SiM、10-FEET、COMEBACK MY DAUGHTERS、BBQ CHICKENS……自宅で楽しむライブハウスの魅力

 新型コロナウイルスの影響を受け、STAY HOMEが叫ばれる中、ライブは続々と中止や延期を余儀なくされている。バンド主催の大型フェスも例外ではなく、SiMの『DEAD POP FESTiVAL 2020』、10-FEETの『京都大作戦2020~それぞれの一番 目指しな祭~』が中止となり、ライブキッズにとって辛い日々が続いている。現在は様々なアーティストが過去のライブ映像作品をYouTube上に無料公開(期間限定)している状況であり、ここでは厳選した映像と共に、改めて“ライブハウスの魅力”を掘り下げていきたい。

 まずSiMは2ndライブDVD『10 YEARS』を公開している。これは彼らの3rdアルバム『PANDORA』に伴う『PANDORA TOUR 2013-2014』のツアーファイナル(2014年1月25日、新木場STUDIO COAST)の模様を収録したもの。このファイナル公演は初日がワンマンライブ、2日目が『DEAD POP FESTiVAL 2014』と2デイズ(トータル6千人動員)で行われ、ここではワンマン公演の映像を観ることができる。表題通り、結成10周年の節目を飾るライブであり、『PANDORA』という作品自体もラウドロックの範疇に収まらないメロディアスなアプローチに磨きをかけた飛躍作だった。「BRAiN」ではSHOW-HATEがキーボードを弾いたり、「Rosso & Dry」においてはMAHがピアニカを吹くなど、新たなチャレンジが盛り込まれ、それらのエレメントがライブに華を添えている。ダークな攻撃力だけではなく、カラフルな色味を添加させた曲調はセットリストの流れの中でも抜群の効果を発揮。サークルモッシュやウォール・オブ・デスなど、ラウド系バンドに欠かせないお約束の盛り上がりもある一方、真摯なメッセージを伝える場面もあり、内から外から観客を刺激し続けるパフォーマンスは必見だ。SiMは翌年の2015年に『DEAD POP FESTiVAL』を初の野外で開催、同年には“最初で最後”と銘打った初の日本武道館公演も大成功に収めた。そう考えると、このライブはバンドが次なるフェーズに突き進む寸前の、脂が乗りまくったパフォーマンスを捉えたものと言えるだろう。

SiM – 【期間限定】 10 YEARS -LiVE at STUDIO COAST-
SiM – Rosso & Dry (OFFICIAL VIDEO)
10-FEET『TWISTER』

 そして、10-FEETは4th DVD『OF THE KIDS,BY THE KIDS, FOR THE KIDS! Ⅲ』を公開(こちらはすでに終了)。これは彼らの4thアルバム『TWISTER』を引っ提げた初のZepp Tokyoワンマン公演(2006年12月2日)を収めたもので、約2時間半に及ぶステージを堪能できる。冒頭曲「SLIGHT」の途中で紗幕が下りる凝った演出を施し、観客の熱気をピークへと引き上げていく。序盤の「NO WAY」ではスタジアムロックばりに特大のシンガロングを巻き起こし、鳥肌が立つ臨場感を味わえる。さらに当時大人びた曲調でファンを驚かせた「ライオン」(アルバム先行シングルにて発表)ではファンにはお馴染みのドクター長谷川がトランペットで参加し、「child」においてはフォーク風味の歌モノ曲を披露したりと、多彩な表現力で観客を惹き付ける様が伝わってくる。前述した楽曲はいずれも『TWISTER』収録曲であり、10-FEETの歴史を振り返っても転機となる重要作であった。従来のメロディックパンク、ミクスチャーというスタイルから解き放たれ、大きな括りでロックと表現したくなるサウンドで勝負するようになった。それが骨太ロックへと成長を遂げる、次作5thアルバム『VANDALIZE』へと繋がっていく。この時期のライブはバンドが貪欲に自身の可能性を押し広げていた時期と言っていい。長尺のライブにも関わらず、フロアの熱をキープし続ける手腕も脱帽。

10-FEET「SLIGHT」
10-FEET「NO WAY」
10-FEET「child」

 ライブ中にTAKUMAは「ストレス溜めてきた?」「日頃の鬱憤を全部晴らしてください!」と何度も呼びかける。デビュー時は地元・京都のライブハウスでプレイした後、観客全員と友達になったというエピソードを挟み、「全国を地元にしたらいいんだ!」という発想に着地したという。そう、10-FEETはアーティストと観客という垣根を越え、まるで友達に語りかけるような親密なパフォーマンスが魅力である。その拡大版とも言える『京都大作戦』が今や夏の風物詩と化した名物フェスになっているのも激しく頷ける。

10-FEET – ライオン

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