TWICE、IZ*ONE、BLACKPINK……一貫したグループ像と新たなコンセプト打ち出すガールズグループ
6月は、大型ガールズグループが立て続けに新アルバムを発売したことで、K-POPが大いに注目された。最近のK-POPでも愛嬌を重視するグループは数多くデビューしたが、昨今のトレンドはまた移り変わり、ガールクラッシュと呼ばれる中でもよりエネルギッシュなコンセプトが目立ってきている。K-POPガールズグループは同性からも厚く支持されてきたが、従来は女性として、ありのままの自分の個性を全肯定する前進的で逞しいイメージであったのに対し、最近では、挫折や努力を重ねた結果として手に入れた、非の打ち所がないほどの完璧さや強さを感じさせる傾向にある。今回はそんな中で、それぞれの個性を打ち出している3組をピックアップする。
TWICEの新曲「MORE & MORE」は、TWICEがこれまで流行させてきたようなキャッチーなフレーズと、異性を惑わせたいという大人な女性像を表現したサウンドが組み合わさり、神秘的なイメージを与えている楽曲だ。デビュー当時の元気で健康体なイメージから、メンバーのミナが一時期の休養期間に入るという苦難があった後、8人体制で活動した「Feel Special」で、グループとしての大きな転換期を迎えることとなった。すでにTWICEの人気が確固たるものとなったことから、年齢を重ね、成長したクールなコンセプトもすっかり定着した。「MORE & MORE」のMVはこれからの季節をファッショナブルに演出した映像と、メンバーの奇抜なファッションによって、”可愛らしさの開拓”を行なっているという印象を受ける。これまでは親しみやすさを武器に人気を得ていたが、メンバーの持つビジュアルを生かし、革新的なイメージに挑戦している。そのような“可愛らしさ”の在り方を探求する姿勢は注目を集め、これからの活躍に関心を持たせ続けている。
一方、IZ*ONEの新曲「Secret Story of the Swan(幻想童話)」は、物語のような非現実的な美しさで、心を鷲掴みにされるような楽曲だ。精巧に作り込まれたファンタジーな世界観が、K-POPの中でもエンターテインメント性に富んでいる印象を受ける。同楽曲は、サビでの力強く壮大なサウンドが印象に残り、これまで象徴的だった美しさや可愛らしさとはギャップを感じさせている。グループ結成のきっかけである『PRODUCE 48』でのデビューをかけた壮絶なサバイバルを見事に勝ち抜いたことで、メンバーそれぞれの実力が保証されているため、ダークヒロイン的な可愛らしさにも挑戦できるのだろう。IZ*ONEはデビューして以来、表現力に富んだ難易度の高いパフォーマンスで、完璧な姿を見せ続けている。その芯の強さが、まさにIZ*ONEの個性である。加えて、日本語曲を含む幅広いコンセプトにも対応し、グループとして総合的なレベルはかなり高いものの、活動期間が2年半だと定められているからこそ、パフォーマンスにおける独特の緊張感やグループとしての儚さも感じられる、希少なグループだ。