三代目 J SOUL BROTHERS 今市隆二&登坂広臣、歌でグループを支える2人 「冬空」から考えるツインボーカルの特徴

 EXILEを筆頭として今や幅広い世代のメンバー達が属し、様々なグループ形態で革新的なエンタテインメントを発信し続けているEXILE TRIBE。本稿では、そのEXILE TRIBEに属する各グループの“歌い手”達に焦点を当て、一人ひとりの歌声の特徴やグループとしてのコンビネーション力を分析する。

 第5回目は「R.Y.U.S.E.I.」「Summer Madness」などJ-POP史に残るヒット曲を世に送り届けてきた三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBE。国民的グループを歌で支えてきた2人のボーカリスト、今市隆二・登坂広臣の歌声に魅力について今改めて掘り下げる。

艶があり滑らかな質感で強く響き渡る、今市隆二の歌声

 絹のような艶と滑らかな質感があり少し鼻にかかったような音色が耳に残る、今市隆二の歌声。繊細で優しい声質だが音抜けが良く、地声からシームレスに繋がり高音域までカバーするミックスボイスや、突き抜けるような高音のファルセットまで、その声の個性を保ちながら強く響き渡らせる。また、随所でみられる複雑なフェイクも大きな特徴の一つであり、「R.Y.U.S.E.I.」などのEDM系の楽曲でも勢いを殺すことなく独特のグルーヴを形作っている。卓越した発声技術でメロディを華やかに色づけるようなボーカリストだ。

芯が太く深い音色を力強く、登坂広臣の歌声

 今市と同じく高い技量と艶やかなボーカリングを特徴としているが、比較すると地声の響きがふくよかで、深い息の流れを感じられるのが登坂広臣の歌声だ。芯が太く力強い発声により息混じりの音色が低音まで澄んで聴こえるため、勢いのある曲でもバラードでも強いインパクトを残す。そして何より特筆したいのはファルセットの美麗さだ。今市と同様にかなりの高音まではっきりと響かせられる上、地声からの切り替えも軽やかで常に聴き心地が良い。ボーカルラインにしっかりとした芯を与え、土台から支えるような存在である。

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