嵐がインスタライブで見せた諦めない姿 個性豊かな“コンビトーク”から伝わる、5人のポジティブな意志

世間に漂う暗いムードを吹き飛ばすような未来への展望

 今回のインスタライブでは、近況報告とともに、今後の話や進行中の企画の話などもいくつか上がった。惜しくも公演延期となってしまった『アラフェス2020』の楽曲投票を取り直すという話題から、先述の大野の個展、二宮の主演映画の予定や、相葉発案で動画を撮っているという話まで飛び出し、色々と制限された状況のなかでも何か楽しめるものを、と取り組んでいる姿勢を見せた。

 特に、松本の「今はわからないけど、もしかしたら状況が変わって、コンサートができる日がくるかもしれない。でもそれがわかった時に動き出したんじゃ間に合わないから。できるかわからないけど、その日のために準備はしておきたい」という言葉に、こんな暗い世の中でも前向きに、希望を信じて、可能性を捨てず、未来を作ろうとしている意志を強く感じた。

 「チャンスは準備された心にのみ降り立つ」という有名な言葉があるが(細菌学者のルイ・パスツールによるもの)、嵐はまさしくこれを体現しているグループだと改めて感じた。いつ来るのか、本当に来るかもわからない「チャンス」のために、それを掴む準備をいつでも怠らない人達だ。そして同時に、「今の状況でも出来ること」も模索し、どんどんチャレンジしていく。「今できること」「これからのためにしておくこと」を同時に実行するのは並大抵のことではないと思うが、それを嬉しそうに「ファンのみんなに喜んでもらいたい」と語る姿に、純粋ないちファンとして目頭が熱くなってしまった。

 世間は日々感染者の情報や、混迷する世情に疲れ切っているムードさえ漂っているが、そんな中にあっても輝くことを諦めない嵐の姿に、励まされるファンは多いのではないだろうか。彼ら自身も、新型コロナウイルスへの不安や緊張感に晒されているだろう。それでも、他者を気遣い、明るい話題を提供しようとするその姿勢に、心の底から「ありがとう」という感謝の気持ちと、賞賛を贈りたい。

 嵐が笑っているうちは、まだ頑張れる、もう少し頑張ろう、という気持ちにさせられたインスタライブだった。次回の開催にも期待が高まる。

■佐久良夏生
1988年生まれ。茨城出身。日本の音楽・コミック・サブカルチャーが好きです。

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