップ『一二三屋』にも通うようになったとか。

Rei©hi:そのサイファーに誘ってくれた男の子と一緒に行ったんです。誘ってくれた男の子は、今『一二三屋』で店長やっていて。

ーー現在、mindboiという名前で活動しているマイドリさんですね。

Rei©hi:そう。『一二三屋』に初めて行ったときは、マイドリと2人でメッチャ緊張して、店の前で「どっちから先入る?」ってジャンケンしてたくらい初々しかったんです(笑)。当時WILYWNKAくんも働いてて「うわぁ、タカくんやー」みたいな(笑)。

ーーただのラップ好きな女子高生(笑)。

Rei©hi:そのとき、マイドリがHIDADDYさんに「僕、ラップやってるんですよ」って言ったら、「今からビート流すから自分が持ってるラップしてや」って言われて。「僕、曲持ってないんです」って言ったら「それ、ラッパーちゃうで。フリースタイラーって言うんやで」と言われて。そこから2人で曲を作るようになって。それがラップを始めたきっかけです。

Reiⓒhi

ーーラップを始めて3カ月で、2016年4月に開催された『第9回高校生RAP選手権』(以下、『高ラ』)に出場し、1回戦でちゃんみなと対戦。大会初の女性ラッパー対決だったことと、Rei©hiさんがコンプラぶっちぎりのラップをカマして大きな爪痕を残しました。

Rei©hi:あはは。あのときはイキっとったからな。すいません(笑)。

ーーあの1試合でRei©hiという名前がMCバトルファンに広まりました。当時はどこに行っても、あの試合のことを言われたんじゃないですか? 

Rei©hi:どっちの面もありましたね。地元は有名人がおるわけやないから、新学期が始まって学校に行ったら下級生が学食に私を見に来たりして「なんかすげえな」っていうのは良い面。悪い面で言うと、街でやかられる(“絡まれる”に近い意味を持つ関西の方言)、みたいな。でも、自分が言ったことだからメリットもデメリットも受け入れてます。だいぶ長かったですけどね、そうなるまで。

ーー翌年の2017年には、同大会で優勝した裂固が『フリースタイルダンジョン』のモンスターに就任。ちゃんみなやLick-Gもデビューしました。同じ大会に出ていた仲間が羽ばたいていくのをどう見ていましたか?

Rei©hi:自分は自分のペースでいいと思う反面、負けん気が強いから、「くそー!」という思いもありました。けど、冷静に考えたらラップ始めてすぐにその人たちと同じ土俵に立てるわけがないんです。もともと音楽をやってたわけでもない、ピアノを弾けるわけでもない、ダンスができるわけでもない……そんな女の子が急に勝てるわけないやんって。

ーーその悔しさをバネにして、まずは自分の腕を磨いていくしかないと。

Rei©hi:ホンマにそんな感じで。人生で初めてちゃんと作った曲が「Betty Girl」っていう曲で、2016年4月の『高ラ』のあとにYouTubeに載せたんですけど、そんなに再生回数が伸びる曲じゃないと思ってたんです。それも困惑してました。みんなの評価や求めてるものはすごく上にあるけど、技量もオーラも、私まだまだ全然やでって。自分の頭に思い描くものをやるためには、全然足りてないなっていう、理想と現実のギャップがずっとありました。それも自分の中で焦りに繋がっていたかもしれないです。

Reichi / Betty Girl

ーーそうした中で、デビューミニアルバム『JKはブランド』を作ったんですよね。

Rei©hi:そうです。大阪にいるときに作って。高校卒業前の2月に出したんです。

ーーどんな作品をつくりたかったんですか?

Rei©hi:タイトル通りです。『JKはブランド』って言ってますけど、当時はそう思ってたんですよ(笑)。電車に乗っててもJKっていうだけでみんな見るし、行ってた高校もギャルの学校やったから制服も可愛いし、化粧もOKやったし、歩いてるだけでキャーキャー言われて。

ーー無双状態だった(笑)。

Rei©hi:ホンマにそう。女子高生っていうだけでモテるって。当時はホンマに女子高生ってブランドやなぁって思ってました。

ーー確かに、イケイケな自分とか、周囲に対する反抗心・反発心をテーマにした曲が多いです。

Rei©hi:それも女子高生の良いところというか。尖ってたから、進路を決めるときも、周りに「将来はラッパーって言ってるけど、大丈夫なんか?」って言われても「あなたはRei©hiじゃないのに、Rei©hiになった気で言わんといて!」と思ってて。今は、生きてくって大変やなと思うし、周りの人に対してリスペクトもあるんですけど、当時は“1”言われたら“10”返すくらいの気持ちでいたから。『JKはブランド』には、それがそのまま入ってると思います。

ーー『JKはブランド』を出したあと上京して生活環境が変わりました。上京から2年経ちますが、音楽活動に対する気持ちにどのような変化がありますか?

Rei©hi:人として大事なことをもっと考えるようになりました。自分はどんなことが言いたいんやろ?っていうのは昔から考えてるんですけど、当時が“1”やったら今は“5”くらいになってるはず。あと、音楽面では『JKはブランド』の頃は“無”やったから。オートチューンの使い方とかもメッチャ下手やったし、ライブもまだまだやなとか、いろんなコンプレックスがあったんですけど、ちゃんと真剣に向き合って、ひとつずつ学んでいってるなと思います。勢いだけじゃアカンなっていうのも気づきのひとつ。それは自分の良さやから下げなくていいけど、他の1個1個の質を上げていこうと。

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