KREVA主催『908 FESTIVAL ONLINE 2020』 初のオンライン開催で示した一つの高い“基準”

 そして主役のKREVAは、この日に配信されたバラードナンバー「素敵な時を重ねましょう feat. SONOMI」からライブをスタート。さらに「基準 ~2019 Ver.~」「ストロングスタイル ~2019 Ver.~」とアグレッシブな楽曲を重ねて熱気を生み出すと、MIYAVIをステージに呼び込み「STRONG MIYAVI vs KREVA」で火花が散るようなセッションを見せる。そしてこの日のクライマックスとも言える一幕となったのが、スペシャルゲストに石川さゆりを迎え、MIYAVIと三者で披露した「火事と喧嘩は江戸の華 feat. KREVA, MIYAVI」。今年2月にリリースされた石川さゆりのアルバム『粋~Iki~』の収録曲で、江戸の粋をラップで表現したという異色のナンバーだ。着物姿の石川さゆりを中心にMIYAVIとKREVAが並ぶ絵だけで相当のインパクトがある。

 石川さゆりに長く活動を続けながら新しいチャレンジに乗り出す秘訣を聞く一幕を経て、続いては「想い出の向こう側 feat. AKLO」を披露。一つの場所にとどまらず変わり続ける表現者としての意志を示す。終盤はメロウな「瞬間speechless」から、バンドメンバーを紹介し、この日に誕生日を迎えたSONOMIとのデュエットで「ひとりじゃないのよ feat. SONOMI」を歌い上げ、「音色 ~2019 Ver.~」でステージを締めくくった。

 ライブを終えたKREVAはトークスペースに移動し、『908 FESTIVAL』のもう一人の立役者でもある三浦大知とステージを振り返り、二人で新曲を作っていることを告げる。コロナ禍でライブがままならない状況を受け「また会おう」という思いを恋愛のシチュエーションに喩えた「Fall in Love Again feat. 三浦大知」という曲だ。生配信のみのスペシャルパフォーマンスとして公開されたこの曲は、二人の歌声が情感たっぷりに絡み合う、エモーショナルでありつつライブでグッとテンションをあげるような一曲だ。最後には出演者全員がステージに揃い、KREVAが「また必ず会いましょう」と告げてフェスは全て終了した。

 終了後には出演アーティストたちが打ち上げスペースに移動し、乾杯し歓談しながらライブを振り返る様子もたっぷりと配信。こうしたスペシャル感もオンラインフェスならではの演出だろう。当日の視聴者数は1万人超。そして、この日のライブの模様は9月22日21時08分まで一部を除きアーカイブ配信される。

 結局、全部含めると5時間近くの内容。MIYAVIもステージで言っていたが、まさに「カロリーが高い」フェスというのが本音の感想だ。

 もちろん、リアルなライブをオンラインで代替するのは難しい。会場に集ったお客さんの熱気がさらに一体感を生み出し、それが特別なフェス体験としての興奮を生み出すのは否めない。それでも、コメントを通したコミュニケーションや充実したトークパートなど、この形ならではの挑戦もそこかしこにあった。

 大きな変化を余儀なくされている今だからこそ、新しい形の「音楽のお祭り」。今回の『908 FESTIVAL ONLINE 2020』には、そういう、いわば時代のドキュメントとしての意味も大きく刻み込まれていたと思う。

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KREVAオフィシャルサイト

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