ジャニーズ期間限定ユニット J-FRIENDSからTwenty★Twentyに受け継がれる“意志” ジャニー喜多川の夢が形を変えて実現

 そして今回、楽曲「smile」を書き下ろしたのは、ジャニーズとは初のタッグとなる櫻井和寿(Mr.Children)。自身も、長きにわたって精力的にチャリティー活動を行っている櫻井は、ジャニーズが歌うことを前提としたからこそ書けた歌詞があるといい「ジャニーズの皆さんほど、このフレーズを歌うにふさわしい方はいない」と、歌詞の一部を明かしている。

だけど忘れないで
[君の笑顔に逢える]
それだけで生きていける僕がいる

 Twenty★Twentyのメンバーのなかには、櫻井に憧れる者も少なくない。櫻井が作った楽曲を歌うという、メンバーにとっては夢のようなコラボの実現が、こうした有事の際というのは少々、悔しくもある。それでも「ジャニーズの力」「ジャニーズにしかないもの」を信じて楽曲を託してくれた、櫻井の想いに応えたいとする声、責任感は、メンバーのコメントからもうかがえた。

 ジャニー喜多川が、何年も前から構想を練り、誰よりも待っていた「2020年」。このような形で迎えるとは、誰もが予想だにしなかっただろう。あのジャニー喜多川が2020年にいないという現実も、心のどこかでいまだ、信じることができない。

 参加メンバーであるSixTONESは、コメント内で唯一ジャニー喜多川について触れ、形を変えて実現するTwenty★Twentyに対し「感慨深い」という印象的な言葉を残した。

 2020年、世界をおもてなしする「日本のエンターテインメント」。ジャニー喜多川が描いていた壮大な夢の全貌は、今となっては誰も知り得ない。

 ただひとつ分かるのは、ジャニー喜多川が誰よりもエンターテインメントを、人々の笑顔を愛し、エンターテインメントを楽しむことのできる「平和な世界」を望んでいた、ということ。誰よりも「エンターテインメントの力」を信じていたのが、ジャニー喜多川だ。

 きっと彼が健在であったなら、この時勢に胸を痛め「今できる何か」を探し、行動しただろうと思う。偉大な父なき今、ジャニー喜多川の夢は、彼が遺した子どもたちが、手探りで繋いでいく。

 すでにいくつもの支援プロジェクトが動くなか、「音楽」という原点に立ち返ったTwenty★Twenty。

 新型ウイルスと共存し得る未来、再びエンターテインメントを心から楽しめる平和な世界がやってくるその日まで、人々の心を支え続ける存在であってほしい。

■新 亜希子
アラサー&未経験でライターに転身した元医療従事者。音楽・映画メディアを中心に、インタビュー記事・コラムを執筆。
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