東京事変「赤の同盟」はドラマと重なり合う楽曲に 『私たちはどうかしている』主題歌として担う役割を考察

 他にも歌詞のフレーズにはドラマ中で様々な印象的なシーンを想起させるものが多々あり、このドラマのために書き下ろされた楽曲だからこそできる魅力の引き出し方に徹している。『私たちはどうかしている』においての「赤の同盟」は、本楽曲があってこそドラマが作品として完璧な状態で完成するという、まさにパズルのピースのような重要性を感じた。それほどまでにパチリとしっかり作品の中にハマっているのだ。楽曲が持つイメージが視聴者にどのような働きかけをするかを熟知した演出が多くなされており、「赤の同盟」に関しても毎話、佳境となるドラマの終盤で、最適なシーンの中に取り入れられている。

 主題歌の力がドラマをより盛り上げることは度々あり、人気ドラマと人気主題歌はいつの世もセットになっている。「赤の同盟」も同じようにドラマの世界をより深く掘り下げ、多くの人に強い印象を抱かせる名盤となるだろう。

■Nana Numoto
日本大学芸術学部映画学科卒。映画・ファッション系ライター。映像の美術等も手がける。批評同人誌『ヱクリヲ』などに寄稿。Twitter

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