韓国大手配信サービス Melon、リアルタイムチャート廃止 ファンによる過剰な“スミン”行為の影響を解説
Melonにはリスナー数が表示されるデイリーチャートと、再生回数によるリアルタイムチャートがあるが、スミンが多い曲では2つのチャートの間に“ねじれ現象”も生まれていたという。そんな中、新たに「音源買い占め問題」も浮上した。
「世間的にもあまり知られていない曲が急にチャート上位に入ってきたんです。2018年初頭にチャンドクチョルという男性グループが急にヒットしたのですが、それはFacebookの口コミでヒットしたのではないかということであまり問題視されなかった。しかし数カ月後、同じ事務所の所属歌手・Niloが同じように1位になったときは、同時期にEXO−CBXやWanna One 、TWICEなども曲を出していたのに1位を取れなかったり、ファンダムが大きいタイプの歌手ではないのにチャート上昇の仕方がスミンタイプに似ていたことで『アカウントをたくさん取得して曲を再生しているのでは』と怪しむ意見がありました。公式的には否定され、結局うやむやに。スミンの問題があってチャートに対する信頼が無くなっていたところ、より疑惑を深めることになったと思います。結局、リアルタイムチャートがあることによって揉めることが多くなってしまった。それもあって、Melonも今後は24時間単位でストリーミング40%、ダウンロード60%で合算して順位を出すことにしたようです。これによって、スミンをしているファンにとっては1位を取れるチャンスが1日1回だけになってしまいました。スミン自体をなくすことは難しいので1日1回にしたり、ダウンロードとストリーミングの割合を調整するしかないということでしょう」
様々な手段で対策を打とうとしているものの、配信サイトとユーザーとのいたちごっこになっているのが現状のようだ。
「1回ダウンロードして、消して、またダウンロードし直すという“ダウンロードスミン”もあります。これは特に欧米圏などで流行っていて、K-POPアーティストがよくiTunesで1位をとっているのを見かけると思います。ストリーミングがメインのアメリカではダウンロードを使う人が急速に減っており、CDと同じくダウンロードして聴くのはファンダムがメイン。だから、ファンダムが大きいグループがチャートで1位をとりやすい。特にアメリカのファンが目をつけたもので、何かあるたびにダウンロードスミンをして1位を狙うファン活動が定着した様です。無料でも視聴できるSpotifyやYouTubeは特に海外のK-POPファンの間でスミンの温床になっているみたいですね」
ファンの“チャート1位”への熱い思いは決して否定できないが、それが時に不正へと繋がる例もある。好きな音楽やアイドルに真摯に向き合う姿勢を忘れずにいたい。