稲垣吾郎が体現する”成熟した大人”の魅力 『Aging Gracefully』新アンバサダー就任で伝える、優雅な年の重ね方

 「健康、仕事、お金、家族のこと……どれも心配といえば心配ですが、性格もあってか、あんまりそのことで頭を抱えたくない。正直、行き当たりばったりですが、そこで起こるハプニングを、僕は楽しみたいほうなんだと思います。皆さんは、どうですか?」4月23日に公開された『AG』プロジェクトの公式サイトで公開されたインタビューにて、稲垣はこんなふうに読者に呼びかけていた(参照:Aging Gracefully公式サイト)。そして、「年齢とともに衰えてきたりする部分もあるけれど、『あの頃が自分のピークだった』と振り返ってばかりいるのは、哀しいこと。心と体の変化を受け止めて弱さを補えるだけの経験と知識が、成熟した大人には備わっているはずだと思います」とも。

 そもそも大人とは単純に長く生きた人ではなく、トラブルに対応する判断力と、そのあとの責任が持てる人のことをいうのかもしれない。そのトラブルとは、対外的なものはもちろん、自分の中に起こる健康や美容に関するものも含まれる。大きな問題になる前に、その予兆を見逃さず、何ができるのかを見極める心の余裕をもつこと。年齢を重ねていくというのは、本来はそういうことなのだろう。そして、そのプロセスそのものを楽しめたら、そんなに充実した人生はない。

 振り返ってみれば、稲垣の暮らしはとても丁寧だ。定期的に新鮮な花を部屋に飾る。心が潤う音楽や文学を好む。味も見た目も美しい料理を上質なワインと共に味わう。外出時には強い紫外線を日傘で避け、夜はやさしい月光を浴びる……何を取り入れるべきものなのかを見極めて実践するということ。そして、何よりも楽しむということ。一見シンプルだが、それこそが彼の華麗なる加齢の秘密なのだろう。

 稲垣が『GLOW』内で連載しているコーナー『大人男子ライフ』で、かつてこんな言葉が掲載されていた。「自然に、自分らしく『シワも味のひとつです』と言っても、味は自意識で出すものじゃなく、周りが決めるものだから……。物事すべてにおいてだけど、あんまり味に逃げたくない、かな?」。

 世の中には自分で意識できることと、そうではないことがある。そうした周りからの評価も、自分の中に取り入れるべきものか否かを見極めることが必要だ。そう、稲垣と共に、より美しく、大人として生きていくために。

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