さだまさしに聞く「緊急事態宣言の夜に」を歌った理由 「これが音楽家として僕にできること」

さだまさしに聞く「緊急事態宣言の夜に」を歌った理由 「これが音楽家として僕にできること」

 緊急事態宣言が発令された3日後の2020年4月10日、さだまさしがオフィシャルYouTubeとLINE LIVEで「緊急事態宣言の夜に」と題した楽曲を披露した。

 〈お前のおふくろを 死なせたくないんだ〉ではじまるこの曲では、ウイルスに罹らないことの重要性、生活インフラを守る〈警察、消防、郵便、宅配、コンビニ、薬局、スーパー、自衛隊のみんな〉、そして医療関係者に対する感謝とエール、さらには争いを超え、連帯を求める〈今 ひとつになろう〉といった呼びかけが歌われており、発表直後から大きな話題を集めた。

 リアルサウンドでは、さだまさしに「緊急事態宣言の夜に」を軸としたインタビューを行った。同曲を発表した経緯、歌に込めた思い、新型コロナウイルスによって甚大な影響を受けている現状について話を聞いた。(森朋之)

歌おうと決心したのは生配信が始まってから

ーー緊急事態宣言の発令が4月7日。その3日後の4月10日に、YouTube、LINE LIVEで「緊急事態宣言の夜に」を発表して、大きな話題を集めました。

さだまさし(以下、さだ):“発表した”というきちんとしたものではないんですけどね。4月7日に緊急事態宣言が発令されて、その日がたまたま僕の母の命日だったこともあって、『「緊急事態宣言」に今 思うこと』というエッセイを書いたんです。最初は「Masa@Mania」(まっさマニア)というファンの方向けの月額サイトにのみ公開しようと思っていたら、スタッフから「これはたくさんの人に発信しましょう」と言われ、公式のInstagram、LINE、Twitterなどに載せて、さらに翌日、そこで書いたことを歌にしました。

ーーそれが「緊急事態宣言の夜に」なんですね。

さだ:ええ。4月10日は僕の誕生日だったんですが、「こんな日にコンサートもできなくて、何も発信できないのは寂しい」と思い、レコード会社に頼んで、オフィシャルYouTubeとLINE LIVEで生配信ライブをやらせてもらって。歌を歌ったり、バカなことを話したり、みなさんに楽しんでもえることをやろうと思っていたんだけど、緊急事態宣言を受けて、何も意見を言わないというのは何だか卑怯な気がしてしまって。それで、作ったばかりの歌を歌おうと。直前まで迷いましたけどね。「どうしよう、でも、歌うか」と決心したのは、生配信が始まってからでした。(歌詞の)推敲もできていないし、メロディも不安定だから、おそらく歌い出しと途中ではメロディが変わってるんですよ。ほぼ即興で歌ったようなものだし、新曲の発表というわけではないんです。そのときの僕の思いを音楽家としてぶつけたと言うのかな。

 エッセイと同じで、賛同してくださった方もいれば、反対意見もありましたね。その気持ちもよくわかるんです。だけどね、僕が文句を言って解決するならともかく、「カッコつけて言ってるだけ」みたいになるのが悔しくて。だったら、〈お前のおふくろを死なせたくない。だから俺はこの病気に罹らないように努力するし、お前に会わない努力をする〉ということを歌うべきだなと。

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