『ONE in a Billion』インタビュー

清水翔太が語る、オーディション審査委員長として次世代に抱く思い 「嫌われる覚悟をしている最中です」

 シンガーソングライター・清水翔太が、ソニーミュージックによるオーディションブランド『ONE in a Billion』のネクストシーズンにて審査委員長を務める。清水翔太は前シーズンにもゲスト審査員として登場。アーティスト目線の厳しさと愛のあるコメントが視聴者からも話題になっていたが、当人は“責任を背負いきれなかった”と後悔が残っていたという。本ネクストシーズンでは、オーディションの最初から最後まで、真剣に若き才能と向き合っていく。

【衝撃の】清水翔太が初めて口にするオーディション参加者への想いとは!?【インタビュー】

 10代で華々しくメジャーデビューし、現在ではセルフプロデュースで作品を作り上げるなど、意欲的な活動を見せてきた清水翔太。本オーディションを通して次世代アーティストの卵たちに何を伝えたいのだろうか。『ワンビリ』審査委員長としての決意から、優れたアーティストの条件、そしてまだ見ぬ参加者への期待など、オーディション開始直前の率直な思いを聞いた。(編集部) 

未来の音楽シーンや新しい才能を応援したいという気持ちは強い

ーー昨年開催された初回の『ONE in a Billion』(以下、ワンビリ)でもゲスト審査員を務めましたが、今回のネクストシーズンで審査委員長のお話を受けた際の心境は?

清水翔太(以下、清水):僕自身、オーディション番組が大好きで、以前から審査員として関わりたいとずっと思っていたので素直に嬉しかったです。前回はゲスト審査員という形で呼んでいただいたんですけど、あの時はその瞬間瞬間の評価しかすることができなかったから、個人的には少し悔しかったというか。最初から最後まで関わって、ちゃんと責任を背負った上で審査したかったという気持ちもあったんです。今回は審査委員長として改めて機会をいただけたので、ぜひやりたいと返事をしました。

ーー最近では『PRODUCE 101』や『Nizi Project』などのオーディションが高い注目を集めています。翔太さん自身は、オーディションやそれに伴う番組に対してどんな魅力を感じますか?

清水:ベタですけど、目標に向かって頑張る姿や華やかに夢を叶える瞬間には感動します。現実の世界で起こるシンデレラストーリーだと思いますし、普通の暮らしの中では絶対に見られない感動があるので、そこに魅力を感じますね。ただ、審査委員長として関わるのと、視聴者として楽しく見るのでは全く視点が異なるので、前回以上に参加者と向き合って、審査に臨みたいと思っています。

ーー前回の『ワンビリ』で審査に関わられた際は、翔太さんの厳しくも愛のあるコメントが印象的でした。

清水:アーティスト目線での審査となると、どうしても厳しくなってしまうんです。僕自身、自分のやりたい音楽を素直に表現できない葛藤や悩みも経験してきたし、アーティストとして苦しんだ部分もたくさんあって。プロとしてやる以上、楽しいや好きという感情だけで活動はできないし、そういう仕事との向き合い方は大事だと思う反面、僕のような思いをするアーティストは生まれてほしくないとも思うんです。特にこれから先の世代のアーティストには好きな音楽を自由に表現してほしい。自分個人の音楽活動と同じくらい、未来の音楽シーンや新しい才能を応援したいという気持ちは強いです。

ーー実際にアーティスト経験を豊富にしている翔太さんだからこそ、参加者に伝えられることもたくさんあると思います。

清水:そうですね。きっと、周りのスタッフがアーティストにあれこれ口を出しても、演者側の大変さや厳しさは伝えづらいし、相手にも響きにくいと思うんです。実際にステージに立った経験も、ファンからの視線のプレッシャーを感じたこともないので。だからこそ、実際に経験している僕から伝えることには意味があると思っていて。それに僕自身セルフプロデュースの作品制作を通して、プロデュースというものに対する一定のスキルも培ってきたので、その経験をもとにできることはなんでもやりたいし、しっかり伝えていきたいですね。

僕が何よりも大事だと思うのは周りの人に対するリスペクト

ーー今回の審査はZ世代(12歳~22歳)が対象です。中には一回り以上離れた世代の方々を審査するわけですが、そこに対して意識することはありますか?

清水:僕が今、31歳なんですけど、ひとつ下の世代と何も意識せずに向き合えるギリギリのタイミングかなと思っています。きっとこれ以上年齢が離れてしまうと理解できない部分も出てくると思うんですけど、今ならまだ20歳くらいの頃の気持ちに立ち返れるというか。落ち着いて向き合っていけると思います。

ーーこれから成長していくであろう若い才能がたくさん参加すると思います。翔太さん自身は、アーティストとして伸びていく資質やタイプをどのように考えていますか?

清水:まずは自分に自信を持っていて周りに流されないこと、それに柔軟性も兼ね備えている人は間違いなく伸びていくと思います。この両方を兼ね備えている人って少ないと思っていて、自分に自信を持っていても柔軟性がなかったり、柔軟性はあるけど本当の自分を理解できていない、みたいな。そういう要素はもちろんですが、僕が何よりも大事だと思うのは、周りの人に対するリスペクトをちゃんと持てることですね。

ーー自分を持ちながらも、相手へのリスペクトを忘れず、柔軟に意見も取り入れることができる人ということですね。ただ、そういう精神的な部分を教えたり、身につけることは難しいですよね。

清水:特に他者へのリスペクトは、年齢が若ければ若いほど難しいと思います。だからこそ、『ワンビリ』を通して僕が見せていきたいと思っていて。僕も経験を重ねる中で、キャリアや年齢に関係なく相手をリスペクトできるようになっていったので。それがいかに大事なことなのか、ちゃんと伝えていきたいし、参加する人にも積極的に感じ取ってもらいたいです。

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